シャープだから開発できたNOTTV初号機――「AQUOS PHONE SH-06D」誕生の秘密(2/2 ページ)

» 2012年03月29日 09時30分 公開
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シャープがモバキャス初号機を開発した背景

photo UI担当の羽田氏

 モバキャスを快適に視聴するには、いかにアプリがスムーズに動作するかも重要だ。NOTTV視聴用のアプリの組み込みを担当した、パーソナル通信第一事業部 開発部の羽田充宏氏は「モバキャス対応の初号機なので、何か参考になる端末があるわけではありません。仕様を理解するのも大変でした」と苦労を振り返る。SH-06Dの開発当初は試験放送の電波も出ておらず、アプリをつなぐサーバも動いていないため、アプリを動作させるだけでも大変だったという。

 今回、シャープがモバキャス初号機を開発したのは、mmbiがマルチメディア放送の免許を獲得する以前から、シャープがマルチメディア放送を視聴できる試作機を開発してきた経緯が大きく関係している。スマートフォンが普及する2〜3年前だったこともあり、当時はフィーチャーフォン(AQUOSケータイ)の試作機にチューナーやアプリを搭載していた。だが実際のマルチメディア放送は対応端末がスマートフォンに変わり、OSもAndroid™ となったので、大幅な変更を余儀なくされた。「モバキャス対応機の商品化の話が出た2011年1月ごろから、フィーチャーフォン向けの技術をスマートフォン向けに開発し直しました」と田中宏生氏は振り返る。一方で、「開発のノウハウのコアな部分は生かせた」(羽田氏)という。

 丸木氏は「ワンセグのノウハウをすべて生かし切れないところがあり、苦労しました。モバキャスでデータ量が増えたことに加え、3D放送にも対応している番組もあるので、きちんと情報を受け取って3D表示をしないといけません」とモバキャスならではの苦労を話す。「試験放送の電波を受信するために外にいることが多かったですね。初めてモバキャスが映ったときは感動しました(笑)」(丸木氏)

photophotophotophoto 番組の関連情報や番組表など、白ベースの見やすいグラフィックで統一されている
photo アプリトレイを立ち上げると、アプリのカテゴリー一覧が表示される

 モバキャス以外のソフトウェアは基本的にSH-01Dがベースになっているが、ホーム画面のUIは変更した。アプリトレイを立ち上げると、カメラ、インターネット、ツールなどのカテゴリーが3×4のアイコンで表示される。これはフィーチャーフォンから乗り替える人が多いことを意識して作ったもの。「アプリがたくさん並んでいて面食らうよりは分かりやすいでしょう。このカテゴリー表示はオフにできますし、アイコン数も変更できます」と田中宏生氏が話すよう、柔軟に作り込んだ。このUIはソフトバンク向け「AQUOS PHONE 104SH」にも採用されており、今後もAQUOS PHONE共通の考えとして取り入れていく構えだ。104SHで採用したタッチパネルのチューニング技術「ダイレクトトラッキング」もSH-06Dに取り入れ、タッチパネルの追従性にもこだわった。「タッチパネルの感度を上げすぎると誤操作につながります。その辺の兼ね合いを調整しました」と田中宏生氏は話す。

 このほか、卓上ホルダにセットしたときにアプリケーションを使ってもらいやすくするための「チャージングメニュー」や、あらかじめ設定した内容で静止画のスライドショーや動画を自動的に再生する「チャージングシアター」も搭載している。

 Android 4.0へのアップデートについては「今後予定しています」(田中宏生氏)とのこと。実際、シャープはハイエンドモデルをAndroid 4.0へアップデートする意向があることを宣言しているほか、NTTドコモが3月26日に発表したAndroid 4.0へアップデート予定の端末に、SH-06Dが含まれている。

卓上ホルダとの一体感を意識したデザイン

 SH-06DのスペックはSH-01Dがベースになっているが、「設計的にはまったくの別物と言ってもいい」というほど内部の構造は異なる。モバキャスチューナーを含むモジュールを搭載したことに加え、卓上ホルダ用アンテナとの接続端子、イヤフォンジャックの割愛、回路設計の変更、カメラやCPUの変更などがその要因に挙げられる。内部構造の違いは、SH-01DとSH-06Dの形状が違うことからも想像できる。SH-01Dのボディはフラットな形状だったが、SH-06Dは裏面がカーブを描いている。なぜカーブを掛けたのか。これは卓上ホルダにセットしたときの一体感を表現するためだという。

 「SH-06DはNOTTVを楽しめる端末ということで、開発当初から卓上ホルダとセットでデザインを考えていました。ホルダのデザインにもこだわり、セットしたときにS字を描いて一体感が出るようにしています」と田中宏生氏は説明する。SH-06Dを卓上ホルダにセットすると、重なり合った端末+ホルダの側面がカーブを描いていることが分かる。「SH-06Dはモバキャス初号機なので、デビュー感を出したいという想いがありました。そこで、SH-06D単体でもデザインの特徴を出しつつ、卓上ホルダに置いてもテレビのように格好いいという、SH-01Dとは違う“顔”も主張しようと思いました」(田中宏生氏)

photophoto SH-06Dの裏面には左右にかけてカーブが施されている(写真=左)。これは卓上ホルダの曲面に合わせるため。セットすると、側面のカーブが強調される(写真=右)
photo 機構開発を担当した松本氏

 これまでのケータイやスマートフォンを振り返っても非常に珍しいと感じるのが、卓上ホルダにも本体同様のカラーバリエーションを採用したことだ。SH-06DのボディカラーはMagenta Red、White、Blue Blackの3色だが、これら3色に合わせた卓上ホルダが本体色ごとに同梱されている。「ドコモさんやmmbiさんと話をする中で“リビングや個室に置いても格好いいデザイン”をテーマにしました」と田中宏生氏は話す。一方、卓上ホルダと本体にカーブを掛けることによる苦労もあったという。「表面が曲がっていると、塗装の際に色が付くところと付かないところのバラツキが出るので、均一に塗装をしつつ、量産するのが大変でした」と松本氏は話す。

photophotophoto 携帯電話では素っ気ないデザインが多い卓上ホルダにもこだわり、Magenta Red(写真=左)、White(写真=中)、Blue Black(写真=右)に合わせたカラーバリエーションを用意。「AQUOS PHONE」のロゴも入れている。写真の画面は、充電を開始すると表示される「チャージングメニュー」。NOTTVアプリをここから簡単に起動できる。なお、Magenta Redは奇しくも(?)NOTTVのマスコットキャラクター「ノッティ君」と同色となった。

 3色の中ではMagenta Redがプロモーションカラーだが、「レッドとブラックのパターンはAV機能に注力した端末ではよく使うカラー」(田中宏生氏)だという。実際、シャープが2009年に投入したAQUOSケータイ「SH-07A」にも、レッドとブラックのツートンカラーを採用していた。SH-07A……と言えば、ステレオスピーカー内蔵の卓上ホルダを同梱していたのが印象的だが、SH-06Dでも同様の卓上ホルダを用意する案はなかったのだろうか。田中宏生氏によると、スピーカー内蔵の卓上ホルダも検討したが、外部出力端子も必要になる関係で、端末とホルダに計7つほど端子を付ける必要があり、本体サイズへの影響から見送ったそうだ。

photophoto Magenta RedとBlue Blackのリアカバーは「8.0M PIXELS」の文字色が違うだけで他は同色(写真=左)。高級感を出すべく、Whiteのみ光沢感を出した(写真=右)

 ケータイからスマートフォンに端末の移行が進む中、サービス面では携帯市場は飽和しつつある。モバキャスは、そんな携帯市場をさらに広げる可能性を秘めており、大きなディスプレイや高性能なCPUを備えるスマートフォンならではのサービスとも言える。シャープのSH-06Dは、画質、UI、設計などさまざまな面でモバキャスを快適に楽しむための技術が凝縮されている。AQUOS PHONEだからこそ実現できたモバキャスの新しさを、ぜひ体感してほしい。

 「AQUOSからイメージするものはテレビだと思います。新しい放送を通じて、『もっとテレビは面白いんだ』ということを伝えられればと思います」(丸木氏)

 「NOTTVでは高画質な番組はもちろん、放送波でコンテンツをダウンロードするサービスもあるので、今までのテレビではない新しい使い方ができます。リアルタイム視聴とシフトタイム視聴、どちらもお勧めです」(羽田氏)

 「SH-06DでNOTTVを楽しんでいただくことで、今までにない体験をしていただきたいと思います。もちろんスマートフォンとして必要なスペックもきっちりとおさえていますので、安心してお使いいただけます」(田中宏生氏)

 「SH-06Dは後ろで支えてくれた方のお陰で完成した端末。自信を持ってお勧めできます。通信端末としてだけでなく、放送端末としてもみていただければと思います」(田中秀幸氏)

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