素早く、簡単に、きれいに撮れる――。ケータイカメラに求められるこうしたニーズを高い次元で満たしてくれるのがルミックス フォン「P-03C」だ。ルミックスで培った画質やUIのノウハウがどのように生かされているのかを、ケータイカメラのレビューでおなじみの荻窪圭がひもとく。
ケータイのカメラに求められるものってなんだろう。
やっぱり、撮りたいときにすぐ迷わずカメラを起動できることだと思う。だってケータイなんだから。いつも身につけているものだから。使いたいときにさっと使えるのが身上だ。
2つ目はオート機能が賢くて、簡単に期待通りの写真を撮れること。さっとオートで撮ったとき、「よしっ、きれいに撮れた」という気持ちになれることが大事だ。
3つ目は撮った写真で遊べること。だってケータイなんだから。せっかく大きくてきれいな画面があって、ネットワークにつながるんだから。ただ写真を見たりメールに添付したりするだけじゃなく、写真を加工して遊んだり、ブログやSNSにアップしたい。Twitterに写真を投稿して「〜なう」ってやりたい。そのリアルタイム性がケータイのよさだ。
実は、ルミックス フォン「P-03C」を使って感心したのが、この3つの要素がうまい具合に実現されていること。ルミックスと名前がついているのだから、当然画質もいいし撮影機能もしっかりしてるのだけど、使ってみて最初に感心したのが上に書いた3つなのである。
“撮った写真で遊ぶ機能”は別記事で詳しく紹介することにして、まずは「撮影編」。ルミックス フォンの撮影機能やその便利さを、実際に使いながら探ってみた。
ルミックス フォンのなんたるかを知るために、まずはボディを見てみよう。ボディ背面は誰がどう見てもデジタルカメラ、ディスプレイ面はスライド式ケータイという、いうならば“両A面”みたいなデザインだ。背面のレンズ部は大きくて、そこにはきっちりカメラのスペックが書いてある。27mm相当(35ミリ判換算)の広角でF2.8と明るいレンズ。さらにマルチコートフィルタ。
そう、このマルチコートフィルタが重要。カメラって、逆光だったり強い光源があったりすると、レンズと撮像素子の間で光が困った反射をして困った写真ができあがることがある。ルミックス フォンではカメラパネルにコーティングを施し、困った反射を押さえているのだ。
例えばこんな感じ。左がルミックス フォン、右が手元にあったデジタルカメラ。同じ場所で撮ったのだけど、明らかにルミックス フォンの方が余計な反射がなくすっきりしている。右の写真は紫色のもわっとしたものが写っているけど、これは蛍光灯の光がレンズ内で反射してあるべきでない場所に映り込んでしまってるのだ。ルミックス フォンで撮った写真にはそれがない。
ケータイカメラという限られた条件の中で、そこにこだわったのはさすがだ。
そして撮像素子は13.2Mピクセル(1320万画素)と高画素。レンズの位置もカメラっぽい。ケータイカメラのレンズはボディの端にあることが多くて、写真に指が映り込みやすかったが、この位置なら端末をしっかり握りこんでも安心だ。
ディスプレイ面は普通のスライド式ケータイと同じだが、タッチパネルなのでキー面を引き出さなくてもカメラとしてさっと使えるのがいい。それと、スライド式端末は誤操作を防ぐためキーロックをかけることが多いけど、ルミックス フォンではキーロック状態でもシャッターキーを長押しすればカメラが起動する。これはすばらしい。いちいちキーロックを解除するのはスピード感に欠けるからね。
“キーの長押しにかかる時間”を含めても、端末を閉じたままカメラを起動するのに約2秒と素早い。撮りたくなったらポケットから取り出して、そのままシャッターボタンの長押しである。
カメラを初期設定のまま起動すると、撮影モードは「iA」になる。いわゆる「おまかせiA」だ。これはインテリジェントオートの略で、シーンを自動的に解析してそれに応じた撮影モードで撮ってくれる。人物・風景・食べ物・マクロ・夜景など、さまざまなシーンに対応する。
人物がいれば顔を自動検出するので、そこでシャッターボタンを押せばいい。シャッターボタンは大きく、半押しによるAFロックも容易で、押した感触もカメラっぽい。
顔を検出した時は、顔にピントが合うだけでなく、きれいな肌色になるように色や明るさも自動調節してくれるのも注目点だ。下の写真を見れば、その差が分かるはず。
元が逆光なので顔が極端に明るくなることはないが、これなら逆光っぽさを保ったまま顔もしっかり撮れるし、顔と認識したらそれに合わせて色も調整してくれるので、肌色がきれいに撮れる。
それと、料理も認識してくれる。食べ物をよく撮影したり、SNSにアップしたりする人って結構多いけど、おいしそうな色味で撮るのはなかなか難しい。
上の写真、外光と室内光がミックスしたカメラには難しい環境だったが、きちんと白い皿は白くなり、ほどよい明るさで撮ることができた。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2010年12月27日