“かざす”文化を広げる―おサイフケータイ対応Androidに隠された新機能「Push送信」とは(2/2 ページ)

» 2010年12月17日 10時00分 公開
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多くの人におサイフケータイを“楽しく”使ってほしい

 このようなカジュアルな機能を搭載した背景には、「もっとおサイフケータイを利用してほしい」というフェリカネットワークスの思いがある。

 「今のおサイフケータイサービスは、電子マネーや乗車券など、サービス事業者様が特定のジャンルに限られている印象があります。しかし、Android端末はコンテンツプロバイダから個人の開発者まで、いろんな方がアプリを作ってAndroidマーケットに置いて、それを誰でも使えるのが大きな魅力です。おサイフケータイには多くの人に公開できるPush送信機能があるので、“タッチでデータを送る”というシーンを世の中に広めて、おサイフケータイは買い物をしたり電車に乗ったりする以外のサービスもあるんです、ということを広めていきたいんです」(安井氏)

 「モバイルFeliCaというと、まだなんとなくお堅いイメージがあるようです。だから、もう少し遊び感覚のあるサービスが出てきてほしい。そういったものは我々だけで考えるよりも、アプリの開発者さんなどにいろいろ考えていただいた方が、さまざまなアイデアが出てくると思います。Push送信機能の仕様は開発者向けサイトで公開していますので、いろいろ考えていただき、楽しいアプリを開発していただきたいですね」(相澤氏)

 アプリにPush送信機能を組み込む際に必要な技術仕様は、フェリカネットワークスの「Push送信機能のご紹介」というページで公開されている。Androidアプリのプログラミングをしたことがある人なら、公開されているサンプルソースコードを利用することで、1〜2時間くらいでアプリに機能を追加できるようなシンプルな内容になっているという。

 また、ケータイ向けのモバイルFeliCaアプリは、通信キャリア毎に少しずつ仕様が異なっていたため、開発に手間がかかっていたが、今回はフェリカネットワークスが共通の「Android対応モバイルFeliCaミドルウェア」というソフトを開発し、モバイルFeliCa ICチップが搭載されているAndroid端末に組み込んでいる。そのため、アプリを作るときに通信キャリアの違いを意識する必要はなく、1つ作れば全キャリアのおサイフケータイ対応Android端末で使えるようになっている。

 今後モバイルFeliCa ICチップを搭載するAndroid端末は、このAndroid対応モバイルFeliCaミドルウェアを組み込めば、おサイフケータイとして使えるようになるという。

 「端末メーカー様の開発の負担を抑えることができますし、国内のメーカー様だけではなく、海外のメーカー様にもおサイフケータイ機能を載せてもらいやすくなると思います」(相澤氏)

 汎用性が高く、アプリ開発も容易なモバイルFeliCaのPush送信機能。軽いデータを送るというジャンルを問わない機能なので、さまざまな楽しいアプリを作ってほしいと両氏は強調する。

 「おすすめアプリ送信は便利機能としてあってもいいんじゃないか、と考えサンプルソースコードとして弊社サイトで公開しましたが、世の中にたくさんいらっしゃるゲーム開発者、個人のクリエイターの方々には、ぜひゲーム性に優れたアプリなどを作っていただきたい。技術情報は、無償で公開していますので、どんどん楽しいアプリを作っていただき、たくさんの人におサイフケータイを使っていただけるとうれしいですね」(安井氏)

 「ゲームとおサイフケータイはなかなかつながらなかったので、そこをつないでいただけるとうれしいですね。おサイフケータイっていろいろな使い方があって面白いんだと思ってほしいです。幸い、おサイフケータイはかなりの数が提供されていますし、Push送信機能は受信側がおサイフケータイであれば対応できますので、たくさんの人に体験していただけます」(相澤氏)

 おサイフケータイはその名の通り、お金に関わるサービスという印象がどうしてもある。電子マネーのサービスはクレジットカードを登録する必要があるものも多く、サービスを利用するユーザーは、一定年齢以上が中心だ。しかし、ゲームなどでおサイフケータイの通信機能を使うことができれば、若いユーザーにもおサイフケータイを楽しんで使ってもらえるようになるとフェリカネットワークスは期待する。

 「若い世代の方にも、かざす文化が広がったら本当にうれしいですね。これからは若いうちにPush送信を使ったゲームやエンターテインメント系のサービスでおサイフケータイの機能を楽しんでいただき、大人になったら電子マネーなども含むさまざまなサービスを便利に使っていただく、といった形になっていくというのが理想だと思います」(安井氏)

 難しい操作が不要で、かざすだけで簡単にデータが送れるPush送信機能。アイデア次第でさまざまな用途に応用可能なこの新機能を搭載したアプリやサービスの登場に期待がかかる。決済や会員証といったお堅いイメージのジャンルから、おサイフケータイの活躍の場はさらに広がろうとしている。

Push送信機能を使ったタロット占いアプリ「タロット占い:TAROT READING」

Photo おサイフケータイ対応AndroidでPush機能が利用できるザッパラスの占いアプリ「タロット占い:TAROT READING」

 Push送信機能を使ったアプリとして、表現力豊かなグラフィックが美しい本格派タロット占いアプリ「タロット占い:TAROT READING」がいち早く提供される。ザッパラスが開発したTAROT READINGは、12月に入り累計ダウンロード数が20万を超えたAndroidアプリ。近日配信予定のバージョンアップで、モバイルFeliCaのPush送信機能をサポートする。

 TAROT READINGは、1人でも遊べるタロット占いアプリだが、Push送信機能に対応した端末であれば、それを利用して2人の未来を占うことができる。2人の未来を占う場合、ユーザーは端末を振ったり、画面をタッチすることでタロットカードをシャッフル。その後3つに分けられたカードの山から1つを選ぶと、その結果が相手のおサイフケータイに送られる。送信は素早く、ケータイのFeliCaマークを合わせれば一瞬で終わる。スマートフォンでもフィーチャーフォンでも、おサイフケータイならOKだ。

 受信側は、最新バージョンのTAROT READINGアプリが入っていればアプリを自動的に起動してタロットカードと占い結果を確認できる。アプリが入っていない場合や、非Androidのおサイフケータイの場合は、URLが送られるので、ブラウザを起動し選んだカードと占い結果をブラウザ上で確認できる。裏返しのカードをシャッフルしているときも、単なるシャッフルエフェクトを見せるのではなく、きちんと22種類のタロットカードをシャッフルして動かすなど、まさに「見えない」部分にまでこだわっており、本物のタロットカードで占っているのと同じように扱える本格派のタロット占いアプリだ。

 ちなみに、どのカードを選んだかは、相手に送信するまで分からない。アプリのメニュー画面に戻る際に、カードが回転して一瞬だけ確認できるようになっている。

PhotoPhotoPhoto TAROT READINGは、2人の未来を占う際に、Push送信機能を利用する。対応端末ではメニュー画面に「二人の未来」というアイコンが現れ、これをタッチすると、2人の未来を占うモードになる。カードをシャッフルし、3つの山からカードを1つ選んだら、カードを相手に送る
PhotoPhotoPhoto カードを送る際に、相手の端末にTAROT READINGが入っているかどうかを選ぶのがポイント。受信側にTAROT READINGが入っていればアプリが起動。ない場合はWebサイトにアクセスして、選んだカードとその意味を読むことができる。Webサイトからはザッパラスの占いサイトにもアクセスできる

 相手に送る際は、まずTAROT READINGがインストールされているAndroid端末に送るのか、そうではない端末に送るのかを選択をする。選択を間違えても問題ない。例えば、受信側にアプリが入っているのにアプリがないを選択すると、占い結果が見られるURLを送る。また、アプリがあるAndroid宛てを選択して、アプリが入っていないAndroid端末や普通のケータイに送った場合は、受信側の画面にはアプリがない旨のメッセージが出て、画面は元に戻る。

 スムーズに特に迷わず操作できるPush送信機能だが、実装は非常に簡単だったという。ザッパラスの開発担当者は「作業を開始して2時間くらいで最初の実験ができました。実質的な機能を組み込むだけだったら1〜2時間くらいの作業です。ユーザーが使いやすくするために、ユーザーインタフェースを変更する作業などで少し時間がかかりましたが、『もうこんなにできるんだ!』とびっくりしました」と話していた。

 アプリを持っていないユーザーにPush送信でデータを送った場合、自社のWebサイトへ誘導できるので、コンテンツをおためし的に体験してもらい、興味があれば別のサイトへアクセスしてもらうこともできる。コンテンツプロバイダは、このWebへの誘導をうまく活用すると、他のアプリのプロモーションなどにも生かせそうだ。

 スマートフォンユーザーもケータイユーザーも集まる年末年始の飲み会などで、会話のきっかけとして利用してほしいと開発陣。2人の未来や新しい1年を占ってみてはいかがだろうか。



Push送信機能でボンバーマンがスタート時点からパワーアップ「ボンバーマン道場」

Photo ハドソンが開発中の「ボンバーマン道場」もおサイフケータイ対応AndroidでPush機能が利用できる

 ハドソンがAndroid搭載スマートフォン向けに開発している定番ゲームアプリ「ボンバーマン道場」も、Push送信機能を活用する。

 ボンバーマン道場は、画面上に爆弾を置きながら道を切り開き、敵を倒すアクションゲーム「ボンバーマン」シリーズのAndroid向け最新タイトル。1月下旬に配信を予定しており、価格は450円。LYNX 3D SH-03CとIS03で利用できる。

 ゲームの主な目的は、ボンバーマンの聖地「ボバルの塔」を上っていくこと。ただ、単にステージのブロックを消して敵を倒すだけではクリアできず、爆弾の置き方や敵の倒し方などを工夫する必要があるというパズル要素も合わせ持つ。ゲーム終了時には、テクニックのレベルを認定してくれるといううれしい機能もある。

 ゲームには専用マップエディタが付属しており、オリジナルのステージも作成可能。自分で作ったステージデータはサーバにアップロードでき、他のプレイヤーが作ったステージをダウンロードしてプレイすることもできる。

 おサイフケータイ対応のAndroid端末でPush送信機能を利用すれば、ボンバーマン道場のダウンロードURLを手軽に送信可能。さらに、Pushを受け取った側のボンバーマンはスタート時点からパワーアップした状態で道場モードがプレイできるという特典が用意されている。ハドソンの開発者は、「おサイフケータイに対応したAndroidスマートフォンは発売されたばかりのタイミングなのであまり普及していないと思い、ゲームを手軽に始めることができる手法を考えました」とPush送信機能を採用した意図を語っていた。

PhotoPhoto 【送信側】起動画面左上にあるオレンジのボタンを押すと、おサイフケータイ対応Android端末にボンバーマン道場のURLを送ったり、あらかじめボンバーマンがパワーアップした状態でアプリを起動したりできる
PhotoPhoto 動作を選択するとFeliCaマークを重ねるように指示が表示される。送信に成功すれば「送信に成功しました。」、失敗すれば「送信に失敗しました。もう一度お試しください。」と表示される
PhotoPhoto 【受信側】おサイフケータイ経由でボンバーマン道場を起動すると、ボンバーマンがパワーアップされた状態でゲームを始めることができる

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