「WILLCOM D4 Ver.L」 その真の実力とは(1/2 ページ)

超小型のスライド&チルトボディにWindows Vistaを搭載し、約4.5時間のバッテリー駆動も可能で、ストレスのないWebブラウズを実現した「WILLCOM D4 Ver.L」。テクニカルライターの石井英男と、実際にD4ユーザーでもある坪山博貴が、その真の実力に迫る。

» 2008年11月17日 10時00分 公開
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 ノートPCよりもぐっとコンパクトなスライド&チルトボディに、Windows Vistaを採用したウィルコムの「WILLCOM D4」は、W-SIMに対応し、PHSでのワイヤレス通信機能を標準装備するウィルコムの「端末」であると同時に、フルスペックのB5ノートPCにも引けを取らない性能を持つ「ウルトラモバイルPC」でもある。筆者はこのユニークな製品を、7月11日の発売日に購入した。

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 ウルトラモバイルPCとしてのWILLCOM D4の機能については、Impress Watchの石井英男氏の記事に詳しいが、キーボードを収納した状態の「Viewスタイル」、スライドを開いてフルキーボードを表示させた「Inputスタイル」、画面をチルトしてノートPCのように操作する「Deskスタイル」の3Wayスタイルを採用し、Atom Z520(1.33GHz)でフル機能のWindows Vista Home Premiumが利用できる点がポイントだ。

 第一印象では、メインメモリが1Gバイト、HDD容量が約40Gバイトというスペックに若干不安もあったのだが、Atomが思いのほか高性能だったことや、1GバイトのメモリでもWebアクセスはもちろん、動画再生も満足行くレベルだったことから、購入に踏み切った。購入価格は頭金3万9800円と、実質月額2100円の24回払いで、実質負担額は9万200円。

 バッテリー駆動時間は、標準バッテリーパック(CE-BL57)使用時で約1.5時間と短い点がやや不満だったが、「WILLCOM D4スペシャルプレゼントキャンペーン」を利用して、約4.5時間の駆動が可能な大容量バッテリーパックが入手できたのでよしとした。

 現在では、WILLCOM D4に加えて、大容量バッテリーパック(CE-BL58)を標準装備し、Microsoft Office 2007を非搭載としてコストパフォーマンスを高めた「WILLCOM D4 Ver.L」も販売されている。Ver.Lは、W-VALUE SELECTを用いて一括払いで購入すれば、実質負担額は5万9300円と非常にリーズナブルだ。Officeが必要なユーザーはWILLCOM D4、Officeは不要で大容量バッテリーのみでよく、よりリーズナブルなモデルを求めるユーザーはWILLCOM D4 Ver.Lと、ニーズに合わせて選べるようになっている(ちなみに本稿執筆時点では、WILLCOM D4を購入すると、標準バッテリーパックに加えて大容量バッテリーパックもプレゼントされている)。

 今回は、実際にユーザーとしてWILLCOM D4と過ごした4カ月弱の経験をもとにして、フリーランスライターの石井英男氏と、ウィルコム データ通信企画室 課長補佐の早坂忍氏とともに、WILLCOM D4およびWILLCOM D4 Ver.Lの魅力とその真の実力を解き明かしていきたい。

WILLCOM D4は「Ver.L」が本来の姿か

Photo 「WILLCOM D4 Ver.Lが、D4本来の姿のように思います。バッテリー駆動時間が4.5時間確保されると、やはり外出中でも安心して使えます」(坪山博貴)

坪山博貴(以下坪山) WILLCOM D4を発売したあと、ユーザーからの声に応えるような形でWILLCOM D4 Ver.Lをリリースされましたよね。この2つのモデルは、どちらもそれぞれにメリットがあって、ユーザーに選択肢を提供してくれた点がよかったと思います。実際に売れているのはどちらのモデルなんですか?

早坂忍氏(以下早坂氏) 現在購入が多いのはVer.Lの方です。Office 2007の有無が大きな違いですが、スタンダード版のD4もある程度出ているので、モバイルPCでOfficeを利用したいという方もたくさんいらっしゃるようですね。

石井英男(以下石井) Ver.Lとスタンダード版では、付属のバッテリーが異なる点もけっこう大きな違いだと感じます。大容量バッテリーパックでないと、モバイルPCとしてはバッテリー駆動時間が短いという印象を受けましたが、標準バッテリーにも「本体が薄くなり、軽くなる」といういいところがあります。

坪山 Ver.Lを購入した人の中には、標準バッテリーが欲しいと思っている人も多いんじゃないでしょうか。標準バッテリーをぜひカバー付きでも買えるようにしていただきたいです。家の中でちょっと使いたいだけだったりすると、基本的にはACアダプターが使えますから、ちょっと電源から離れて使うくらいなら、むしろ薄くて軽い標準バッテリーのほうが使いやすいでしょう。

早坂氏 標準バッテリーを搭載したD4なら、重量は約460グラムになります。これって実は500ミリリットルのペットボトルより軽いんですよ。

坪山 私は普段、D4に大容量バッテリーパックを装着して使っていますが、ときどき標準バッテリーに交換すると、ものすごく軽く感じます。これはものすごいメリットだと思います。標準バッテリーでも問題ない人は、ぜひこの軽さを体験してほしいですね。

Photo 「標準バッテリー装着時の軽くて薄いWILLCOM D4もまた魅力的です。500グラムを切るのは驚きますね」(石井英男)

石井 見た目もかなり変わります。大容量バッテリーでも大きいとはいいませんが、ぐっと薄くなるのは確かに魅力です。標準バッテリー装着時の厚さは25.9ミリですから、大容量バッテリー装着時の35.3ミリから9.4ミリも薄くなります。

坪山 ただ周辺機器をあれこれつなぎたい場合は、実は大容量バッテリーを付けた状態の方が、USB端子にアクセスしやすかったりしますので、一概にどっちがいいとは決められないのですけれど。

早坂氏 標準バッテリーだと、確かにコネクターにケーブルを装着したときに一部浮いてしまうものもありますから、おっしゃるとおりですね。

坪山 モバイルPCとしてD4を見ると、大容量バッテリーを標準装備にするという考え方もあると思うのですが、そういったお考えはあるんでしょうか。

早坂氏 スタンダードモデルのユーザーさんの多くが、大容量バッテリーが絶対に必要だとおっしゃるのであれば、大容量バッテリーを標準装備にして標準バッテリーをオプションにするという選択肢もあり得るとは思っています。ただ、D4は新しいカテゴリーのPCなので、判断をすぐに下せるだけの情報がありません。現在、購入していただいたユーザーさんからのアンケートなどは注意深く見ているところです。

坪山 フルスペックVistaが動くPCが500グラムを切るという点は、D4の大きな魅力の1つだと思いますので、それが完全になくなってしまうのはもったいないですね。Ver.Lでは575グラムになりますから、その差は100グラムほどですが、1時間使えれば十分な利用シーンもあるでしょうし、やはり用途に合わせて両方選べるようになるとさらにいいと思います。

早坂氏 D4の発売当初は、ハードに使ってくださるユーザーさんが購入者の中心でしたので、やはり大容量バッテリーは必要だという声が大勢でした。ただ、今後は学生さん、特に就職活動をする学生さんなども購入者として増えてくることを予想しています。アカデミックパックですと、電子辞書も付属して、D4が実質負担8万200円、Ver.Lが実質負担5万9300円になります。この価格ですと、学生さんなども購入しやすいと思いますので、「小さくて軽い方がいい」といってくださるユーザーさんが出てくる可能性もありますから、今後の動向は見ていきたいと思います。

Photo 「学生さんなどにも購入しやすい価格だと思いますので、WILLCOM D4の魅力をぜひ多くの方に知っていただきたいです」(早坂忍氏)

D4の「お漏らし」はしっかり修正

坪山 WILLCOM D4の発売当初は、電源オフ時の省電力機能があまり効かず、ネット上で「お漏らし問題」などと呼ばれていたことがありました。でもこれはその後しっかり修正され、D4の本来の性能が発揮できるようになりました。Windows Vistaのハイブリッドスリープも有効に使えるようになりましたし、待受にしていても、標準バッテリーで1日や2日は持つようになりましたので、もう心配はなさそうですね。

早坂氏 待受やLEDの点灯などを制御する際に、キーボード操作をモニターする仕様になっていたのですが、この処理をもっと改良できることが分かりました。回収して改善対応できる内容だったので、そこはシャープさんと協力してきっちり対応させていただきました。

石井 この件はD4にとってはちょっと悪いイメージになってしまいましたが、今は問題も解決されていますし、Ver.Lもリリースして、そのイメージはある程度払拭できているんじゃないでしょうか。

坪山 電源に関しては、やはりもう少し小さくで持ち歩けるACアダプターを用意していただけるとうれしいです。サードパーティー製のものでいいと思いますので、ウィルコムストアなどで扱っていただけるといいんじゃないでしょうか。標準のACアダプターではちょっと大きいので、例えば旅行の際などにかさばらずに持って行けるようなものがあると、もっとD4の活躍の場が広がるように思います。

早坂氏 そういったものがあるとより使い勝手が向上するのは間違いないと思いますので、ぜひ検討したいと思います。W-ZERO3やWILLCOM 03では、サードパーティーベンダーさんにいろいろな周辺機器を作っていただいていて、それによって使い勝手が向上した部分が多分にありますので、今後も積極的に取り組んでいきたいですね。USBの隣にある拡張端子も独自仕様なので、うまくサードパーティーさんに情報を伝えて周辺機器を充実させられればと思います。

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提供:株式会社ウィルコム
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年12月16日