モバイルライフを快適にしてくれる条件――音楽とケータイは仲がいいのか悪いのか(4)

ケータイと音楽を仲良くさせるポイントはここだ!

 MZ-E600はMDプレーヤーとしては頑張っているが,ユーザーの「携帯と音楽を両立したい」という要求への解決策としては,まだ物足りない点がある。やはり会話のためにヘッドホンを外す必要があるというのが大きな障害だ。

音楽を聴く
→着信に気づく
→会話に移る
→音楽再生に戻る

 という動作がスムーズに行えればいいわけだが,ではそのためにはどんな条件を満たしていればいいのだろうか。以下にテストを通じて感じたことを挙げてみよう。

1:ヘッドホンとイヤホンマイクが統一されていること

 まず再生と録音を担当する部分が一緒になっているのが大前提である。PicwalkSH712mのように音が止まるだけでは不十分だ(6月19日の記事参照)。外出している時にヘッドホンを外し,その置き場所や取り回しに苦労するのは大きなストレスになる。SE-HF03のようなイヤホンマイク兼用ヘッドホンはその意味では存在価値の高い商品といえる(6月5日の記事参照)。ただPDCでノイズを拾ってしまうのが残念だった。

2:操作する場所が統一されていること

 操作も同様だ。上記の一連の動作は,普通ならプレーヤー・携帯それぞれを操作する必要がある。これが1カ所で行えるようになっていれば,操作も素早く行えて電話を取り逃す可能性も減るし,操作の手間も減る。PicwalkSH712mもリモコンはないものの,操作する対象が1つに統一されているという点は評価できる。

3:音楽と携帯の音声をスムーズに切り替えられること

 音楽を聴くのも会話を聞き取るのも同じヘッドホンで行いたい。同じ端末に両者の機能が入っているにもかかわらず,その機能が実現されていないPicwalkSH712mは非常に残念だった。逆にC404Sが好印象だったのは1〜3をきちんと実現している点にある。

4:電池はキャパシティが十分あるか,別々に管理できること

 C404Sでちょっと気になったのが,オーディオを聞いているうちに減っていく電話の待ち受け時間が,心理的に負担になることだ。電池を10%程度残したところでオーディオ機能を使えなくする設計になっているのだが,一度電池切れを体験してしまうとナーバスになってしまう。今以上に電池の大容量化,低消費電力化に力を注いでもらいたいものだ。

5:コードの取り回しがよいこと

 今まであまり触れてこなかったが,どの端末にも共通している問題がコードの取り回し。特にSE-HF03とC404Sでは,似た機能を実現していてもコードの取り回しという点で使い勝手に大きく差がついていた。カバンの中に2つの製品を入れるとコードがぐちゃぐちゃになってしまう。両立型の製品に限った問題ではないが,からまりにくいシリコン製の太いコードか,できればカールコードなどを使った製品が普及することを望みたい。

 今までテストした製品の使い勝手をまとめると次のようになる。

  1 2 3 4 5
SE-HF03 × ×
SH712m × × ×
C404S ×
MZ-E600 × × ×


○:満足できる
△:やや不満,または機器の性格上しょうがない
×:機器の性格を考慮しても不満

一番高い基準でクリアしているのは,オーディオ一体型の携帯,C404Sだ。この4つの中で登場が一番早いというのがなんとも皮肉。ほかの製品にもユーザーの立場に立った設計を求めたい。

オーディオ側からのソリューション

 テストした中ではオーディオ一体型携帯が一番使い勝手が良いという結果が出たが,上の条件をよく考えてみると,形は必ずしも携帯にこだわる必要がないことが分かる。たとえばオーディオ側から上の条件を満たすために,こんな機能を付けてみるというのはどうだろうか。

Photo

 ポータブルオーディオに,イヤホンマイクの入力端子があって,ヘッドホン端子にスルーしてやろうというものだ。リモコンには着信/発信ボタンが付いている。つまりプレーヤーのリモコン機能と携帯のイヤホンマイク機能を1つにまとめてしまおうというものだ。

 こうすればほぼC404Sと同じ操作性を獲得でき,バッテリーは別々。プレーヤーがいらない日は荷物を軽くできる。MZ-E600と違って着信ボタンを押せば着信音を止められるし,入力端子への信号を見て呼び出し音を鳴らせばいいのだから,接続する端末はPHSでもcdmaOneでもOKだ。これをまとめてカバンの中につっこんでおけば,電話を気にせず音楽を聞くことができるはず。どこかのオーディオメーカーが作ってくれたりしないだろうか。

 ちなみに先ほどの表に当てはめると,

  1 2 3 4 5
私案 ×

 となるのだが,ちょっと持ち上げすぎだろうか。

最終的には「まぁいいか」が敵!?

 C404Sにせよ,私案にせよ,メーカーからすると「製品の値段が上がっても売れるのだろうか?」ということになってしまいそうだ。しかしここには必ず需要があるのだから,メーカーには中途半端な機能でユーザーを失望させないで「これだ!」という主張のある製品を作ってもらいたい。C404Sもヒット商品にはなっていないが,メモリースティックの値段などそのほかの環境が追いついてくればこの種の市場は必ず立ち上がると信じたい。

 また,ユーザー側,特に「昔はオーディオを持ち歩いていたけど今は携帯だけになっちゃって,それでもまぁいいや」と思っている人には,ぜひこの連載で上げた製品を触って,携帯と音楽が両立した製品が実現すればとても楽しい生活がやってくるということ感じとってほしい。

 多くのユーザーが「今のままじゃ不便だ!」と声をあげていかないと,メーカーもなかなか思い切った動きはとりにくいものだ。今はメーカーは様子見の段階で,製品もおそるおそる作ったようなものばかりである。これを打ち破るのは結局ユーザーからのフィードバック以外にない。

 携帯を気にせず音楽を楽しめるようになったら,またユーザーの生活は楽しいものになるはず。そしていずれ音楽配信サービスが実用的なものになってきた時には,1台で完結する理想のモバイルミュージックライフが到来するはずだ。

 携帯とポータブルオーディオを別々に持って電話を時々取り出す生活を一変させる製品が登場するか,それとも今の「様子見」的な機能だけでしぼんでしまうのかは,ユーザーが自分のわがままを声を大にして叫ぶかどうかにかかっている。

 アナタはワクワクしない? 音楽を楽しんでる最中に電話が鳴って,リモコンをピッと押すだけで会話ができるという生活。

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[清瀬栄介,ITmedia]

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