地方からの挑戦――ケイ・オプティコムの“3000円・使い放題データ通信”

関西のアステル系キャリアであるケイ・オプティコムは7月18日,Wireless Japan 2001で講演を行い,同社のPHSを利用した無線通信の定額サービスについて語った。

【国内記事】 2001年7月18日更新

 東京ビッグサイトで開催されているWireless Japan 2001において,関西におけるアステル系の通信事業者ケイ・オプティコムは7月18日,同社が近畿地方で行っているPHSによる無線データ通信の定額制サービスについて語った。

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ケイ・オプティコムの田邊忠夫社長

 ケイ・オプティコムは平成11年にアステル関西から営業をゆずり受け,通信事業を行っている。現在関西全域に約1万6000kメートルの光ファイバーを保有しており,今後2年間で約4万kメートルに延長を予定しているという。

 この光ファイバー網を利用して同社が今年6月より行っているのが,PHSによる無線データ通信を月額3000円で提供するサービス「eo64エア」だ。

 「『e』はeverybody,easy,enjoyなどを意味し,『o』はoptical fiber IP networkを意味する。誰もが簡単に,安く楽しめる光ファイバーのIPネットワークだ」(田邊社長)

ラストワンマイルだけPHS

 同社の通信サービスは自社光ファイバー網に対して,いわゆる「ラストワンマイル」だけPHSを利用するサービス。ローカル系ネットワークから電線を伝って配備されるアクセス系ネットワークに,それぞれPHSで接続する。

 申し込みの際には各家庭において電波強度を測定し,十分な電波状況にあると確認した上で契約してもらっているという。基本的に家庭で使用することを念頭においた,“配線不要のワイヤレスインターネットモデム”という扱いでサービスを提供しているようだ。

 サービス開始から昨日までの段階で,7300件の申し込みがあり,「よいで出だしだ」という。「基地局は6月時点で近畿に380局あったが,7月に900局追加し,現在1300局ある。今後毎月1000局から2000局追加していき,近畿で2万局に持っていきたい」(田邊社長)

なぜこんなに安いか?

 現在,PHSの無線通信の定額サービスといえば,DDIポケットによるAirH"のサービス(5月16日の記事参照)が思い浮かぶ。ただしこちらは25時間で5800円,つなぎ放題なら7000円となっている。ケイ・オプティコムの月額つなぎ放題3000円とは大きな開きがある。なぜこんなに安いのか?

 大きな理由に挙げられるのが,IP網を自前で利用している点だ。同社はユーザーのアクセスを,いったん基地局を通して集約装置に集める。そこで音声通話はNTT網に回し,NTT網に依存するかたちをとるが,データ通信についてはケイ・オプティコムの光IP網に送ってそこからインターネットにつなげる。つまり独自のIP網だけで完結するかたちをとっているのだ。

 これにより,当然NTTに対する回線使用料などが発生しない。同社が“独自の光ファイバを基盤としたフルIP網”と自慢するのもうなずけるところだろう。

おごれるひとも久しからず……

 同社はほかに2.4GHzの無線を用いるeoメガエアというサービスも実験を開始しており,秋からサービス状態に持っていきたいという。さらにFTTHやVDSL,家庭のコンセントを使用するような電力線搬送にも積極的に取り組む姿勢を見せる。

 「(eoメガエアと似たようなサービスである)スピードネットなどと異なるのは,全エリアで提供するのでなくスポット的に用いることだ。戸数が少ないマンションは,インターネットマンションにしてもビジネスとしてやっていけない。そんなときにeoメガエアを設置してインターネットを楽しんでいただく」(田邊社長)

 さらに総務省の発表した1MbpsのPHS(7月3日の記事参照)についても「対応していきたい」と述べた。

 同氏は講演の終わりに平家物語の一節を引用した。「祇園精舎の鐘の声,諸行無常の響きあり。……インターネットの世の中には,常に変化がある。その中で事業者として,常にユーザーの声を察するようにしていきたいと思う」と語った。

[杉浦正武,ITmedia]

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