モバイル音楽配信の明日はどっちだ?(2) ──現状と目標

とにもかくにもPHSによる音楽配信は始まった。状況は混迷を極めているものの,数年前には想像もできなかったことが技術的には実現され,一般消費者である私たちの手元にある。前回は主に製品の特徴と技術面の解説を行ったが,今回はビジネスとしての側面を,「1つの見方」において追ってみたい。

【国内記事】 2001年5月29日更新

 「どこでも音楽を買うことができる」を実際に試してみようとする。すると,一瞬のとまどいを感じることがある。

 たとえばPHSで実際に楽曲を買おうとする。配信される音楽ファイルの大きさは軽く3Mバイトはある。決して小さくはなく,64Kbpsであってもダウンロードに数分はかかる。当然通信料はかかるし,コンテンツ代金も払わなくてはならない。その数分間の待ち時間は,かかる費用の暗算をするのに十分だ。“夢のような音楽配信”にはほど遠いものである。

 いまのところ,まだ快適というには首をひねらざるを得ない現実は,懐かしくもそう古くない過去のことを思い出させる。

 ワイヤレス通信時代が到来する以前,そしてさらにインターネットが一般化する以前,自宅での加入電話をか細い通信回線として使用していたパソコン通信時代があった。あのころからコンテンツのダウンロードが存在していたことを考えれば,単に主戦場が新しい場所に移動しているだけのようにもみえる。

 だが,今回の状況はそれとは異なる部分もある。なにしろ来るべきIMT-2000,384Kbpsがワイヤレスで維持できる時代が近づいているのだ。

 あのころ行われていたことが,いわば牧歌的な「挑戦」であったことに比べ,現在の通信キャリアによるコンテンツ配信の開始は新しい時代への前哨戦とみるのが正しい。未来を夢見るのどかな実験サービスなどではなく,シビアなビジネスへの流れの一環なのである。

 ほんの一年,もしかすると数カ月先には今の6倍の速さでコンテンツが手元に来るようになる。いま不自然さを感じるサービスも,きわめて自然な使用感と共に私たちの手元に来ることになるのだ。

実際に使ってみる,あるいはその風評

 企業側がどんな思惑を持っていようと,そのサービスの成功を左右するのはエンドユーザーの評価である。現在行われているM-stage MusicやSound Marketの評価はどうなのであろうか?

 PHSを使った音楽配信は,まだ始まったばかりのサービスであり,定評はまだない。だが,業界内のあちこちから「これはいけるかも」という声が聞こえてきているのは事実だ。

 公式の発表としては,ダウンロード数や端末の出荷台数,ビジネス規模は発表されていないものの,M-stage musicの松下製端末が発売されて以来,コンテンツダウンロード数は,インターネット経由での配信数を凌いでいるという意見もある。

 実際,編集部で購入したM-stage musicのシャープ製端末をしばらく使用してみた。確かに待ち時間はかかるものの,ダウンロードして聞く楽曲のクオリティは非常に高い。端末のヘッドフォン端子から聞いたところ,このコンテンツがいまこの瞬間に配信されてきて購入したのだという事実が,気分を高揚させる。

次ページ「通信キャリアがコンテンツ配信を目指す理由」



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