2024年10月に800万回線を突破し、勢いが止まらない楽天モバイル。そんな楽天モバイルの進化と今後の展望をキーパーソンに聞いた。
楽天モバイルでは、2024年に家族、若年層、シニアの割引を強化し、月額3278円(税込み、以下同)でデータ通信使い放題の「Rakuten最強プラン」がさらにお得になった。2024年6月には700MHz帯でのプラチナバンドの通信サービスも提供開始し、ネットワークの強化も進めている(注1、2)。
通信キャリアの核ともいえる「料金」と「ネットワーク」がますます強化された楽天モバイル。そんな同社の2024年について、マーケティング企画本部 本部長の中村礼博氏へのインタビューとともに振り返っていきたい。
中村氏が2024年のハイライトとして最初に挙げたのは、最強家族プログラムから始まる幅広い年齢層に合った割引プログラムの導入だ。
家族で契約すれば、20回線まで全員が月額110円引きになる「最強家族プログラム」を2月に開始したのを皮切りに、3月には13歳から22歳までの若者の利用料金を毎月110ポイント還元する「最強青春プログラム」、5月には12歳以下を対象に毎月最大440ポイント還元される「最強こどもプログラム」、9月には65歳以上を対象にした「最強シニアプログラム」と、立て続けに合計4つのプログラムを導入した。
これら4つのプログラムに加え、6月にプラチナバンドを始めたことも大きなトピックだ。中村氏は「4つのプログラムとプラチナバンド開始が、この10月に契約数800万回線を超えたという成果につながった」と振り返った(注3)。
対象者が幅広いため、絶対数としては最強家族プログラムの申し込みが多いものの、「最強こどもプログラムに対する反応が強い」とのことで、2023年と比較して12歳以下の申し込み数が3倍にも増えたという(注4)。他のプログラムについても反応は上々で、それぞれ対象年齢層の申し込みが2023年比で約2倍に増え、「かなり大きな成果があった」と中村氏は手応えを話す(注5、6)。
年代別に見ると、20代以下のユーザー数がぐっと伸びた。最強家族プログラムの効果で女性ユーザーの比率も上がってきている。直近では60代、70代が伸びているといい、最強シニアプログラムの効果がはっきりと出ているようだ。
「今までは30代、40代が多めという楽天会員に準じたユーザー比率でしたが、この1年で大きく変わりました」(中村氏)
10月に契約数800万回線を突破し、11月上旬時点では812万回線に上る。直近の200万回線は11カ月で増加しており、純増のペースが上がっている。この要因について中村氏は解約率の改善を挙げる。
解約抑止に最強家族プログラムが効いているのは狙い通りだったという。「会長の三木谷も言っていましたが、家族割引があるかないかで印象がかなり違います。『家族割引に入っているからキャリアを移れない』という壁を取り払えましたし、楽天モバイルから他社への流出も抑えられました」と中村氏も効果を実感している。
楽天モバイルは従来、他キャリアのユーザーよりもデータの利用量が多い傾向があるが、2024年はさらにデータの利用が増え、2023年から約4割伸びているという(注7)。
「楽天モバイルは無制限で使えるので伸び率がいいのだと思っています。また、この1年で若年層ユーザーが増えた影響も出ているのかなと思います」(中村氏)
2024年第3四半期時点の月間平均データ利用量は29GB。若年層は40GBを超えている。大きく伸びているのは10代後半のユーザー層だ。「特に16歳を境にかなりデータ利用量が増える傾向があります。高校生から、見るものが大人と変わらなくなって動画視聴が多くなったり、長時間の通学など見る視聴時間が伸びたりしているでしょう」と分析している。
最強シニアプログラムは始まってから日が浅いので、ユーザーの比率はそれほど変わっていないが、前述の通りこの年齢層の申し込みも2023年比で2倍だ(注6)。中村氏も「この層は情報が浸透するのに時間がかかるため、今後確実に増えてくる」と期待している。
楽天モバイルのユーザーは、データ容量をまったく気にせずに使っているのが特徴的だという。データ容量に制限があると、動画はWi-Fi®であらかじめダウンロードしてから見るという使い方をしがちだが、楽天モバイルはそうした工夫が不要なところが大きな違いだ(注2)。
また、2020年4月の本格サービス開始当初、ネットワークに対する不安からサブ回線として使っていたユーザーも多かったが、今は楽天モバイルをメイン回線として使っている人も増加している。
メイン利用率がプラスになっている要因を、中村氏は「プラチナバンドというキーワードが象徴的で伝わりやすかったですね」と分析している。「結果的に、プラチナバンドのインパクトによって4年半ずっと続けてきた地道なネットワーク改善もあらためて評価されています。内部調査でも、ネットワークに対するお客さまの不満の声は減ってきています」
通信品質を定期的に調査しているOpensignalが2024年4月と10月に発表した調査結果でも、楽天モバイルの評価はダウンロードとアップロードともに伸びている。実際に使ってみても、都心部では他キャリアと変わらない感覚で使える印象だ。楽天モバイルのネットワークに対する安心感が醸成されてきているのだろう。
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提供:楽天モバイル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia Mobile 編集部/掲載内容有効期限:2024年12月3日