今、IIJmioに契約すると、20GBのデータ容量を半年間、月額900円で利用できる。これまでは小容量で足りていたが、もっと大きなデータ容量を利用できて、スマホができることが増えるとしたら? 20GBでどれだけモバイル通信を利用できるのかを、さまざまなアプリや機能を使って検証してみた。
スマホのギガが足りない。月末になると、そんなピンチに直面したことのある人は多いだろう。小容量帯のプランが中心だったMVNOサービスでは、特にこのようなピンチに陥りやすいが、最近は中容量〜大容量の選択肢も増えている。
MNO(キャリア)ではデータ使い放題のプランが主流になる一方で、近年はMVNOも20GBや30GBを超えるプランを導入し、料金据え置きでデータ容量を増量したり値下げをしたりするケースが増えている。
MVNOの老舗であるIIJ(インターネットイニシアティブ)もその1社だ。2025年3月から改定したIIJmioの「ギガプラン」では、5GB、10GB、30GBの月額料金を値下げし、20GB〜50GBはそれぞれ5GB増量している。
特に注目したいのが10GBだ。1500円から1400円に値下げし、さらにキャンペーンによって、新規契約すると6カ月間は900円に割り引き、データ容量を20GBに増量。「値下げ」「割引(半年)」「増量(半年)」という三重にお得なプランになっているのだ。
今、10GBのプランを契約すれば、6カ月間は、月額900円で20GBものデータ容量を利用できることになる。読者の皆さんが契約している料金プランと照らし合わせても、いかにこの金額が衝撃的なものであるかが分かるだろう。例えばIIJmioで20GBの通信ができるプランとなると、月額2000円の25GBプランを選ぶ必要がある。20GBと25GBなので単純な比較はできないが、それでも900円で20GBのインパクトは大きい。
読者の中には、「10GB未満の小容量で十分」という人も多いだろう。「Wi-Fiのある自宅で過ごすことが多く、外出先では大量のモバイル通信をしない」「そもそもスマホをあまり使わない」などの理由が考えられる。
でも、これまでは小容量で“我慢”していたけど、もっと大きなデータ容量を利用できて、スマホができることが増えるとしたら……。そこで、20GBあればモバイル通信をどんな用途でどれだけ利用できるのかを検証してみた。
今回、実際にIIJmioのSIMを入れたスマートフォンで、さまざまなコンテンツをモバイル回線で利用してみた。スマートフォンは「Pixel 8a」を使用し、「設定」から分かる「モバイルデータ使用量」から、アプリごとのデータ容量を確認した。
特に多くのデータを消費するのが映像配信サービスだろう。YouTubeはもちろん、オンデマンドで見られるスマホ向け配信サービスが増えたことで、もはやテレビを見ることが減り、ドラマや映画はスマホで視聴しているという人は多いのでは? そしてスマホがあれば、好きなタイミングと場所で自由に視聴できる。通学や出社の移動中は、その格好のタイミングだ。
「外出先でドラマや映画を見るなんて、落ち着かない」と考える人もいるかもしれないが、最近はワイヤレスイヤフォンを中心に、ノイズキャンセリングに対応したイヤフォンも増えており、電車移動中の騒がしい環境でも、周囲の騒音をシャットダウンして映像に没頭できる。出張や移動で長時間の移動が多い人も、こうした映像配信サービスは強い味方になってくれるだろう。
今回はYouTubeで1時間、Netflixで70分ほど映像を視聴してみた。その結果、YouTubeでは約180MBを、Netflixでは約290MBを消費した。いずれもHD画質で視聴している。YouTubeで換算すると、20GBあれば約113.7時間の視聴が可能になる。例えば通勤時間が往復2時間の場合、平日の20日に毎日、通勤中にYouTubeを視聴したとすると約7GBに達する。残り13GBあるので、ゆとりのある使い方ができそうだ。
音楽のストリーミング視聴は動画視聴ほどデータ量を消費しないが、移動中、家事や作業をするときのBGMとしても活用できるので、映像配信サービスよりも長時間使うという人は多いのではないだろうか。
また、CDが全盛だった時代は、自分の好きなアーティストのCDを自分で選んで購入またはレンタルするのが一般的だった。一方、こうしたサブスク(月額課金)サービスが普及したことで、好きなアーティストはもちろん、人気や懐かしの曲や、自分の知らないおすすめのアーティストなども手軽に発見できるようになった。
ラジオ番組をザッピングするように無数の音楽を楽しめるようになったので、気付いたら何十分、何時間も聞いていた、なんてこともある。そういうときに、データ容量が潤沢にあると心強く感じるはずだ。
今回はApple Musicで1時間音楽を流したところ、約187MBを消費した。20GBあれば、約109.5時間、音楽配信サービスを利用できる計算になる。毎日3時間音楽を流したとしても、約16.4GBで済む。
外出先で仕事をする機会のある人は、スマートフォンのテザリングが通信手段として活躍する。社用PCでの作業はメールやブラウジング、ファイルの更新やアップロード、オンライン会議など多岐にわたるが、大容量のファイルを送受信したり、長時間オンラインで会議したりすると、データ量を多く消費する。小容量帯のプランでテザリングを使用したら、あっという間に上限に達してしまうだろう。
今回はテザリングで接続したPCで、Zoomによるオンライン会議を1時間ほど利用したところ、約309MBを消費した。20GBあれば約66.3時間、オンライン会議ができる計算になる。月に10回、テザリングでオンライン会議を1時間利用する場合、約3GBを消費する。
手持ち無沙汰のときに思わず見てしまうコンテンツの筆頭が、SNSやブラウザ、ニュースサイトだろう。これらのアプリはテキストが中心なので大してデータを消費しないだろうと思いがちだが、最近はSNSでも頻繁に映像が流れたり、YouTubeの動画が埋め込まれていたりすることも多い。気付いたら、データをたくさん消費していたということもあり得る。
「XとFacebookでタイムラインを更新」「ChromeでITmedia Mobileのサイトを閲覧」「Yahoo!ニュースアプリで記事を閲覧」を合計1時間かけて行ったところ、合計で約390MB消費した。20GBあれば、約52.5時間、SNSやブラウザを利用できる計算になる。通勤時間の2時間×20日間でSNSやブラウザを利用したとすると、1カ月で約15.2GBに達する。
動画配信サービスよりも多くのデータ容量を消費したのは意外だったが、動画配信サービスは映像コンテンツが効率よく圧縮されているということなのかもしれない。SNSやブラウザも、積もり積もって多くのデータを消費することが分かった。
電子コミックのマーケットやアプリが充実したことで、スマートフォンでコミックも手軽に楽しめるようになった。「ジャンプ+」と「サイコミ」で合計1時間、コミックを閲覧したところ、合計のデータ使用量は約306MBだった。20GBあれば約66.9時間、コミックを楽しめる計算になる。平日の20日間に毎日1時間、電子コミックを読んだ場合、約6GB消費する計算だ。
位置情報を用いたスマホゲームも増えており、外出する動機になっている人も多いのではないだろうか。各種位置情報ゲームは、マップの更新やアイテムの購入、バトルなどは通信を行う必要があるので、一定のデータ容量が必要になる。
今回はとある位置情報ゲームを1時間ほどプレイし、モンスターの捕獲、アイテム収集、バトルなどを行ったところ、データ容量は180MBほど消費した。20GBあれば、約113.8時間、位置情報ゲームを遊べる計算になる。毎日1時間プレイした場合、約5.2GBを消費する計算になる。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia Mobile 編集部/掲載内容有効期限:2025年5月9日