ドコモがdTVを「Lemino」に刷新 月額990円に値上げも“コンテンツ約2倍+感情UI”で勝負(1/2 ページ)
NTTドコモが、動画配信サービスのdTVの後継サービスとして「Lemino」を4月12日から開始する。コンテンツ数を約2倍の18万本と拡大し、UI(ユーザーインタフェース)も刷新。楽しくコンテンツを探せて新しい出会いを実現するようなサービスを目指すという。
NTTドコモは6日、動画配信サービスのdTVの後継サービスとして「Lemino」を4月12日から開始すると発表した。コンテンツ数を約2倍の18万本と拡大し、UI(ユーザーインタフェース)も刷新。楽しくコンテンツを探せて新しい出会いを実現するようなサービスを目指したとしている。無料の広告付きモデルと月額990円(税込み、以下同)の「Leminoプレミアム」プランを用意。レンタルやPPV(ペイパービュー)の個別課金や独占配信、オリジナルコンテンツも用意する。
同時に、エンターテインメントサービスなどのサブスクリプションサービスとdアカウントをひも付けることでdポイントを還元する「爆アゲ セレクション」も提供。Netflixや今回のLeminoなど、5サービスの中から好きなサービスと連携させれば、選択したサービスの月額料金の最大20%をdポイントで還元する。4月1日から順次連携を開始する。
視聴するコンテンツを探すことに疲れたという声
Leminoは、「Let me know」(何か教えて)という英語からの造語で、「コンテンツを探すことを楽しみに変え、コンテンツとの出会いにワクワクを作り出したい」と同社執行役員スマートライフカンパニー映像サービス部長の小林智氏は話す。
「感情」をキーワードにしたというUIを採用。映像コンテンツの視聴前、視聴中、視聴後のいずれのタイミングでも、感情のスタンプから映像を検索したり、視聴中のシーンで感じた感情をスタンプで投稿したり、他のユーザーをフォローして感情を共有したりと、動画の視聴だけでなくSNS的なコミュニケーションも可能にした。「これまでのVODサービスにはなかった機能」と小林氏。
そうしたUIを採用した背景として小林氏は、多くの動画配信サービスが登場したことで視聴するコンテンツを決められない、探すことに疲れたという悩みが増えた、と指摘する。そこで直感的にコンテンツに出会えることを目指したという。
ホーム画面は「エモートライン」と呼ぶUIで、フォローしたユーザーのお勧め作品、レビュー、新着作品を集約したタイムライン形式を採用。胸キュン、ワクワク、ジーンなど、感情をテーマにしたスタンプからコンテンツを検索することも可能だ。
オリジナル作品を積極的に制作していく
dポイントクラブ会員9000万、ドコモ携帯契約8600万、ドコモメディア利用4600万MAUという会員基盤を生かして、多くの利用者を取り込もうと広告付き無料モデルを新たに導入。音楽やスポーツなどの大型コンテンツの独占無料配信も行う他、例えばシリーズの最新話のみを無料で視聴できるようにして、全話視聴できる有料プランに誘導するなどの施策を展開する。
月額990円のLeminoプレミアムでは、18万本のコンテンツが見放題。さらに個別課金のレンタル/PPV/購入のコンテンツも用意する。スマートフォン、タブレット、PC、TVでの視聴に対応する予定。ただし、TVはどのプラットフォームに対応するかは現時点で未定だという。
既存のdTVコンテンツだけでなく、独占配信、オリジナルコンテンツにも力を入れる。韓流/アジア作品では「財閥家の末息子~Reborn Rich~」など、年間12本以上の最新作を独占配信。国内ドラマはオリジナルドラマを年間13作品以上独占配信する。邦画、音楽ライブ、エンターテインメント番組も独占配信やオリジナル番組の制作も行う。
例えばボクシング・井上尚弥選手のタイトルマッチを無料で独占配信。仲村トオル/舘ひろしのコンビが主演、本広克行監督がメガホンを取ったオリジナルドラマ「さらば、銃よ 警視庁特別銃装班」の独占配信、BUMP OF CHICKENのライブ映像5カ月連続独占配信などを用意する。
オリジナルコンテンツに関しては、ドコモが企画など積極的に関与して制作資金も提供。制作委員会方式などの手段も取りつつ、積極的にオリジナルコンテンツを制作していきたい考え。国内だけでなく海外でも制作をしたい意向で、オリジナルコンテンツの二次配信での収益化も想定する。
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