ChatGPT×LINEのサービスが急増 “スマホ視点”で対話型AIとの向き合い方を考える(1/3 ページ)
画像・動画・3Dデータ・音楽・テキストなど、さまざまなコンテンツを一瞬で生成できるサービスが、既に市場にあふれている。AIチャットサービスをスマートフォンからも簡単に扱えるサービスも増えてきた。対話型AIサービスに対して、どのように向き合えばいいのかを考えてみたい。
未来を予想するのは困難だ。しかし、今後「AI」との付き合い方が重要になることだけは、誰の目にも明らかだろう。ご存じの通り、画像・動画・3Dデータ・音楽・テキストなど、さまざまなコンテンツを一瞬で生成できるサービスが、既に市場にあふれている。
さらに、一般ユーザーにとってもハードルの低いであろう「テキスト生成」に焦点を絞ってみると、AIチャットサービスをスマートフォンからも簡単に扱えるサービスも増えてきた。つまり、ITリテラシーの高い・低いによらず、AIチャットは多くの人にとって身近な存在となりつつあるわけだ。
本稿では、このように、スマートフォンからカジュアルに扱えるようになったAIチャットサービスに対して、どのように向き合えばいいのかを考えてみたい。
AIチャットがスマホでも使いやすくなってきた
まず、トレンドの背景をざっとおさらいしておきたい。AIチャットサービスが1つの転換期を迎えたのは、米OpenAIが2022年11月に「ChatGPT」をリリースした時点だ。同サービスの公開が世界に大きなインパクトを与えたことは記憶に新しい。
同サービスでは、2020年にリリースされた大規模言語モデル「GPT-3」をさらに改良した「GPT-3.5」がベースになっている。また、2023年3月には後継の「GPT-4」も公開されている。
さらに、OpenAIは2023年3月に、「ChatGPT API(gpt-3.5-turbo)」の提供を開始した。APIとは「Application Programming Interface」の略で、ソフトウェア開発においてサービス間の連携に利用されるものだ。要するに「ChatGPT(GPT-3.5)のAPIが提供される」というのは、「外部のサービスからChatGPTの機能を利用できるようになった」と言い換えてもいい。なお、OpenAIはこの時点で、API を通じて送信されたデータは、モデルのトレーニングに使用しないとも発表していた。
こうした流れもあって、2023年春は、これらを利用したサードパーティー製のAIチャットサービスが続々と登場しているタイミングなのである。もちろん、それ以前から言語モデルの「GPT」シリーズのAPIを活用したサービスがなかったわけではない(例えば、GPT-3のAPIを使ったAIライティングサービスの「Catchy(キャッチー)」は2022年6月にリリースされていた)。しかし、ChatGPTが広く知れ渡ったタイミングということもあってか、2023年3~4月にかけては、新サービス・新機能が爆発的に増えているといった印象だ。
中でもスマートフォンから使いやすいサービスとして顕著なのが、LINEのbotだろう。例えば、piconが3月2日にリリースした「AIチャットくん」は、ChatGPTのAPIを活用したLINE bot(公式アカウント)であり、リリースから1カ月で登録者100万人を突破した(※2023年4月4日時点のプレスリリースによる)。4月21日にはグループチャットにも対応するようになるなど、アップデートを継続している。
また、LINE上でChatGPTを活用した類似サービスとしては、CGOドットコムが3月9日にリリースした「AIギャル」や、Second handが3月16日にテスト版としてリリースした「AIチャットちゃん α版」、DIOCODEが3月末にリリースした「Diochat」、ウェル・ビーイングが4月4日にリリースした「AIアシスタント」なども目にとまる。
他にも、アプリの体裁でスマートフォンからChatGPTの機能を利用できるものも多く登場している。オーソドックスなAIチャットツールの機能が使えるものから、悩み事相談相手として特化したもの、英会話の講師として使えるもの、求人サービスやマッチングアプリのプロフィール文の添削まで、さまざまな用途で使われ出している。正直、ChatGPTのAPIを活用したサービスの全体像を網羅するのは既に困難だといっていい。
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