Androidスマートフォンの“寿命”がiPhoneよりも短い理由(2/3 ページ)
今回はスマートフォンをとりまくOSアップデートの実情、新たな取り組みについて考察する。AndroidスマートフォンのOSアップデートがiPhoneよりも少ない背景には、検証コストやプロセッサのサポート期間がある。そのAndroidスマートフォンでも、OSのアップデート長期化の流れも見え始めている。
アップデート長期化の背景は端末の高騰、周囲の環境変化
端末のアップデートの長期化の背景の1つに、スマートフォンの価格が高騰していることが挙げられる。iPhoneをはじめ、今ではハイエンド機種と呼ばれるものは10万円を超えるものが大半を占め、折りたたみ端末のように20万円を超えるものも現れている。並のノートPCや各種白物家電よりも高額な商品になりつつあるのだ。
初代Galaxy Foldは発売時で1999米ドル、日本でもauより24万円(税込み)で発売された。高額な商品となるため、従来のような2年のサポート期間では納得のいかないユーザーも多いはずだ。
日本でもアップデートの関心度は高い。言い換えれば、長期にわたってスマートフォンを利用するニーズが多くあるのだ。MMD研究所が2022年9月に実施した調査によると、スマートフォンの買い替え頻度は、iPhoneとAndroidともに3年に1回が最多という結果も出ている(外部リンク)。
背景には、前述した価格の高騰に加えて、以前に比べてスマートフォンそのものが数年で極度に陳腐化しなくなったことが挙げられる。そのような状況下では、一般に5年近く利用するスマートフォンにおいて、2年間しかアップデートされない、されるかも分からない機種には不安を覚えるものだ。
加えて、世界的な環境負荷対策への関心の高さも大きい。近年は製品パッケージを薄くしたり、材質をプラスチックから紙に変更して、製造時や輸送時のCO2削減を図ったりする製品が増えている。
スマートフォンとしては製品寿命を長くすることで、余計な廃棄物を減らす「サーキュラーエコノミー」という考え方が近年注目されている。端末を長期にわたって利用できるようにすることが、環境への配慮にもつながるという考え方が広まってきている。
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