スマホとマイナンバーカードで確定申告をやってみた メリットと注意点とは?(1/2 ページ)
給与が2000万円以上の人、副業などの収入が20万円を超える人、家族の医療費が10万円を超える人などは、会社員でも確定申告をする必要がある。これまで確定申告したことがない人にとっては、難しく感じるかもしれない。だがスマホとマイナンバーカードで、意外と簡単に申告することができる。
会社員などの給与所得者は、会社が年末調整を行うので、基本、確定申告は不要。だが給与が2000万円以上の人、副業などの収入が20万円を超える人、家族の医療費が10万円を超える人などは、会社員でも確定申告をする必要があったり、確定申告した方がトクになったりする。
個人事業者である筆者は毎年のことなのだが、これまで確定申告したことがない人にとっては、難しく感じるかもしれない。だがスマホとマイナンバーカードで、意外と簡単に申告することができる。
筆者はいつもPCで申告しているのだが、今回、初めてスマホから申告してみた。その感想をお伝えしよう。
初めての確定申告で必要な準備は? パスワード忘れに要注意
スマホやPCでの確定申告は、国税電子申告・納税システムの「e-Tax」を使って行う。その際、マイナンバーカードを読み取るためのICカードリーダライタは不要。必要なものはマイナンバーカードとスマホだけでいい。
e-Taxで電子申請するメリットは、税務署に行く必要がなく、24時間いつでも申告できること(メンテナンス時間を除く)。しかも還付がある場合、書面提出の場合は1カ月~1カ月半くらいかかるところ、3週間程度と早めに還付金が手に入る。
スマホには事前に「マイナポータル」アプリをインストールしておこう。このアプリは政府が運営するオンラインサービスで、確定申告に必要な証明書などをオンラインで取得して、e-Taxに連携することができる。ただ、2020年から実施された「マイナポイント」で、ポイントを受け取ったことがある人なら、既にこのアプリはインストールしているはずだ。
令和5年分の確定申告からは新たに、給与所得の源泉徴収票、国民年金基金掛金、iDeCo、小規模企業共済掛金が連携できるようになった。その他、連携できるデータは以下の通り。マイナポータル連携することでデータを取得し、確定申告書の該当箇所に自動で入力してくれるので、数字を入力する手間が省ける。
なお、e-Taxで申告するために、事前に利用者識別番号を取得しておこう。この申請はスマホとマイナンバーカードででき、本人確認の証明として、マイナンバーカードの作成時に設定した、英数字6~16文字の署名用電子証明書のパスワードが必要。マイナポータルについても事前に利用者登録を行っておく。マイナポータルへのログインには、同じく作成時に設定した、数字4桁の利用者証明用電子証明書のパスワードが必要になる。
署名用電子証明書のパスワードは連続5回、利用者証明用電子証明書のパスワードは連続で3回間違うとロックがかかってしまうので注意しよう。ロック解除には住民票がある市区町村の窓口での操作が必要になるので、事前にしっかり確認しておきたい。
確定申告の入力操作は意外とスムーズ 流れを確認しよう
準備が整ったら、マイナポータルのログイン画面から操作し、マイナンバーカードを読み取ってログインする。最近の機種ならほぼ利用できるが、スマホはマイナンバーカードの読み取りができるNFC対応のものを利用。スマホの機種によって読み取り方法が異なるので、事前に確認しておくとスムーズだ。
筆者はiPhoneで操作したので、マイナンバーカードの顔が表示された面を表にし、上部にスマホをかざした。なお、PCで操作する場合は、PC画面に表示されたQRコードをマイナポータルアプリで読み取り、そこから数字4桁のパスワードを入力して、マイナンバーカードを使ってログインする。
マイナポータルとe-Taxへの認証が完了すると、国税庁の「確定申告書作成コーナー」に移動する。その際、iPhoneは「Safari」、Androidは「Google Chrome」のデフォルトのブラウザを利用。その他のブラウザは推奨環境外となり、先に進めなくなるようだ。事前にe-Taxの利用者識別番号を取得していると、住所、名前、生年月日など、申告書の作成に必要な情報が表示される。
その後、作成する申告書と作成する年分を選択。提出方法をe-Tax(マイナンバーカード方式)にして、マイナポータルと連携して操作を進めていく。
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