レビュー

「TORQUE G06」は海上でも使えるアウトドアギアか 実際にヨットに乗って試してみた海で使うIT(3/3 ページ)

京セラの「TORQUE G06」は、9月28日に発売され11月から個人向けに出荷が始まったアウトドア志向のスマホだ。京セラは5月に個人向け携帯事業からの撤退を発表しているが、「TORQUE」シリーズは継続するとしている。今回は本製品を実際に海上で使ってみた。

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バッテリーを交換できるが航海中は要注意

 TORQUE 5Gユーザーからの要望として本体サイズの小型化と軽量化が多かったということで、TORQUE G06では本体サイズを75(幅)×14.6(奥行き)×154(高さ)mmとTORQUE 5Gから高さを13mm減らしている。重さも234gとこちらもTORQUE 5Gから14g軽くなった。わずか14gと思うかもしれないが、その違いは明確に認識できる。

 幅が同じサイズなので持ったときの感覚としてはほぼ変わらないが、高さがだいぶ減っているので、例えばライフジャケットやオイルスキンのポケットに収納しやすくなっている。本体サイズとは異なるが、オプションでフロート付きのストラップが用意されているので、水辺で使うことが多いTORQUEユーザーは用意しておくと安全だろう。

 TORQUEシリーズの特徴としてバッテリーパックが交換できることを挙げるユーザーが多い。確かにAC電源が使えない野外において充電しなくてもバッテリーパックを交換すれば使い付けられるメリットは大きい。ただし、常時高湿度で頭から波しぶきがかかり海水飛沫が滞留している時間も多い航海中のヨットやパワーボート、シーカヤック、そして、SUPの場合、バッテリー交換のために本体カバーを解放したタイミングで露出する接点の金属に海水が付着して腐食するリスクが高まることは十分留意しておきたい。

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メインカメラのレンズはTURQOE 5Gからマクロを追加して3眼構成となった

カラーバリエーションは2023年11月時点でブラックとレッド。左にあるのはTORQUE G03だが、オーナーズイベントでは、このイエローもバリエーションとして期待する声が多かったという

バッテリーを交換するにはカバーのネジを回してロックを外す。このネジを手で回すのはちょっと難しい

バッテリーの容量は4700mAhとTORQUE 5Gの4000mAhから増えている

バッテリーパックを取り出すとバッテリー接点やSIMスロットなど金属製部材が露出する

 船で使う“タフネス”スマートフォンとしてハードウェアを見たとき、TORQUE G06は従来モデルから堅牢性能が強化されてより一層信頼できる“航海を共にする相棒”に進化している。その一方で、その信頼できるハードウェアを真に使えるギアにするためのソフトウェアは、自然事象や行動記録関連の情報提供ツールなど“応急のサブセット”としては十分に備わっているものの、例えば、電子海図を含めた航法支援ツールとして、または、より過酷な状況でも確実に信頼して使えるデジタル舶用機器として使うにはあともう一歩というのが正直なところだ。

 アウトドアの雰囲気を街で楽しみたいおしゃれなアーバンアドベンチャーを主なユーザーとして想定しているならそれでもいいが、本格的な野外行動で「信頼できる相棒」を目指すならば、ユーザーは自分でそのために開発された専用アプリを用意する必要があるだろう。

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