コンパクトなカジュアルワンセグ端末はこうして生まれた──「SH704i」のこだわり(2/2 ページ)

» 2007年08月27日 10時00分 公開
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徹底的にこだわった“横向き”での操作性

Photo 通信システム事業本部 パーソナル通信第一事業部 第2ソフト開発部 主事の梅田芳夫氏

 SH704iは、SH903iTVとは異なり、ディスプレイを表にして折りたたんで、ワイド画面にワンセグをフル表示して視聴すると、ダイヤルキーが隠れてしまう。そのため、ワンセグ視聴時の操作性は徹底的に議論してもっとも使いやすい形にまとめたという。その中でも中心的な役割を果たしたのが、ソフトウェア全般のとりまとめを行った通信システム事業本部 パーソナル通信第一事業部 第2ソフト開発部 主事の梅田芳夫氏だ。

 「SH704iはスウィーベル(回転2軸)スタイルなので、ディスプレイを表にして折りたたむと、使えるキーの数は少なくなってしまいます。この少ないキーでどうやって使いやすさを実現するか、長い時間をかけて議論しました。使い勝手を検証するために、実際にいろいろな組み合わせのパターンを作って、使いやすいキー配置を追求しています」(梅田氏)

 使いやすさを向上させるためには、専用のキーが少しでもたくさんあった方がいいが、ボタンを増やすことはすなわちボディサイズの大型化につながってしまう。ワンセグやカメラの起動に利用する[TV]キーと左右キー、そしてディスプレイの横に用意した上下キーの組み合わせで、横向きで違和感なく操作できるよう、さまざまな可能性を考えながら最終的なキーの割り当てを決定した。

 「上キーの長押しでMULTI ASSISTANTが起動したり、決定が[TV]キーの短押しに割り当てられていたりするのもすべて苦労の結果です。ワンセグだけでなく、ほかの機能を使ったときにも、どちらが上下でどちらが左右か、という部分はいろいろな操作を考慮して、もっとも使いやすいようにこだわりました。実はシャープのスウィーベル(回転2軸)端末は何機種もありますが、閉じた状態で横向きで使っていただくのはSH704iが初めてなんです。いろいろ悩むこともありましたが、最終的にはすごくいいものができたと思います」(梅田氏)

SH704iならではの、お目覚めTV機能と卓上時計

 ソフトウェア面では操作性へのこだわりに加えて、商品企画の濱田氏がどうしても入れたかったと話す機能がある。それがお目覚めTV機能と卓上時計だ。70xiシリーズの端末ということで、90xiシリーズのような“機能満載のハイエンド端末”という位置づけではないため、毎日楽しみながら使える機能も用意した。

 「SH704iは、より生活に密着した端末を目指し、ワンセグだけでなく携帯電話としても便利な機能を搭載しました」(坂口氏)

 お目覚めTV機能は、ワンセグを目覚まし時計がわりに利用できる機能で、設定した時間にワンセグが起動する。あわただしい朝に、目覚ましとしてニュースや天気予報番組を活用しているユーザーも多いと思うが、これをワンセグでも利用できるようにしたもの。カジュアルなワンセグ利用には欠かせない機能だ。

 また、最近は腕時計がわりに携帯電話で時間を確認する人も多いことから、充電時に全画面で時刻を表示する卓上時計機能も新たに開発して搭載した。

 「ケータイには、腕時計よりも大きな画面で時刻を確認できるというメリットがあります。さらに、充電時に机の上などに置いておけばいつでも時間を確認できると便利だと考えました。こういった機能があれば、私自身も使いたいですし、多くの方により身近に使っていただけるのではと思ったのです」(濱田氏)

Photo 通信システム事業本部 パーソナル通信第一事業部 第2ソフト開発部の山上恭廣氏

 自身も若い女性ユーザーの1人である濱田氏は、卓上時計はSH704iには絶対に必要なものだと考え、開発が始まったときから搭載を希望していたという。その熱意に応え、通信システム事業本部 パーソナル通信第一事業部 第2ソフト開発部の山上恭廣氏は、充電が開始されたことを検出して時計表示するソフトを開発した。

 卓上時計の開発にあたり山上氏は、より楽しく美しいグラフィックを実現するため、一般的な待受画面などにかけている容量制限を超えるアプリを搭載することにした。これは卓上時計がプリインストールアプリだから実現できたことだ。

 しかし、容量の大きなコンテンツを正しく表示させるのは案外大変だったと山上氏は振り返った。「時計は表示が遅れることは絶対に許されないものですから、正確に表示されるようにタイミングを調整する作業が大変でした。デザイン担当とも何度もやり取りを行い、こだわりのある作りになったと思います」(山上氏)

Photo オンリーワン商品企画推進本部 総合デザインセンター ソフトデザイン室 主事の菊池将之氏

 コンテンツを制作したオンリーワン商品企画推進本部 総合デザインセンター ソフトデザイン室 主事の菊池将之氏は、「時計が動きつつ背景にも何か変化がほしい」という濱田氏のリクエストをもとに、“携帯の時計にふさわしい”卓上時計のデザインを進めた。

 「卓上時計は、単なる絵柄の違いではなく、イベントによって変わる時計や季節によって変化する時計、そしてグラフィックが変化する時計の3種を用意しました。季節や時間帯によって変化したりと、ときどきちょっと違う表情が出るような工夫もしているので楽しんでいただきたいですね」(菊池氏)

 菊池氏も、山上氏と同様、正確な時間を刻めるコンテンツを作成するのには苦労した。随時変化のある表現にしたいものの、あまり動作が重くなると正確な時刻が表示できなくなってしまうため、そのバランスが大変だったという。そうはいっても、背景と数字の動きにはさまざまな趣向が凝らされている。具体的にどんな変化が生じるのかは端末を購入してのお楽しみ、とのことだったが、「卓上時計は、家に帰って寝る前に充電しながらぼんやり眺めていただけるといいんじゃないでしょうか。ぎらぎら飾り立てることはせず、さりげなく自然と楽しんでいただけるものを目指しています。そして翌朝はお目覚めTVで起きていただければ(笑)」(菊池氏)

 ちなみにSH704iにプリインストールされている、ボディカラーに合わせて用意されたきせかえツール用のコンテンツも菊池氏がデザインしている。こちらも単純にボディカラーと同じ色の名前で同じ色調のテーマを用意するのではなく、WHITEにはEco、BLACKにはWine、PINKにはFlower、GOLDにはGorgeous、BLUEにはBubbleと、それぞれに独特なテーマが用意されている。これは菊池氏が“色からストーリーを発展させた形でテーマをデザインしていった方が面白いのでは”と考えたからだ。

 「プラスアルファとしてのテーマを表現しながらも、シンプルにまとめ、ユーザーに自然に使えるようデザインしました」(菊池氏)

 菊池氏によると、SH704iのきせかえツールデータでは、背景に動画が使えるVivid UIを活用し、SH903iやSH904iではやっていなかったことも試しているとのことなので、SH704iを購入した暁にはぜひ楽しんでほしい。


 SH704iは、70xiシリーズの端末だからといって、決して侮ることはできない端末だ。ハイエンド志向のユーザーから、カジュアルなケータイユーザーまで、幅広いユーザーを魅了する高級感と、開発陣の徹底した使い勝手へのこだわりがコンパクトなボディに詰め込まれた、“研ぎ澄まされた1台”なのだ。


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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年8月31日