シンビアンは、「Symbian Cooking School 2006」と題したSymbian OS開発者向けのトレーニングセミナーを2006年12月11日(月)に開催します。同セミナーでは、最新技術情報に加え、パートナー企業による先進の技術情報や詳細な解説を用意。開発者の皆様に実践的な技術知識・開発ノウハウを習得していただけます。
・日時:2006年12月11日(月)10:30 - 19:00
・会場:グランド ハイアット 東京(会場:3Fタラゴン)
・参加費:20,000円(事前登録制)
・来場者特典:書籍「Symbian OS プラットフォームセキュリティ」(翔泳社刊、定価4,800円)をプレゼント
なお、11月28日までの早期割引期間内にご登録いただくと、下記の早期登録特典が付きます。
・参加費5,000円オフ
・抽選で50名様に書籍「Symbian OS Internals−リアルタイムカーネルプログラミング」(翔泳社刊、定価12,000円)およびSymbianオリジナルショルダーバックをプレゼント
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日本でのSymbian OS搭載機は、ドコモ向けの端末を中心にコンシューマー市場向けが多い。しかし、Symbian OSは欧米ではビジネス市場向けのスマートフォンで実績を積んでおり、この分野で大きなシェアを持っている。
「日本市場で言いますと、(ドコモの)ビジネス 『FOMA M1000』でSymbian OSが採用され、話題になりました。またノキア製のスマートフォンであるEseriesやNseriesにもSymbian OSが搭載されており、こちらも一部機種が日本市場に投入されています。日本市場でも(法人向けの)スマートフォンが立ち上がりはじめていますが、ここは我々が強い分野になっています」(久氏)
ビジネス向けスマートフォン市場では、MicrosoftのWindows Mobileも注目を集めている。最近ではウィルコムの「W-ZERO3」シリーズや、ドコモの「hTc Z」、ソフトバンクの「X01HT」が登場して話題になったが、久氏によるとSymbian OSにはWindows Mobileに対する大きな優位性があるという。
「(Simbyan OSの)大きなポイントが、やはりスマートフォンとしての実績です。すでに8280万台以上の端末を市場に投入し、信頼性を築いています。(システム構築をする)パートナー企業も大手システムインテグレーターを中心にコミュニティが育っています。また、よく言われる(Microsoft)Exchange Serverとの連携ですが、こちらもSymbian OS用のプラグインソフトですでに提供しています。ビジネス向けスマートフォンで重要なのはソリューションですが、この部分ではSymbian OSの方が優位性があるといえます」(久氏)
また、ビジネス向けスマートフォンだからこそ、携帯電話の基本的な性能もしっかりしていなければならない。
「やはりビジネスで使うものですから、すぐに『電池切れ』では話にならない。低消費電力性能は、コンシューマー向け端末以上に重要になります。ここは携帯電話を発展させる形で進化してきたSymbian OSが、他の(携帯電話向け汎用)OSに比べて優れているポイントになります」(久氏)
さらにコンシューマー市場だけでなく、ビジネス市場を見据える上で重要な要素として、久氏はOSレベルでのセキュリティをあげる。WindowsなどPC向けOSではコンピューターウイルス対策などは、専門のセキュリティソフトウェアで水平分業的に提供されるのが一般的だが、シンビアンは「セキュリティはOSが提供するもの」(久氏)をポリシーにしている。
「ひと頃、Symbian OSにウイルスが感染するのではないかと指摘されたことがありましたが、実際は(ウイルスが)インストールされるまでにユーザーが承認を3回もする必要があり、被害は出ていません。それに日本では、そもそも外部からアプリケーションソフトウェアをインストールできる仕様になっていません。
我々は携帯電話を社会のインフラと考えており、おサイフケータイの登場でさらにセキュリティニーズは高くなると考えています。そこでSymbian OSのバージョン9では(9月20日の記事参照)、プラットフォームとしてのセキュリティレベルを従来以上に高くしています」(久氏)
具体的には、アプリケーションごとにシンビアンの認証サインが必要になり、安全性が担保されなければインストールそのものができない。さらにOSレベルで、アプリケーションの動作を制限することが可能になった。
「セキュリティは我々の責任であり、Symbian OSの中でのプライオリティは極めて高い。PC向けのOSや、(その流れを組む)他の携帯電話OSに比べて、シンビアンのセキュリティに関するスタンスは設計思想から異なると考えています」(久氏)
日本市場は第3世代携帯電話(3G)への移行が急速に進み、高機能・高付加価値型の端末が販売の中心を占める。シンビアンはこの日本市場の特性を重視しており、日本の携帯電話メーカーやキャリアを集めたカンファレンスを開催し、本国の開発者も交えたディスカッションを行っている。これにより先進的な日本市場の動きにも、しっかりと対応したOS作りを実現しているという。
「シンビアン全体に占める日本のポジションは非常に大きいのです。ビジネス的に見ても、今年第1四半期だけで(売り上げの)25%を占めます。さらに端末機能やインフラ技術の分野で、他の地域市場よりも先を行っている。日本を見れば携帯電話ビジネスの将来がわかるのです。これはグローバルのシンビアン全体の共通認識になっています」(久氏)
日本市場は先進性が高く、日本メーカーは高機能・高付加価値の端末作りで世界をリードしている。しかし、その一方で、日本の国内市場の飽和が近づいているのも事実だ。その状況を踏まえて、久氏は「日本メーカーの海外進出をシンビアンがサポートしたい」と話す。
「我々はグローバル企業ですから、海外のオペレーターや(海外市場での)ビジネスについての知識があります。さらにSymbian OSでは開発期間短縮や低コスト化で多品種少量の端末投入をサポートしますし、地域市場ごとにアプリケーションソフトの外部調達を可能にします。様々な面から、日本メーカーの海外進出をサポートしていきたいと考えています」(久氏)
携帯電話に特化した高機能なオープンOSとして、日本でも着実に普及していくSymbian OS。その存在は日本市場の豊富で魅力的な端末ラインアップを支えるだけでなく、日本メーカーの海外進出を促し、携帯電話ビジネスの裾野を広げる橋渡しをするかもしれない。シンビアンの今後の動向に注目したい。
シンビアンは、「Symbian Cooking School 2006」と題したSymbian OS開発者向けのトレーニングセミナーを2006年12月11日(月)に開催します。同セミナーでは、最新技術情報に加え、パートナー企業による先進の技術情報や詳細な解説を用意。開発者の皆様に実践的な技術知識・開発ノウハウを習得していただけます。
なお、11月28日までの早期割引期間内にご登録いただくと、下記の早期登録特典が付きます。
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提供:シンビアン 株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年11月15日