「ケータイ」を肌身離さず持ち歩く「ライフツール」へ進化させたドコモNTTドコモの20年(後編:2002〜2012)(3/3 ページ)

» 2012年07月31日 18時00分 公開
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幅広い端末ラインアップを展開、ユーザーに選択肢を提供

 2006年頃から、端末のリリースサイクルが1〜2月、5月、9〜10月の年3回に固定され、特にMNP前後にはものすごい数の機種が発表されたことは記憶に新しい。ドコモは今でも年に2回、十数機種の幅広いラインアップを発表しているが、それまで1回の発表会で数機種だった端末のバリエーションが、MNP制度のスタートとほぼ同時に一気に増えた。この頃端末のラインアップはハイエンドの90xiシリーズとエントリー向けの70xiシリーズの2ラインに分かれており、2007年くらいまでは個別に発表会が開かれていたが、2008年秋からは70xiシリーズと90xiシリーズをまとめて一気に二十数機種発表することが増えていった。

 2006年に発表された702iシリーズから、デザイナーやブランドとコラボレートする端末が増えたのも印象深い。今でもブランドコラボや特定のアニメーション作品などとコラボした端末は限定販売されたりして非常に人気だが、こうした取り組みはドコモが積極的に行っている印象で、端末の魅力を高めている。2007年には、極限まで薄さを追求した「N703iμ」「P703iμ」のような機種も登場し、ユーザーを驚かせた。またダイヤルキー部分もタッチパネルディスプレイにした「D800iDS」のようなユニークな端末にも挑戦していた。2008年には「PRADA Phone by LG」や防水対応ワンセグケータイ「F706i」など、個性的なモデルも登場。「発表会に行くたびに『次は何を見せてくれるのだろう』と期待に胸が膨らみました」(園部)

Photo 701iDや702iDといった、著名なデザイナーとのコラボレーション端末も登場。写真は左から「F702iD」「N702iD」「SH702iD」「D702i」「P702i」。富士通のF702iDは平野敬子氏および工藤青石氏、NECのN702iDは佐藤可士和氏、シャープのSH702iDは松永真氏がデザインを手がけた

 2008年秋、ドコモは機種の型番ルールを変更した。これまでずっと90xiシリーズと70xiシリーズという2つのラインアップで製品を展開してきたが、こうした区分けを廃止して、メーカー名と数字、そして年度ごとに変わるアルファベットを組み合わせた型番になった。例えばHTC製の2009年度(A)3号機が「HT-03A」といった具合だ。型番による「ハイエンド」「ローエンド」というユーザーの先入観をなくし、端末を選びやすくしたのだ。

 日本初のAndroid™搭載スマートフォン「HT-03A」が登場したのは2009年7月のことだ。ドコモが他社に先駆けて日本市場にAndroidを導入した。前年の2008年にiPhone 3Gが日本で発売されたことで、日本でもスマートフォンに改めて注目が集まっていた時期だった。

 HT-03Aは、まだドコモのサービスがAndroid上で十分に利用できる環境ではなかったこともあり、さまざまな制約の中で利用する必要があった。しかし、このときのユーザーからのフィードバックが現在のドコモのサービスに生かされており、Androidスマートフォンが日本で広く利用されるための礎を作った。当時は日本語対応のアプリもまだあまり多くなかったが、ユーザー同士が情報交換をしたりして、積極的に活用していたのが印象的だ。ドコモも広告や自社Webサイトなどを通して活用方法を発信していた。

 そして2010年、待望の「XPERIA™ SO-01B」が発売される。HT-03Aが日本初のAndroidスマートフォンとして切り開いた市場を、一般層まで広げたのがXPERIA™だった。もともと人気の高いソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(当時。現在はソニーモバイルコミュニケーションズ)が手がけたAndroidスマートフォンということで、前評判も高かったが、直感的な操作やSNSと連携した独自のアプリケーションなどで人気を集めた。2010年後半には、世界的に人気の高かった「GALAXY S SC-02B」のようなグローバルモデルも積極的に導入したほか、おサイフケータイ対応のAndroidスマートフォン「LYNX 3D SH-03C」や防水Androidスマートフォン「REGZA Phone T-01C」をリリースし、日本のユーザーの細かなニーズに応えていった。おサイフケータイがAndroidスマートフォンに搭載された際に、園部が狂喜したのは言うまでもない。

PhotoPhotoPhoto 左から「XPERIA™ SO-01B」「GALAXY S SC-02B」「LYNX 3D SH-03C」

 このほかユニークな取り組みとして、国産ヒノキの間伐材を利用した「TOUCH WOOD SH-08C」や、世界で初めてワイヤレス充電「Qi」に対応した「AQUOS PHONE f SH-13C」など、絶え間なく新しい取り組みも行っている。TOUCH WOODは、東日本大震災の影響でテレビCMがあまり流されなかったが、「森の木琴」の3分バージョンがYouTubeで大きな話題になったことは知っている人も多いだろう。福岡県嘉麻市を舞台に撮影されたこのCMは、カンヌ国際広告祭の注目部門・フィルムクラフト部門で金賞、フィルム部門で銀賞を受賞。YouTubeではすでに860万回以上再生されており、世界的にも高い評価を得た。

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YouTubeで860万回以上再生されたTOUCH WOOD SH-08CのCM「森の木琴」。世界的にも評価が高く、カンヌ国際広告祭フィルムクラフト部門で金賞、フィルム部門で銀賞を受賞した

 2009年頃からニーズが高まっていた、PCなどでのデータ通信用途向けに、モバイルWi-Fiルーター「BF-01B」をリリースしたのは2010年のこと。Androidタブレット「GALAXY Tab SC-01C」など、魅力的なラインアップをそろえ続けている点もドコモならではで、それは現在の同社の幅広い端末ラインアップに通じる。

ケータイとネットワークサービスの連携で高まる利便性

 機種の進化もさることながら、2000年代半ばからはサービスと機種が密接に連携するようになったのも特徴的で、特にドコモはケータイ(iモードケータイ)やスマートフォンの存在価値をさらに高めるサービスを次々と投入してきた。これはドコモならではの強みだ。

 iモードケータイでエージェントサービスを提供する「iコンシェル」や、待受画面に便利なツールを配置する「iウィジェット」などが導入されたのは2008年のことだ。iコンシェルは今やAndroidスマートフォンにも移植され、音声認識機能と合わせて2012年に「しゃべってコンシェル」というユニークな機能に昇華されている。ケータイをコンシェルジュのように使うというアイデアを、ドコモは5年も前から実現していた。また、オートGPSという、ユーザーの位置情報に応じた情報提供を行う仕組みも秀逸だった。当時GPSを使ったサービスは、ナビゲーション以外はあまり目立ったものはなかったが、特定の場所に着いたらリマインドしたり、現在地からの終電情報を自動的に配信したりと、便利なサービスが次々と登場。園部は何度となくこの機能に救われた。Androidスマートフォンにも適宜移植されており、本当に助かっている。

 クラウドと連携するという点では、電話会社としてはおそらく長年の夢だった、翻訳電話サービスが形になりつつあるのも興味深い。逐次通訳のように、電話越しに聞こえた相手の言葉を日本語に変えてくれたり、こちらで日本語で話した内容を英語で発話してくれたりする様子は未来感たっぷりだ。すでにモニター向けの試験サービスが始まっており、早く正式サービスとしてリリースしてもらいたい技術の1つである。現在ドコモの20周年に合わせて放映されているCM「とある留学生と、私。」で、桑田佳祐がスマートフォンとして通訳をするシーンが流れるが、これはもはや夢物語ではなくなっているのだ。園部は以前、通訳電話サービスのモニターとして1カ月ほどこのサービスを体験利用したことがあるそうだが、「音声の認識精度が高く、英語圏を旅行する際などにはかなり使えるのではないかと思った」という。

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ドコモthanksキャンペーンのCMでは、しゃべってコンシェルや通訳電話サービスなど、ドコモの先進技術の一端が分かりやすいシーンとともに紹介されている

 「ウェルネスサポート」や「i Bodymo」のような健康をサポートするサービスや、「ドコモ地図ナビ」「ドコモ ドライブネット」のようなナビゲーションサービスなど、機種単体では実現できないが、ケータイと他の機器を連携させることでより便利になるサービスの開発には常に積極的に取り組んでいるのも印象的だ。近年ドコモでは、こうした機能のAndroidスマートフォン向けの移植と、iモード向けに提供されてきた決済やバックアップの仕組みをspモードにも展開し、Androidスマートフォンでもiモードケータイの頃と変わらない使い勝手を実現しようと腐心している。これも今後が楽しみな分野だ。

次世代通信サービス「Xi」でさらに変わるケータイの未来

 2010年12月、ドコモはLTE技術を採用した次世代の高速通信サービス「Xi」を開始した。一部エリアでは下り最大75Mbps、上り最大25Mbpsという通信速度を実現する新しいサービスは、データ通信の利用環境を大きく変えるものだ。これまでにも、Androidスマートフォンやハイエンドケータイを中心に、高速なデータ通信を利用してさまざまなサービスを享受してきたが、Xiではさらに待ち時間が短く、遅延も少ないためサーバとの通信レスポンスも良好だ。

 2011年秋から、Xi対応のスマートフォンやタブレットもリリースされ、対応エリアも順次広がっていくことで使い勝手が良くなり、生活の中に着実に浸透してきている。Xiの通信速度は、一度使ってしまうともう手放せなくなる。「データのダウンロードやWebページの表示が高速なので、“待たないのが当たり前”になってくるんです。さまざまな端末を評価する中で、FOMAのモデルなどもいまだにテストしますが、Xi非対応の端末に戻ると何となくもの足りなさというか、もたつきを感じるようになってしまって。普段使いではXi対応スマートフォンが本当に手放せません」(園部)。エリアは現在拡大中のため、一部利用できないところもあるが、FOMA導入時の教訓を生かし、Xi端末はいずれもFOMAと両方利用できる仕様になっていて、「つながらない」ということは、普段の園部の生活の中ではほとんどないという。

 FOMAはまだまだ現役が続くだろうが、今後は主流が徐々にXiへと移行していく。通信速度が速くなると、何事にもストレスが減るため、ケータイへの依存度は、おそらくさらに高まっていくだろう。家電やクラウドサービスとの連携の中心(ハブ)として、朝起きてから夜寝るときまで、本当に常に傍らにいる存在になりつつある。


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 斎藤と園部は以前、こんな話をしたことがある。

 「今でこそ、みんな『ケータイ』という言葉が『携帯電話』に由来する略語であることを知っているけれど、そのうち若い子達が『へえ、ケータイって携帯電話の略だったんだ!』なんていう時代が来るんじゃないか」

 ケータイは生活の中で重要な役割を担っており、コミュニケーションから情報収集、決済など、幅広い用途でそれがないと困るほどに広く普及している。それらの中でも、ドコモが実現してきたクラウドサービスとの連携や、実社会との連携は、多くの人のライフスタイルを変えるまでの変化をもたらした。ケータイは“電話”ではなく、生活していくうえで必要不可欠なライフツールだ。

 例えば地震などが起きた際、何か1つだけ持って逃げるとしたら、ケータイやスマートフォンを選ぶ人は多いはずだ。それくらい、我々の生活の中になくてはならない存在であり、水道や電気・ガスなどのライフラインと同じくらいの価値が、ケータイ・スマートフォンとそれがつながるネットワークにはある。

 ドコモの20年は、まさにケータイでライフスタイルの変化をもたらすための20年だったと言える。20年前はただの電話だったものが、今や人々の生活の一部になり、多彩なサービスを享受するための窓となり、コミュニケーションの重要なツールとなっている。今後は、困ったときに頼れる“アシスタント”や“アドバイザー”として、ケータイやスマートフォンを活用するようになる日も遠くないだろう。そのためのエージェント機能は着々と進化している。困ったときは、とりあえずケータイやスマートフォンに話しかけてみる。そんな未来はすぐそこまで来ている。

 これからも進化を続けるドコモが、次に私たちにもたらしてくれる未来は、よりユーザーに寄り添い、希望をかなえるための手伝いをしてくれるような、そんな端末とサービスかもしれない。ここから先の10年も、楽しみでならない。

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※掲載の内容は2012年7月31日現在の情報です。
※「Android」は、Google inc,の商標または登録商標です。
※「Xperia」は、Sony Mobile Communications ABの商標または登録商標です。
※「LYNX」は、シャープ株式会社の登録商標です。
※「REGZA」は、株式会社東芝の登録商標または商標です。
※「AQUOS PHONE」は、シャープ株式会社の商標です。
※Xiエリアの一部に限ります。対応エリアの詳細は、ドコモのホームページでご確認ください。



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