名機「MOTOROLA RAZR」以来となる、モトローラの音声端末が、久々に日本に登場する。WiMAXの高速通信に対応するauの「MOTOROLA PHOTON」は、デュアルコアプロセッサを搭載したAndroidスマートフォンのグローバルモデル。その秘めたポテンシャルを、早速チェックしてみよう。
auから登場したモトローラ・モビリティ製の「MOTOROLA PHOTON ISW11M」(以下、MOTOROLA PHOTON)は、WiMAXとデュアルコアプロセッサを搭載し、OSにはAndroid 2.3.4を採用したハイエンドスマートフォンだ。高い処理能力と高速通信という“ダブルの速さ”で、快適なWebブラウジングや動画視聴が行える。また、オリジナルアプリを利用することで、複数のSNSを使ったコミュニケーションもスムーズに楽しめるのが特徴だ。
そしてほかのスマートフォンには無い特徴として、「Webtop」という独自のデスクトップ環境を備えている点が挙げられる。HDMI対応のテレビやディスプレイにMOTOROLA PHOTONを接続すると、LinuxベースのOSが使えるのだ。“スマートフォンなのにデスクトップ?”と思う向きも多いだろうが、Webtopの詳細については、次回じっくりとお届けしたい。
ということで、まずはMOTOROLA PHOTONそのものをしっかりチェックしてみよう。本機は「MOTOROLA RAZR」以来、久しぶりに日本市場に投入されるモトローラブランドの音声端末でもある。MOTOROLA RAZRは米国のメーカーらしいデザインコンシャスな外観が人気を博したが、その高いデザイン性は、MOTOROLA PHOTONにも引き継がれている。背面には、手に持ったときにしっかりとフィットするマットな手触りのパネルを採用し、ボタン類にはハードなメタル素材のパーツを使用。この組み合わせが、ほかにはない世界観を作り出している。
MOTOROLA PHOTONは、スマートフォンの中でも大画面といえる4.3インチの液晶を搭載した。このディスプレイはフルHDの4分の1に相当するqHD(540×960ピクセル)の高解像度で、アスペクト比は約16:9と、まさに動画視聴に最適なサイズとなっている。これだけの大画面を搭載しながら、約67(幅)×127(高さ)×12.2(厚さ)ミリ、重さ約158グラムと、手になじみやすく大きすぎない、絶妙のサイズ感に仕上がっているのは注目すべき点だ。ディスプレイ周囲のベゼル(額縁)の幅を極限まで狭くすることで、大画面液晶と使いやすいサイズ感を両立すると同時に、すっきりとした印象を与えることにも成功している。
液晶ディスプレイの上部には“MOTOROLA”のロゴ、さらにその上にはスマートフォンではまだ採用例が少ないインカメラ(有効約30万画素)を搭載。ケータイ感覚で、自分撮りやビデオチャットを手軽に楽しめる。
ディスプレイ下部には、メニューキー/ホームキー/戻るキー/検索キーと、4つのセンサーキーを配置。このボタンの並びはAndroidスマートフォンとしてごく一般的なもので、多機種から乗り換える場合も戸惑うことなく操作することができるだろう。
背面には約800万画素CMOSカメラを搭載しているが、2つのフォトライトを備えおり、暗い場所での撮影にも心強い。また背面の左側には、動画視聴時の横置きに便利な、キックスタンドが装備されている。このキックスタンドはメタル素材となっていて、中央に配置されている丸いモトローラロゴの刻印とともに、背面デザインの大きなアクセントとなっている。キックスタンドの左側にはスマートフォンとしては比較的大きめのスピーカーを搭載。動画視聴時にはqHDの高解像度な液晶画面に映し出される映像とともに、背面から響く迫力ある音声を楽しむことができる。
背面の左右に見える小さな穴は、どちらもマイクのもの。MOTOROLA PHOTONにはこの2つと正面の合わせて3つのマイクが内蔵されており、背面のマイクが周囲の雑音を察知し、通話時にノイズキャンセル機能を働かせる。実際に駅のホームでの通話を試してみたが、周囲の会話や発車ベル、電車の駆動音が適度に抑えられ、相手の声をはっきりと聞き取ることができた。通話という、携帯電話でもっとも基本的なコミュニケーション機能にも力が入っている。
MOTOROLA PHOTONはauが使用する新800MHz帯のCDMA通信に対応するほか、下り最大40Mbps/上り最大10MbpsのWiMAXにも対応する。WiMAXは現在、全国政令指定都市の実人口カバー率で95%超、東名阪では99%超へと利用エリアを拡大中。この広いカバレッジを誇る高速通信サービスを、スマートフォンで利用できるのは大きな魅力と言えるだろう。
大容量データのダウンロードや高画質動画のストリーミング、Webページや地図への高速なアクセスはもちろん、ビデオチャットなども快適だ。さらに最大8台までのWi-Fiテザリングにも対応し、「MOTOROLA XOOM」などのタブレットはもちろん、PCやポータブルゲーム機などから、MOTOROLA PHOTONを介してWiMAXの高速通信に接続することができる。
CDMAとWiMAXの切り替えはエリアに応じて自動的に行われるため、通常あまり意識することはないが、手動でもオン/オフを切り替えることができる。そこで実際に通信を切り替え、動画やWebページ、地図の表示速度がどのように変化するかテストした。
Webページの閲覧程度ならauの3G回線でも十分に高速だが、WiMAXでは動画や地図もまったくタイムラグを感じることなく、快適に見ることができる。例えるなら、実際にはその都度データをダウンロードしている地図が、まるで最初からMOTOROLA PHOTONの中にインストールされているかのようなスムーズさ。Flash Player 10.2にも対応しており、PC向けのリッチコンテンツにも難なくアクセスできる。
ストレスのない操作性を実現するのは、WiMAXの存在だけではない。MOTOROLA PHOTONはプロセッサにNVIDIA製のデュアルコア NVIDIA Tegra 2(1GHz)を採用した。PC並の高い処理能力を誇るこのプロセッサのおかげで、サクサクとした画面操作やアプリ操作を実現している。
実際に触れてもらえれば一目瞭然だが、画面のスクロールやタップ、ピンチといった操作が驚くほどなめらか。従来のスマートフォンにありがちだった、指の引っかかりや上すべりするような感覚を抱くことなく、気持ちよくタッチ操作が行える。その処理能力を生かして、高画質な動画やゲームもスムーズに再生できるうえ、ジャイロセンサーや加速度センサーを生かした直感的なゲーム操作も楽しめる。ゲーム画面を含むディスプレイの表示内容はHDMI出力でき、スマートフォン用のゲームをリビングの薄型テレビに映し、MOTOROLA PHOTONをコントーラーにして遊ぶといった楽しみ方もできる。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2011年11月13日