Googleがお手頃スマホ「Pixel 7a」を発売 直販価格は6万2700円 ドコモも取り扱い:発表即発売
GoogleがPixelスマートフォンの廉価版(Aシリーズ)の新モデルを投入する。ベースモデルである「Pixel 7シリーズ」と同じプロセッサを採用しつつも、本体素材の変更などによって値段を大きく抑えたことが特徴だ。キャリアを通した販売では、NTTドコモでの扱いが“復活”することにも注目したい。
Googleは5月11日(日本時間)、新型スマートフォン「Pixel 7a」を発売する。Google ストア(直販サイト)における販売価格は6万2700円(税/送料込み)で、日本国内ではNTTドコモ、au(KDDIと沖縄セルラー電話)、ソフトバンクでも販売される。
Pixel 7aの概要
Pixel 7aは、先に発売された「Pixel 7シリーズ」の廉価モデルという位置付けだ。「Pixel 7」の128GBモデルと比べると1万9800円安い価格だが、主要なスペックはしっかりと引き継いでおり、「安くて快適」を追求している。
SoCはオリジナル設計の「Google Tensor G2」で、独自設計のセキュリティコプロセッサ「Google Titan M2」と組み合わせることで強固なセキュリティを確保している。メモリは8GB(LPDDR5規格)で、内蔵ストレージは128GB(UFS 3.1規格)を備える。microSDメモリーカードには対応しない。
OSはAndroid 13をプリインストールしており、少なくとも5年間(※1)のセキュリティ更新の提供が保証されている。GoogleのVPNサービス「Google One VPN」の無料利用権と、「Google One(100GB)」と「YouTube Premium」の3カ月無料体験権も付帯する(※2)。
(※1)Google Storeでの発売日が基準(今回の場合、2023年5月11日から少なくとも5年間となる)
(※2)2024年12月15日までに登録する必要がある
ディスプレイは1080×2400ピクセルの約6.1型有機ELで、リフレッシュレートは最大90Hzとなる。HDR(ハイダイナミックレンジ)表示や、スリープ中の画面表示(Always On Display)にも対応している。
リフレッシュレートは、標準では「60Hz」に固定されている。設定を変更すると、コンテンツに応じて自動的に90Hzに引き上げられるという実装で、多段階制御ではないことに注意したい。
ディスプレイ内には指紋センサーを搭載しており、指紋による生体認証も可能だ。インカメラを使った簡易顔認証にも対応しているが、画面ロックの解除以外の用途には利用できない。
アウトカメラは「広角」「超広角」の2基(デュアル)構成で、オートフォーカス(AF)と光学式/電子式手ブレ補正に対応している。それぞれのカメラの主なスペックは以下の通り。
- 広角(メイン)
- センサー:約6400万画素(1/1.73インチ、Quad Bayer、ピクセル幅0.8μm)
- 絞り値:F1.89
- 画角:80度
- デジタルズーム:最大8倍
- 超広角
- センサー:約1300万画素(ピクセル幅1.12μm)
- 絞り値:F2.2
- 画角:120度
Pixel 7シリーズとの主な差分としては、動画のHDR(ハイダイナミックレンジ)撮影に対応しないことが挙げられる。
インカメラはシングル構成の固定フォーカスで、主なスペックは以下の通り。
- センサー:約1300万画素(ピクセル幅1.12μm)
- 絞り値:F2.2
- 画角:95度
「Pixel Aシリーズ史上、最も頑丈」とされているボディーは、IP67等級の防塵(じん)/防水性能が確保されている。画面には耐傷性に優れた「Corning Gorilla Glass 3」を、本体フレームとカメラバー(アウトカメラ周辺部)にはアルミニウム素材を採用した。ガラス、アルミニウム、プラスチックにはリサイクル素材も含められている。
ボディーカラーはCharcoal(チャコール)、Snow(スノー)、Sea(シー)、Coral(コーラル)の4種類を用意している。Coralについては数量限定で、スペシャルパッケージ「赤のエンタメパック」として登場する(詳細は後述)。
Pixel 7(左)とPixel 7a(右)を並べてみる。カメラバーはどちらもアルミニウム素材だが、Pixel 7の方が少しだけ厚めで大きい。背面パネルの見た目はそれほど変わらないように見えるが、Pixel 7はガラス素材(Corning Gorilla Glass Victus)、Pixel 7aは3D合成素材である
外部ポートはUSB 3.2 Gen 2 Type-C端子を備えている。この端子は、USB PD(Power Delivery)規格の急速充電にも対応する。有線のオーディオ機器を利用する場合は、USB Audio規格に準拠するDAC(Digital Analog Converter)を備えるオーディオアダプターが必要となる。
先代の「Pixel 6a」との大きな違いとして、Qi(チー)規格のワイヤレス充電をサポートしている。ただし、別のワイヤレス充電機器に充電する「バッテリーシェア」は利用できない。
モバイル通信は、GSM(2G)、W-CDMA(3G)、LTE(4G)、5G NRの各規格に対応している。5G NRはSub-6(6GHz帯以下の帯域)のみの対応で、ミリ波(mmWave:28GHz帯)は利用できない。SIMはnanoSIMカードとeSIMのデュアルSIMとなる。
日本向けモデル(G82U8)が対応する周波数帯(バンド)は以下の通り。
- GSM:850、900、1800、1900MHz帯
- W-CDMA:Band 1、2、4、5、6、8、19
- LTE:Band 1、2、3、4、5、7、8、12、17、18、19、20、21、25、28、32、38、39、40、41、42、66
- 5G NR:n1、2、3、5、7、8、12、20、25、28、38、40、41、66、75、76、77、78、79
その他、Wi-Fi 6E(6GHz帯対応のIEEE 802.11ax)、Bluetooth 5.3とNFCにも対応する。日本向けモデルでは「おサイフケータイ」(モバイルFeliCa)も利用可能だ。
ボディーサイズは約72.9(幅)×152(高さ)×9(厚さ)mmで、重量は約193.5gとなる。
Pixel 7aの付属品は、左上から時計回りにサポート情報、1m USB-C-USB-Cケーブル(USB 2.0)、クイックスイッチ(USB Type-C to Standard A)アダプター、SIMツール(トレイ取り出しピン)、保証規定の6点となる。日本向けモデルはおサイフケータイにも対応しているが、本体にかざす位置のマークがないため、サポート情報で位置を確認することになる
赤のエンタメパック(Coral/数量限定)の概要
先述の通り、Coralは数量限定の「赤のエンタメパック」として販売される。このモデルはYouTube Premiumの無料特典期間が12カ月(通常モデルの4倍)となっている他、特別なパッケージを採用している。
価格は通常モデルと同様で、Googleストアでは6万2700円となる。キャリアを通した販売も行われる。
Googleやサードパーティーのスマホケースも
Pixel 7aの発売に合わせて、Googleは純正スマートフォンケース「Pixel 7a Case」を発売する。カラーは本体と同色(Charcoal、Snow、Sea、Coral)に加えて、Seafoam(シーフォーム)の計5色展開となる。いずれのカラーも、Googleストアでは4900円で販売される。
加えて、国内ではSpigen、iFace(Hamee)、Case-Mateから「Made for Google Pixel」認証を取得したスマホケースが販売される。
発売記念キャンペーン
Pixel 7aの発売を記念して、Googleでは2つのキャンペーンを開催する。
赤のエンタメパック 発売記念キャンペーン(5月11日のみ)
5月11日の9時から23時59分までの間に、Google Japanの公式Twitterアカウント(@googlejapan)をフォローした上で、キャンペーン投稿内で出題されたクイズの答えをハッシュタグの中から選んで投稿すると、抽選で5人にPixel 7aのCoral(=赤のエンタメパック)と「フワちゃんのオリジナルモバイルピロー」がプレゼントされる。
1日限りのキャンペーンなので注意しよう。
Googleストア発売記念パッケージ(5月22日まで)
5月22日までにGoogleストアでPixel 7aを購入すると、もれなく以下の特典が付いてくる。条件などの詳細は特設サイトで確認してほしい。
- オリジナルスマホケース(Case-Mate製)
- Googleストアクレジット1万円分(次回の買い物から利用可能)
- 最大2万円のスマホ下取りサービス(対象機種のみ)
Pixel Buds A-Seriesにも新色
Pixel 7aの発売に合わせて、Googleの完全ワイヤレスイヤフォン「Pixel Buds A-Series」に新色としてSeaが追加される。販路は既存の2色(Clearly WhiteとDark Olive)と同様で、Google Storeでの販売価格も1万3700円と変わらない。
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