犬と話せる時代が来る!?

動物と会話を目指す「ドリトルプロジェクト」の第1弾として,犬の感情が分かるモバイルグッズを開発したインデックス。製品開発のいきさつと今後について聞いた。

【国内記事】 2001年8月10日更新

 動物と会話をしたい! 犬をペットに持つ人なら一度はあこがれる夢だろう。その夢の実現に向かって進められている計画がある。タカラ,インデックス,日本音響研究所が進める,動物との会話の実現を目指す「ドリトルプロジェクト」だ。

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 インデックスは8月7日,「ドリトルプロジェクト」第1弾として犬の感情分析ができる「バウリンガル」を発表した(8月7日の記事参照)。同製品は小型マイクからひろった声紋を分析し,文章に変換して表示するというもの。犬の一定時間の鳴き声を蓄積し,データを分析して総合的に「ちょっと寂しいワン,もっと遊んでね」などと表示させることも可能だ。

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首のところにマイクを装着。なかなか似合っている

人間がワンと鳴くと……

 このバウリンガルについて,インデックス事業開発部の高橋順平企画開発部長に話を聞いた。聞けば開発のために全員が犬を飼ったという。開発の過程を聞いて見よう。

 「この企画は,日本音響研究所との提携で実現した。同研究所ではイルカの声の分析なども行っている」

 「はじめの開発対象を犬にしたのは,犬がよく咆えて音声をとりやすいため。今後鳥や猫の音声分析も視野にいれている。鳥の音声分析グッズならば,製品名はさしずめ“トリリンガル”だろう」

 ところでこの音声分析,本当にどの犬の音声も分析するのだろうか? たとえばエジプトあたりの犬の音声は理解できなかったりしないだろうか。また,地方によっては方言があり,秋田県は秋田弁で咆えるようなことも考えられなくはない。

 「声紋分析の権威,日本音響研究所の鈴木松美所長によるとその心配はない。地域によって咆えかたにそれほど差はなく,むしろあごの大きさ,かたちによって変わってくると理解している。バウリンガルでは,大型犬,中型犬,小型犬の3つのスイッチを用意しており,飼い犬に応じて切り替えてもらう」

 ちなみに人間が「ワン」と咆えた場合も,一応文章に変換されるとのこと。どこかで製品を見かけたら,あなたも一度咆えてみてはいかがだろう。

機能を強化! メールとロボット

 動物の鳴き声を文章で液晶画面に表示できるバウリンガル。今後の展開も魅力あるサービスが予定され,バウリンガルの発売に前後して「バウリンガルメール」の提供されるという。

 「一定期間の犬の鳴き声を蓄積し,ユーザーが設定した間隔で携帯電話,PC宛にメールを送信するようなシステム。たとえば“威嚇”のパラメータが多いときは,『変な人がいっぱいいるワン,さみしいから早く帰ってきてね』などの文章がメールで届く」

 さらにメール以外でもバウリンガルと連携するサービスがある。同社が現在開発を進めているのが,ペット連携型ロボット「DR-01」だ。

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 「このロボットは犬の鳴き声を蓄積して,音声で犬の感情を教えてくれる。たとえばユーザーが家に帰ると“オカエリ”と言いながら登場して“キョウハ タローガ ズイブン タノシソウダッタヨ”などと音声で教えてくれる」

ドリトルプロジェクトの果て無き未来

 「ドリトルプロジェクトは今後,人間の声を“動物語”に翻訳させるようなものも検討している。ワンワンワンなのか別の声かは全く不明だが,これにより双方向のコミュニケーションが可能になる」

 「意思の疎通のために飼い主なら言葉はいらないかもしれない。しかしこのプロジェクトには夢がある。玩具として,コミュニケーションを“楽しんで”ほしい」

 今後広がりを見せそうなバウリンガルとドリトルプロジェクト。現在,2002年2月に1万2800円で販売が予定されており,ネット上などでの反応は「8割が好意的」(インデックス)。既に海外のメディアからも取材の申し込みがあり,海外マーケットへの展開も考えているという。

[杉浦正武,ITmedia]

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