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15周年の「LINE」、次の10年でどう変わる? 日程調整や買い物代行、その鍵はAIエージェントに(2/3 ページ)

15周年を迎えたLINEが独自のAIエージェント「Agent i」によってユーザー行動を代行・支援するアプリとして進化させる方針だ。ホーム画面の刷新やトークへのAI参加、月額290円の「LYPプレミアム」新プランなどを打ち出す。

これからLINEアプリはどう進化する?

ホームタブ


LINEヤフーの小林貴樹氏(執行役員 メディア・検索ドメイン メディアSBUリード)

 AIエージェントで変わるLINEの機能の1つとして、同社の小林貴樹氏(執行役員 メディア・検索ドメイン メディアSBUリード)は、「ホーム」タブのリニューアルを挙げる。

 小林氏はホームタブリニューアルのスタート地点として、現代の深刻な情報過多と、それに伴うユーザーの負担を挙げた。

 生成AIの登場などで情報やコンテンツが爆発的に増える一方、ユーザーは情報を確認するために日々多くのアプリを行き来しなければならず、負担が増しているという。小林氏自身も朝起きてから情報を確認するだけで10個以上のアプリを使用していると明かし、こうした課題を解決するために「必要な情報や体験が自然に集まる場所」へとホームタブを刷新すると説明した。従来の「各機能へアクセスするための画面」から、個々に最適化された「マイホーム」のような存在を目指すという。

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 新しいホームタブは、画面上部に「今見るべき、今確認してほしい」日常のライフインフォメーションを配置し、下部にはニュース、エンターテインメント、クリエイターコンテンツなどが並ぶフィードで構成される。


新しいホームタブのイメージ

 単にユーザーの興味に合わせて情報を並べるだけでなく、タイトルやサムネイル、テキスト、さらにはデザインやフォーマットそのものまで、ユーザー一人一人に合わせて最適化して届ける。既に一部のユーザー向けに提供を開始しているプロトタイプ段階でも、1つのコンテンツが50万~100万回以上閲覧されるなどの実績が出ているという。

 このホームタブの進化を支えるAIエージェントには、主に2つの役割が与えられる。1つは、ユーザーを深く理解する「My Home Agent」だ。提案された情報に対してユーザーがどう感じたか(重要か、心地よかったかなど)という日々のちょっとした「対話(フィードバック)」を学習し、日常に寄り添った提案の精度を上げていく。

 もう1つは、多種多様なジャンルのコンテンツを収集・解析し、最適な形でユーザーに提示する「Proposer Agent」だ。小林氏は「1億人のユーザーがいれば1億通りのプロポーザーエージェントを作るべきだ」との考えを示した。


「My Home Agent」のイメージ

 今夏には新しいホームタブが全ユーザーに展開される予定だ。

ショッピングタブ


LINEヤフーの嘉戸彩乃氏(執行役員 コマースドメイン ソーシャルコマースSBUリード)

 LINEヤフーの嘉戸彩乃氏(執行役員 コマースドメイン ソーシャルコマースSBUリード)は、コマース領域の現状と展望を説明した。

 2015年に始まった「LINEギフト」は、年間1300万人以上が利用するサービスへと成長し、2026年度には流通総額が1000億円を超える見込みだという。月間流通総額がコロナ禍前の100倍にまで急成長している実績を背景に、LINEのコマース体験をこれまでの「特別な日のギフト」という用途から、毎日1000万人以上が接点を持つ「毎日を彩るEC」へと拡張していきたいという。

 その中核となるのが、従来の「VOOM」タブに代わって9月上旬に全ユーザーへ正式公開される「ショッピング」タブだ。これまでの商品30万点から一気に拡大し、LINEヤフーグループが展開する3億以上の商品を取り扱うという。


新しいショッピングタブのイメージ

 「トークの合間に見る、あなただけのショッピングタウン」をコンセプトとし、ユーザー一人一人の好みに合わせた売り場を提供する。

 LINE IDにひもづいた住所や支払い手段を活用することで、シームレスに購入できる他、商品を見るだけでクーポンがもらえるユーザー参加型の企画や、PayPayポイントがたまりやすく使いやすい仕組みも導入する。

 さらに、これらの購買体験はAIエージェントの導入によって最適化される仕組みも取り入れた。嘉戸氏は「商品との出会いを好みに合わせてAIエージェントが運んできてくれる」と説明する。

 例えば、好きなアーティストの限定商品が先行販売される際、AIが事前に情報を知らせ、ユーザーの代わりに入荷情報をチェックして購入を完了させるといった購買体験の提供を目指しているという。

LINEミニアプリ


LINEヤフーの山崎達嗣氏(執行役員 コーポレートビジネスドメイン ビジネスPFSBU ミニアプリメディア&コンテンツユニットリード)

 LINEヤフーの山崎達嗣氏(執行役員 コーポレートビジネスドメイン ビジネスPFSBU ミニアプリメディア&コンテンツユニットリード)は、「LINEミニアプリ」の展開について触れた。

 店舗やサービスの利用時における「行列に並ぶ」「専用アプリのインストールが必要」といった日常の不便を解消するため、LINEはインストール不要のミニアプリを3万3000以上、提供している。スターバックスのモバイルオーダーや薬局の処方箋受付などで活用され、既にLINEユーザーの3人に1人にあたる約3000万人が利用しているという。

 8月頃から順次実施するアップデートでは、履歴やお気に入りへのアクセスを改善する他、ユーザーごとに最適化されたクーポンを表示する。スマートフォンのホーム画面をカスタマイズするように、自分だけのアプリストアを作るような体験を提供していくとしている。


インストール不要のミニアプリ

 さらに、このミニアプリタブにもAIエージェントを実装する。これまでは個別の店舗ごとに情報を探す必要があったが、AIが数多くのミニアプリや公式アカウントを横断して情報を取得できるようになる。例えば「すぐに入れるお店を探して」とAIに依頼するだけで条件に合う店舗を絞り込み、会員登録などをせずに順番待ちや予約まで行えるような、新しい顧客体験(Agentic UX/CX)の実現を目指すという。

「Agent i in Chat」


LINEヤフーの朝井大介氏(執行役員 LINEドメイン メッセンジャーSBUリード)

 LINEヤフーの朝井大介氏(執行役員 LINEドメイン メッセンジャーSBUリード)は、年内にリリース予定の「Agent i in Chat」を発表した。LINEの原点であるトークルームにAIエージェントが加わることで、単なるコミュニケーションの場から、ユーザーの行動や意思決定をより便利にする場所へと拡張していくという。

 この機能では、AIエージェントが通常の友だちと同じように個別のトークやグループを構成する一員として参加する。グループ内でメンションを付けて指示を出すことで、さまざまな作業を裏側で代行してくれるのが特徴だ。朝井氏は具体的なユースケースとして以下の3つを挙げた。

  • タスクの整理:イベントの計画などで「誰がどの役割をするか」という会話が流れてしまった際、AIエージェントに指示を出すと、これまでの会話を読み取って「誰が何をするか」を自動でノートにまとめてくれる。
  • スケジュール管理:トーク内で食事などの予定が決まった後、AIエージェントにカレンダーへの登録を指示すると、会話の中から日付、場所、店舗名などを自動で抽出してカレンダーに登録する。
  • 写真の整理:旅行などでグループ内に大量の写真が共有された際、AIエージェントに整理を依頼すると、写真の中身を自動で読み取って複数のアルバムにカテゴライズし、整理・保存してくれる。

LINEのトークルームから呼び出せる「Agent i in Chat」

 同社が目指すのは「1億人のユーザーの日常の中に、AIエージェントが自然に存在している状態」だという。これまでのトーク体験を邪魔することなく、友だちと同じようにAIがそっと寄り添う世界を構築していくとしている。Agent i in Chatは2026年中のリリースを予定している。

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