大手キャリアの廉価プランが存在感を出している中、IIJが反撃に打って出た。3月1日から「ギガプラン」を改定し、値下げとデータ増量によって、より競争力のあるプランに生まれ変わった。さらに、キャンペーンでさらなる値下げとデータ増量も実施し、大盤振る舞いといえる内容になった。そんな“新生ギガプラン”がどれほどお得なのかを検証する。
スマートフォン(携帯電話)の料金プランを取り巻く状況は、めまぐるしく変化している。MVNOが提供している格安SIMは、大手キャリアにはない、低容量〜中容量の安価なプランを選べることが強みだった。しかし、政府の要請により、2021年頃から大手キャリアもサブブランドやオンラインブランドでMVNOに匹敵する安さの料金プランを提供。20GB帯を中心に大手キャリアとMVNOを含めた競争が繰り広げられてきた。
そして2024年10月に、NTTドコモがahamoのデータ容量を、月額2970円(税込み、以下同)という料金は据え置きで30GBに改定。これに呼応するかのように、KDDIはUQ mobileで、ソフトバンクはLINEMOとY!mobileで30GB前後のプランを強化してきた。30GBで2000円台後半の料金は、MVNOのサービスと比べても遜色なく、MVNO生存領域を脅かしつつある。
だが、MVMOもこうした状況を、指をくわえて見ているわけにはいかない。動き出したのが、老舗MVNOのIIJ(インターネットイニシアティブ)だ。同社はIIJmioで提供している料金プラン「ギガプラン」を2025年3月1日から改定する。かいつまんで言うと、「データ容量増」と「値下げ」を同時に行い、さらに、キャンペーンによってさらに容量を増加し、通話オプションも期間限定で無料にする、というのがその内容だ。
ギガプランといえば、低容量から大容量まで幅広いデータ容量を選べることに定評があるが、そんなプランがさらにパワーアップ。キャンペーンに至っては、「そこまでやって大丈夫?」と思わず心配してしまうほど、大盤振る舞いといえる内容だ。この記事では、そんな“新生ギガプラン”の魅力を解説していこう。
ギガプランの改定内容は以下の通り。いずれも音声SIM/音声eSIMの場合。
3月1日から、ギガプランでも特にユーザーが多い5GBを990円から950円に値下げし、10GBも1400円に値下げする。データeSIMについては、5GBが660円から650円に、10GBが1100円から1050円の値下げとなる。サブ回線としてデータeSIMの利用を検討している人にとってもうれしい改定だ。
中容量帯では30GBが35GBになり、さらに2700円から2400円に値下げ。「月額2400円で35GB」というデータ容量は大手キャリアの3000円弱で30GB程度のプランと比較しても安く、この領域でも競争力がアップした。
30GBだけでなく、20GB、40GB、50GBも3月からは5GBが増量される。月末になってデータ容量を使い切ってしまった場合、翌月まで低速通信で我慢するか、高速データ通信をチャージする必要があるが、5GBが増量されれば、わずかにデータ容量がオーバーしてしまうような人でも安心できる。20GB、40GB、50GBの料金は据え置きなので、5GB分が丸々お得になる。
実際のところ、新しいギガプランはどれだけお得になったのか。ギガプランの25GBと35GBの料金を、大手キャリアのサブブランドとオンラインブランドにおける30GB〜35GBプランと比較してみた。オンラインブランドはahamo(NTTドコモ)とLINEMO(ソフトバンク)のLINEMOベストプランVを、サブブランドはY!mobile(ソフトバンク)のシンプル2 M/LとUQ mobile(KDDI)のコミコミプラン+をピックアップした。
月額2000円のギガプラン25GBは、他社プランよりも容量が少ないこともあり、この中では最も安い。月額2400円の35GBも、金額ベースで見れば他社プランよりも安い。Y!mobileは各種割引を適用すると、30GBが月額2178円になり、ギガプランの35GBよりも安くなる。ギガプランでも、家族割引を適用すると、月額料金から100円が割り引かれるが、これを含めても35GBは2300円。条件によってキャリアの方が安い場合もあるが、割引なしの“素の料金”で考えればIIJmioのプランは十分競争力があるといえる。
ただし、大手キャリアのサブブランドやオンラインブランドでは、30GB程度のプランには5分または10分のかけ放題が付いているケースがあるが、IIJmioのギガプランにはかけ放題は付いておらず、月額500円の「通話定額5分+」、月額700円の「通話定額10分+」を別途契約する必要がある。それでも通話定額5分+なら、月額500円を足しても2500円または2900円で3000円を割っており、キャリアの廉価プランと比べても料金面で遜色なく、同じ金額感ならデータ容量が5GB多い。
ここまで紹介した値引きと増量は一過性のキャンペーンではなく、プランのスペックを改定するので、既存ユーザーにも適用される。新生ギガプランは、新規ユーザーにとっても既存ユーザーにとっても満足度の高いプランに生まれ変わったといえる。
ギガプランの改定だけでもインパクトは大きいが、IIJmioでは3月31日まで、MNPか新規契約でギガプランの音声SIMを申し込んだ人に対して、さらにお得なキャンペーンを実施している。
まず、5GBと10GBは月額料金を6カ月間割り引き、5GBは950円から500円に、10GBは1400円から900円に引かれる。さらに、10GB以降のプランはデータ容量を6カ月間10GB増量される。
これら2つの特典が両方とも適用されるのが10GBだ。双方の特典を適用すると、10GBが20GBに増量され、500円が割り引かれる。その結果、何と6カ月間は月額900円で20GBものデータ容量が利用可能になる。20GBは改定前のギガプランで月額2000円だったので、事実上、20GBが改定前の約半額で使えることになる。
キャンペーンによって、さらに値引きとデータ増量を行う。ここまでやって大丈夫? と思えるほどの大盤振る舞いだ。キャンペーンを含めると、1GBあたりの単価が最も安いのは10GBだ。月額900円で20GBは、ギガ単価にすると何と45円。毎月の通信量が10GB〜20GBという人は、迷わずギガプランの10GBを選択したい。シンプルに安さを追求するなら、5GBの950円から500円への割引キャンペーンも見逃せない。ギガ単価100円は900円/20GBよりは高いが、それでもワンコインで5GBを使えるのは大きな魅力だ。データの利用量は年々増える傾向にあるとはいえ、5〜10GBの小容量で十分という人はまだ多いだろう。そんな小容量のプランを破格の金額で利用できるのは、3月31日までに申し込んだ人だけの特権だ。
さらに、通話定額5分+と通話定額10分+は最大7カ月間無料、完全かけ放題は最大3カ月間無料のキャンペーンも適用され、通話が多い人にもうれしい。これに月額料金割引のキャンペーンを合わせると、最大6カ月間、月額900円で20GBと10分かけ放題が利用できることになる。これには思わず、「IIJ、ここまで割り引いて大丈夫なの?」と心配してしまうほど。強力なキャンペーンなので、この機会にぜひ申し込みを検討したい。
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