「iPhone 15 Pro」が“劇的に変わった”と感じた理由 14 Proユーザー視点でレビュー(2/3 ページ)
「iPhone 15 Pro」を1日弱使ってみたので、iPhone 14 Proユーザー視点でファーストインプレッションをお届けする。手にして、サイズ感と持ちやすさが劇的に変わったと感じた。カメラはポートレートモードが大きく進化して、より楽しく撮影できるようになった。
カメラはポートレートモードが大きく拡張
カメラは4800万画素のメイン(広角)、1200万画素の超広角と望遠という構成はiPhone 14 Proから変わらないが、iPhone 15 Proではより高解像度な2400万画素での撮影が可能になった。iPhone 14 Proでは4つの画素を1つにして高感度の写真を撮影する「クアッドピクセル」を採用しており、通常時に保存されるのは1200万画素だった。iPhone 15 Proではコンピュテーショナルフォトグラフィーによって、これが2400万画素に向上した。
ただしiPhone 15 Proでも、ナイトモードやマクロ、フラッシュ、ポートレート照明で撮影した場合は1200万画素で保存される。明るい場所では解像度を優先させ、暗い場所では高感度を優先させたということなのだろう。
ポートレートモードの進化も特筆すべき点だ。これまで、人物の背景をぼかすポートレートを撮影するには、「ポートレートモード」を手動で選択する必要があった。しかしiPhone 15 Proでは「次世代のポートレート」に対応し、人物にフォーカスを当てると、写真モードのままポートレートを有効にでき、背景をぼかした写真が撮れるようになる。筆者も子どもを撮影することが多いが、ポートレートモードに切り替えるのが面倒でそのまま撮影することが多いので、iPhone 15 Proなら人物撮影がはかどりそうだ。そして、明るい場所なら2400万画素で保存されるので、より高精細な写真を残せる。
さらに、ポートレートの背景ぼかしを後から調整することも可能になった。人、犬、猫を撮影する際、深度情報を自動で取り込むため、フォーカスや背景のボケ具合を後から調整することで、より印象的なポートレートに仕上げられる。背景をぼかさずに撮った写真も後からボケを加えられるので、「ポートレートを撮るぞ」と意識しなくてもよい。ピントを合わせる箇所は手動で変更できるので、背景を強調して人物をぼかす、複数いる被写体でピントを合わせる人物を入れ替える、といったこともできる。
やや遠くから撮影した人物の写真も、後からポートレートに変更し、拡大してトリミングすると、あたかも近くから撮影したかのようなポートレートに編集できる。トリミング後の解像度は200万画素ほどだったが、もとのサイズが2400万画素と大きいので、拡大しても破綻なく表示できている。ポートレートは人物にある程度寄って撮るもの、というイメージがあるが、iPhone 15 Proならやや遠くから撮影した人物でもポートレートに仕上げられるのだ。
ポートレートモードは静止画のみだが、実は、動画のポートレート撮影も機能が向上している。それがシネマティックモードだ。シネマティックモードは、被写体を追尾してフォーカスを合わせ続けることができる、いわば動画のポートレートモードといえる機能。iPhone 14 Proでは1xと3xしか選べなかったが、iPhone 15 Proではズームバーを使って細かく調節できるようになった。1xから3xまで、被写体へ徐々に寄っていく様子を記録できるので、より映画のような動画を撮影できるはずだ。
光学ズームは3倍まで、デジタルズームは15倍までなのはiPhone 14 Proから変わらないが、iPhone 15 Proでは、ズームバーに表示される焦点距離が追加された。iPhone 14 Proは0.5xの13mm、1xの24mm、2xの48mm、3xの77mmという4種類だったが、iPhone 15 Proでは1.2xの28mmと1.5xの35mmも選べるようになった。
ただし28mmと35mmは撮影画面からワンタップで切り替えることはできず、ズームバーを調節する必要がある。iPhone 14 Proでもズームバーから同様の焦点距離にセットはできるが、写真撮影でよく使うとされる焦点距離が明示されることで、より適切な倍率に調整しやすくなった。
これらにマクロ撮影を加えた7つの焦点距離を持つことになる。Appleが発表会で「7つのレンズを持つ」と説明していたのはこのためだ。ちなみに、iPhone 15 Pro Maxでは77mmではなく光学5倍ズームの120mmを7つ目の焦点距離としている。
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