シンプルだけに奥が深い――「N705iμ」デザインの秘密に迫る世界最薄を生かすデザインとは? 開発陣に聞く「N705iμ」(2/2 ページ)

» 2008年02月29日 10時00分 公開
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 さて、最近はLEDディスプレイを採用する機種が増えているが、どの機種も「赤色LED」を採用している。N705iμの開発時に、ほかの色は検討されなかったのだろうか。

 「どのボディカラーでも力強く表現できるのが赤でした。じつは青も検討したのですが、ボディとの組み合わせによっては微妙な見え方をしてしまう。すごくやりたかった色だったのですが、バランスを考えて赤がベストという判断をしました」(杉原氏)

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 また、N705iμ用のマイシグナル点灯パターンは、N703iμやN704iμと同じく、NECの携帯情報サイト「NEC mobile」にある「マイシグナルクリエーター」を使って作成することもできる。一般ユーザーが作るには少々ハードルが高いとも思える「マイシグナル」だが、「N703iμやN704iμの発売当初は、携帯向け情報サイト『みんなNらんど』の待受画面ダウンロードよりアクセス数が多かった」(杉原氏)というほど、利用者は多い。

 「N705iμ用のマイシグナルクリエーターでは、7×17というドット数でも作りやすいよう、アルファベットやカタカナなどを簡単に入力できるようにしました。また、N703iμとN704iμ用のマイシグナルクリエーターは、作業を中断して一時保存することができませんでした。N705iμ用では、PC上に中間コードのデータを保存できるようにしています。また、従来の7×7ドットのデータも、N705iμのマイシグナルで表示できます」(杉原氏)

制約の多い中で実現した密度の高いデザイン

photo 「N705iμは“ストイック”に作られた端末。デザインにも緊張感を持たせています」と説明する友岡氏

 N703iμはスポーティ、N704iμはエレガントなデザインが特徴的だったが、N705iμはどのようなコンセプトでデザインされたのだろうか。ボディデザインを手がけた友岡氏は“密度の高いデザイン”を目指したという。

 「N705iμはマイシグナルのLED数が大幅に増えて密度がぐっと上がっています。また、外装にステンレスを使うなど、ワンランク上の質感を持っています。N703iμはあの薄さ自体がセンセーショナルだったのですが、今回はその第2世代ということで、さらに薄く、ストイックな物作りが行われました。デザインも、そういう世界観を貫いています」(友岡氏)

 デザインをする――。とはいえ、N705iμは厚さ9.8ミリのボディにギリギリまで部品が詰め込まれており、必然的にデザインに対する制約が増してしまう。そうしたなかで特に苦労したのが、表面のステンレスだったという。

photo カラーはReal Red、White Silver、All Blackの3色

 「N705iμではステンレスを使ったことが薄型化に貢献しました。従来ステンレスは、端末内部など目に見えないところに使われていましたが、今回は背面パネルという“人の目に触れる”ところに使われています。シンプルでありながら、飽きのこないデザインにするため、素材の質感を生かすディテールを盛り込みました」(友岡氏)

 N705iμのカラーバリエーションは、Real Red、All Black、White Silverの3色。表面の質感が本体色によって異なるのも特徴だ。「White Silverは、一番わかりやすい表現をねらい、ヘアライン加工をしています。Real Redは、表面は塗装しているのですが、下地の金属が透けて見える深みのある色ですね。All Blackは、完全に下のステンレスを隠し、マットな質感にしています。マイシグナル部分にディンプルの凹みがあるため、塗装とのマッチングがかなり難しかったです」(友岡氏)

photophoto 卓上ホルダとN705iμ

 マイシグナルで「時計」の表示にこだわったのは先述のとおりだが、N705iμはオプションの卓上ホルダにセットすると時刻が常時点灯になり、卓上時計としても活用できる。この卓上ホルダもシンプルなデザインで、本体同様に作り手のこだわりが感じられる。

 「本体が極めてスリムでコンパクトですから、卓上ホルダが大きいのはナンセンスですよね。あくまでも端末本体がメインですから、机の上に置いたときでも見た目の邪魔にならないよう、シンプルなものにしました」(友岡氏)

 「実は、N703iμとN704iμは卓上ホルダに非対応だったのですが、“ぜひとも対応してほしい”という要望を非常に多く頂きました。今回のN705iμでは端末を寝かせてセットするのではなく、マイシグナルを生かせるようにスタンド型にしました。時刻表示が常時点灯しますので、インテリア時計として使っていただけます。もちろん、この常時点灯設定はオフにすることもできます」(杉原氏)

1年を通して長く付き合えるグラフィック

 N705iμは「きせかえツール」に対応しており、待受画面やメニュー画面のグラフィックには、端末の世界観を生かしたものが採用されている。特に目を引くのが、四角形のオブジェクトが変形して連なっていく様子を描いた「Surface Motion」だ。

 「N705iμのボディは非常に薄く“面”としてとらえることができます。そこで、コンテンツにも“面”をテーマにしたものを採用しました。Surface MotionはN705iμの薄さをうまく表現できていると思います。背景が時間帯によって変わり、8種類のグラフィックを用意しています」(井手氏)

photophotophotophoto N705iμにプリセットされたきせかえツールの「Surface Motion」。待受画面(左端、中央左)やメニュー画面(中央右、右端)は端末をイメージしたSurface=面で構成されている

 一方で、“円”をモチーフにしたのが「Mystery Circle」だ。画面には最初、黒い大きな丸が登場するが、それが血液型の人口比率を表す円グラフになったり、ボーリングのボールになったり、緑の地球などに変化する。これらは「四角い端末に丸いLED」という、マイシグナルを連想させる意味が込められている。

 さらに、マイシグナルの隠しイベント同様、きせかえツールでも1年を通して長く使えるような工夫が盛り込まれた。日時など一定の条件がそろったときだけ、いつもとは違うパターンが表示されるのだ。

 「例えば、丸いものが出てくるMystery Circleでは、季節に合わせた丸いものが特別に表示されます。出現する条件は日時や時刻など決まっていますが、いつ出てくるのかはサプライズなので秘密です。こうした細かい“ネタ”を徹底的に作り込んでいますので、毎日目にするグラフィックでも、長く楽しんでいただけると思います」(井手氏)

 ユニークなグラフィックがそろったきせかえツールだが、当然「見やすい素材も入れなければならない」(井手氏)ため、アイコンが3×4列で並ぶオーソドックスなタイプや、項目が縦に並ぶシンプルなメニュー画面も用意した。「フォーマットとして押さえておくべきものもありつつ、あとは『Surface Motion』などで別の世界観を出しました」(井手氏)

photophotophotophoto マイシグナルのLEDをイメージした円=Circleでデザインされている「Mystery Circle」。

 内蔵サウンドについては、意外にも「実用的な効果音にこだわった」という。「N703iμには趣向を凝らしたサウンドをプリインストールしていたのですが、ユーザーから“普段使う音があんまりない”という感想をいただきました。そこで、N705iμのサウンドについては実用的な効果音が中心になっています」(杉原氏)

 N705iμのメインターゲットは、ビジネスでケータイを使うことの多い30代の社会人。そのため、効果音などの内容は、メール・電話・アラームなどの標準的な音を重視して搭載している。

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 “厚さ9.8ミリ”というスリムさに注目してしまうN705iμだが、「持ったときの質感やディテールの部分など、手にしたときのインパクトも非常に大きい」と杉原氏は胸を張る。

 薄さや幅を含めたトータルのサイズ感、解像度の増したマイシグナル、長く使える“仕掛け”をふんだんに盛り込んだ内蔵グラフィック、そして高い質感を誇るステンレスパネル――。シンプルだが、奥が深い。そんなディテールやデザインが随所にちりばめられたN705iμは、使うほどに満足感を得られる1台と言えるだろう。

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企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年3月15日