セルラーケーブル【せるらーけーぶる】

【国内記事】 2001年7月30日更新

 セルラーケーブルは,PHSとモデムを接続するための通信ケーブルで,PIAFSが普及する以前のPHSデータ通信で用いられていたもの。PHS以外ではアナログ携帯電話にも利用できたが,通信速度の点からインターネット接続ではほとんど実用にならなかった。ちなみにデジタル携帯電話(PDC,cdmaOne)では,擬似音声が用いられるためこのケーブルは利用できない。

 セルラーケーブルを使う通信方式を,通称「みなし音声方式」と呼ぶ。これは,PHSのイヤホンマイク端子を使うことで,モデムの信号をそのまま通話の音声信号とみなして扱うというもの。アナログ回線+モデムの技術を,デジタル回線のPHS上で再現したわけである。

 この方式で利用できる通信速度は9600bps程度だが,モデムの設定や回線の状況によっては14.4kbpsもの速度が出ることもあり,デジタル携帯電話(PDC)を上回る通信方法として,モバイルユーザーの注目を浴びた。

 ただし,セルラーケーブルとモデムに相性の問題もあり,利用できるATコマンドの種類も含めて,活用するまでが難しい。特に,通常のNTT回線と違い,ケーブル上に電圧がかからない(局給電がない)ことから,廉価なモデムを中心に,うまく動作しないものも多かった。

 中には,ケーブルに電池を組み合わせ,局給電の問題をクリアした製品も実在したが,やがてPHSのデータ通信規格であるαDATAやPIAFSが登場したことによって,みなし音声方式はほとんど利用されなくなった。

 なお,TDKやアイ・オー・データ機器など一部のモデムメーカーでは,純正オプション品としてセルラーケーブルを用意し,モデムの設定方法などの情報を提供している。

[江戸川,ITmedia]

関連リンク
▼ アイオーデータ機器 PCFM-OP43
▼ 若松通商 ケーブル(携帯,PHS)

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