バージョンアップを重ねて着実に進化しているNTTドコモのAndroidスマートフォン「Xperia」。9月1日には「spモード」にも対応し、さらに使い勝手が向上した。ドコモのネットワークで快適に使えるXperiaがどう進化したのか、神尾寿が改めてチェックする。
スマートフォンが今までのケータイと大きく異なるのは、ソフトウェアやサービスに新機能が実装され、コンテンツ・アプリや周辺機器の充実によって、発売後にも魅力が増していくことだ。“買った後にも進化する”ことこそが、スマートフォンのよさであり、楽しさであると言えるだろう。
そして今年、ドコモを代表するコンシューマー向けスマートフォンとなった「Xperia」も、新サービス対応とソフトウェア更新による進化の恩恵を受けることになった。ドコモのスマートフォン向けインターネット接続サービス(ISP)「spモード」の開始と、「POBox Touch 3.0」を軸とした基本機能のバージョンアップだ。これによりXperiaはそのポテンシャルを十二分に開花させたことはもちろん、ケータイユーザーにとっても乗り替えがしやすいスマートフォンになった。
筆者は今回、ドコモのspモードとバージョンアップしたXperiaをいち早く試す機会を得た。そこで今回はspモードと新たなXperiaを再評価しつつ、ドコモでスマートフォンを使うメリットについて考えたいと思う。
ケータイユーザーがスマートフォンに乗り替えて、まず最初に違和感を覚えるのはメール機能だろう。スマートフォン端末はインターネットメールと親和性が高く、プッシュ機能も備えるなど、機能的にケータイに劣るわけではない。PCやGmail™を使いこなし、ケータイメールをあまり使ってこなかったユーザーには、むしろスマートフォンのメール機能の方が分かりやすく、使いやすいという向きもあるだろう。しかし、日本のケータイが長年培ってきた「ケータイメール」には独特の文化と機能的優位性があり、今まで使っていたケータイのメールアドレスと合わせて、それら“ケータイメールのよさ”を捨てたくないという人は少なくないはずだ。
spモードメールは、この「ケータイメールのよさ」をより進化させてスマートフォン上に実装したものだ。「@docomo.ne.jp」というiモードと同じメールアドレスがそのまま使えるのはもちろん、メールボックスのフォルダ分けや自動振り分け、デコメール®など、ケータイメールの基本的な機能はほぼ網羅されている。さらに送受信できるメールサイズは最大10Mバイトで、ケータイメールの使い勝手はそのままに機能が強化されている部分もある。
実際に使ってみると、spモードメールは「ケータイメール」の使い勝手がうまく継承されていることが分かる。
UI(ユーザーインタフェース)はケータイのメール操作画面が再現されており、ケータイでなじみのある「リスト形式」と、タッチパネルで操作しやすい「タイル形式」を選べるなどカスタマイズ性も高い。このメール画面のUIはデザイン変更も可能であり、標準画面(スタンダード)はそつなくまとまった優等生的なものだが、好みに応じてXperiaっぽいクールなデザイン(アクア)や、女性向けのかわいいテイストのもの(スイート)まで選べる。
例えば、Xperiaの「Luster White」と手描きイラストっぽいUIを組み合わせると、かなりキュートな印象になり、女性でも楽しく使えるだろう。spモードメールは単純に「iモードメールを使えるようにしただけ」ではなく、UIのデザインにまで踏み込んで、ケータイで培ってきた“楽しさ”や“かわいらしさ”までも積極的に取り入れたことは高く評価できる。
使い勝手の面では、メールのフォルダ分けや自動振り分けへの対応も見逃せないところだ。昨今のインターネットやスマートフォンの流儀で考えれば、メールは単一のメールボックスに蓄積してスレッド表示や検索機能を活用して管理するのが一般的だが、ケータイメールに慣れ親しんでいるユーザーには、相手先や用途ごとにフォルダ分けでメールを管理できた方が便利というニーズがあるだろう。spモードメールアプリはこの「フォルダ分け」に対応しており、自動振り分けや表示名のカスタマイズなどがケータイ同様に行える。スマートフォンでもケータイメールの操作感をそのまま使いたいという人には、こうした細かな部分も重要である。
もう1つ、今回のspモードメールで特筆すべきが「デコメール」である。周知のとおりデコメールは、コンパクトHTMLを用いてグラフィカルなメールをやりとりする機能。spモードメールアプリはこれに標準対応し、デコメールの作成ができる。
実際に使ってみると、spモードメールのデコメール機能はかなり使いやすい。Xperiaのタッチパネルを用いて文字の装飾・編集やテンプレートの呼び出し、デコメ絵文字®の選択・挿入などがサクサクと行えて、とても直感的だ。Xperiaは画面が大きく、デコメール関係のUIがタッチパネル利用も考慮して作られていることもあり、ボタン操作のみのケータイで作成するよりもデコメールが快適に作成できた。デコメアニメ®など一部対応していない機能もあるが、デコメールの基本機能はすべて利用できる。「デコメールが使えないと困る」というケータイユーザーも納得できるはずだ。
spモードは今回取り上げたメール以外にも、「コンテンツ決済サービス」や「メールウイルスチェックサービス」、有害サイトへの接続を制限する「spモードフィルタ」など、スマートフォンのよさを損なわずにケータイ譲りの使いやすさ・利便性や安心を提供するサービスが用意されている。これらによってXperiaは、ケータイユーザーにとって、今まで以上に乗り替えしやすい選択肢になったと言えるだろう。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2010年10月3日