テレワークで利用が増えても安定した通信環境を 「THE WiFi」の裏側を聞く（2/2 ページ）

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ルーターは12時間の連続使用が可能、豊富なオプションサービスも

　THE WiFiでは、大手3キャリアにつながるWi-Fiルーター「U2s」を用意しており、これ1台で国内、海外でデータ通信が可能だ。ディスプレイは備えていないが、そのおかげでバッテリー消費が少なく、12時間の連続使用が可能。同時接続台数は最大5台だ。

クラウドSIM対応のWi-Fiルーター「U2s」を提供

　端末は無償レンタルという形で提供され、端末代は無料だ。サービスを解約する場合は返却することになるが、最低限の初期費用で始められる。なお、5Gが利用できる環境になった際には、THE WiFiを24カ月以上利用していれば、5G対応ルーターへ無償で機種変更できる仕組みも用意している。

　端末補償サービス、PCやスマホをウイルスから守るセキュリティ、クラウドバックアップサービスやネットスーパーなど、オプションサービスをオフィシャルで用意している。9月中には、さらに新しいオプションサービスの提供も開始予定である。

　アニメ、ドラマ、バラエティ番組などが見放題の「ABEMAプレミアム」を、初月無料のキャンペーンで利用できるのも特徴だ。

　「大手キャリアさんも取り組んでいるように、THE WiFiでもビデオ・オン・デマンドサービス（VOD）を提供したいとかねて思っていました。ABEMA プレミアムでは、釣りや麻雀、将棋、恋愛リアリティードラマなど、他のVODにはない、趣味に特化したコンテンツが豊富です。幅広いお客さまに利用していただいているTHE WiFiにマッチするのではないかと思いました」（鳥越氏）

　今後、他のVOD事業者との協業もあり得るが、メジャーなところよりも「エッジが立ったサービス」を意識しているそうだ。

初月無料のキャンペーンで「ABEMAプレミアム」を利用できる

コールセンターの受電率は98％

　データ通信速度の低下に対しては、MVNO事業、スマモバでの知見を生かした。スマモバでの経験は、カスタマーサポートでも生きているという。「スマモバのスタート当初からカスタマーセンターを運営してきた経験がありました。今回の速度低下に対しては多くのお問い合わせをいただいた。経験がなかったら、対応が困難な状況になっていたかもしれません」（鳥越氏）

　鳥越氏が胸を張るのが受電率（応答率）の高さだ。かかってきた電話にはオペレーターが応答しており、電話を受けることができなかった場合は、オペレーターからユーザーに電話をかけることもあるという。そのため、2020年6月〜7月末の入電において、98.7％という高い比率での問い合わせに応対することができている。

　「問い合わせの電話はつながることが大事です。少なくとも、どこに問い合わせていいか分からない、問い合わせたけど、つながらない、つながったけれど、たらい回しで問題が解決しない、ということが起きないような運用体制ができていると自負しています」

　コロナ禍で、コールセンターの体制を強化した。「ユーザーからのお問い合わせが増える中、全ての問い合わせにきちんと対応するため、オペレーターの数を増やしました。コールセンターはインフルエンザや普通の風邪もつきまとう環境なので、空気清浄機や空気を循環させるサーキュレータを配置するなど、しっかりと対応してきました。これら当たり前のことに加え、座席間隔を開けるなど、三密対策を行ってきました。幸いにもコールセンターで感染者は出ていません」（鳥越氏）

盤石の体制でサービスを提供していく

　クラウドSIMを使ったサービスは何だか不安……と感じている人も多いと思うが、THE WiFiでは新規ユーザーに対しては無制限をやめたことで公平性を担保し、MVNOとしての知見を生かすことで通信品質を担保している。安心して利用できるサービスであることがお分かりいただけたのではないだろうか。

　「2020年5月中旬からTHE WiFiの広告活動は止めていましたが、ただ止めていたのではなく、通信設備の増強や、新たなオプションサービスの準備などに取り組んできました。これをマイナスに捉えず、お客さまにとってプラスに働くような対策をしてきたつもりです。通信事業者の役割は今後、さらに高まると思います。期待に応えられるように、今後は盤石の体制で進めていきます」（鳥越氏）