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iPhoneでイルミネーションを「玉ボケ」にして撮る方法 あの機能を有効活用すべし荻窪圭のiPhoneカメラ講座(1/2 ページ)

最近のiPhoneは優秀なので、イルミネーションも何も考えずにキレイに撮れる。そこで今回は趣向を変え、身近なところにあるイルミネーションやキラキラしているツリーなどをキレイに撮る方法を紹介する。ある機能を使えば、上手に「玉ボケ」を作れるのだ。

 年末ですな。昔に比べて夜の街が浮かれなくなっている印象なのだけど、すっかり街に出なくなったからかもしれない。

 そんな中、iPhoneでイルミネーションを撮る話はどう? と言われたのだけど、最近のiPhoneは優秀なので特に何も考えずに撮ればきれいに撮れるわけで、気を付けるべきはゴーストくらい。

 なのでちょっと趣向を変えてみた。

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 (物理的に)身近なところにあるイルミネーションとかキラキラしているツリー的なものとかそういうのを生かして撮るコツだ。それは「ポートレートモード」を使う。


iPhone 14 Proで2xのポートレートモードを使って撮影。イルミネーションは玉ボケで決まり

ポートレートモードを使えばイルミネーションを「玉ボケ」にできる

 とある駅ビル屋上のツリーのオーナメント。普通に撮ってみた。まあきれいだけど、照明のLEDの形まできっちり見えちゃって風情がない。


普通にとったなんてことないツリーのアップ。LEDがいっぱい光っていますね感がある

 では今度はポートレートモードで撮ってみよう。


ポートレートモードにしてみよう

 するとこうなるのである。点で光っているLEDの光がほわっと丸くぼけて点が円になる。一般に「玉ボケ」と呼んでいる。光をきれいにボカして幻想的に撮るには、点光源がいっぱい集まっているイルミネーションが最適なのだ。


点光源がいい感じにボケてLED感がチョット薄れた

 2xや3xのポートレートモードが使える機種だと、少し離れてちょっと望遠にすることで背景のボケはもっと大きくなる。


2xにして設定をF1.4にすると、より柔らかくて大きなボケが期待できる

 わざと手前にフォーカスを合わせることで後ろが大きくぼけるのだ。フォーカスを合わせる被写体が近くて背景が遠い方が大きくボケることを覚えておくといい。ちなみに、背景の点光源のボケが中心近くは丸いけど、周辺部にいくほど「レモン形」になる。


よく見ると周辺の光源が中心に向かってレモン形に。そういうレンズのシミュレーションをしているのだ

 iPhoneの背景ボケはデジタル的に作り出しているもので、レモン形になるのは、光学的なシミュレーションを行っているからだろう。実際、多くのレンズは絞り開放時に周辺がレモン形にボケるから。

 少し絞り込むことで背景はきれいな円になるけど、ボケも小さくなる。そこまで凝らなくてもいいと思うか、凝っているから面白いと思うかは、まあ人それぞれってことで、場所を変えよう。

 毎年ツリー状のイルミネーションが飾られる公園がある。道路からだと見えないので、もう知る人ぞ知るというか、近所の人しか知らないだろうという恒例行事だ。


巨大なツリー状の電飾と三段の雪だるまは、地元の人におなじみ(というか地元の人しかしらんと思う)。

 ちなみにこの写真、背景の空の暗さに引っ張られて全体が明るく写り過ぎちゃっている。都会の夜景だと夜景モードなんて不要なレベルで明るいのでいいんだけど、真っ暗な中にぽつんとあるときは夜空をぎゅっと暗く締めて撮りたいので、ちょいとマイナスの補正をするといい(この場合は光っている雪だるまをタップすると簡単)。


夜空をぎゅっと締めて白トビを押さえてみた。これでぐっと夜っぽい

 ではここで三段の雪だるまにフォーカスしてみたい。

 普通に撮るとこうなる。


iPhone 14 Proの2xで。背景が実に味気ない

 ポートレートモードで撮るとこう。ごちゃっとした背景もふわっとぼけていい感じに。玉ボケ万歳だ。


背景がふわっとぼけて雰囲気が柔らかくなった。夜がちょっと優しくなった感じ。

 ちなみにこれはF1.4の設定で撮っている。これをF2.8にするとボケは小さくなるけど、レモン形から円形になっていく。あとから写真アプリで調整できるので好みで合わせるといい。

写真アプリでボケ具合はあとから帰られる。これはF1.4(写真=左)。F2.8にするとボケは少し小さくなるが、レモン形から円形に近づく(写真=右)
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