プリペイドGSM購入──旅先携帯日記:フランス編現地からのケータイ文化リポート3日目。今回はフランス旅行のときにはきっと役立つ「プリペイドケータイの買い方」について,実際の購入体験記を紹介します。凱旋門にも行ってきました。
旅先通信黎明期には……8月11日。到着翌日である。今日は午前中打ち合わせがあるが,その後は特に予定もない。午後はプリペイドGSMを今日こそ購入しなければならない。“自分はここまで携帯漬けになっているのか”と実感するほど,ケータイのない暮らしはまるでパンツをはいていないかのような不安感を感じる。もっとも,それをはかずに暮らしたことはないが。 その昔,「HP200LX」というモバイル創世記の名機を「パンツPC」と命名した人々がいた。彼らは世界中で「旅先通信」を行い,そのノウハウは「モデムセーバー」「巻取り君」などのモバイルグッズとなり,また,各種の海外での通信ノウハウ本となった。 それがいまや有線での通信は欧州といえど(当時は欧州は鬼門扱いされていた)ラクラクで一発接続が可能だ。「モバイル」は「ワイヤレス」とほぼ同義語である。そして「メール」という言葉は多くの場合,携帯電話というネットワーク端末のアプリケーションを指す言葉となった。時代は進んだのだ。 どこからみても観光客! シャンゼリゼ通りと凱旋門午後2時まで続いた打ち合わせの後,大切な人への絵葉書を送るために郵便局を経由してシャンゼリゼ通りに行くことにした。 かのナポレオンが,自らの戦勝を祝い凱旋するときのために作られた。だが,結局ナポレオン本人は一度もその門をくぐることなく死んだ……。というエピソードで有名な,かの凱旋門からつながる一大商業地域である。商店,飲食店にとっては「日本で言えば銀座にあたります」(打ち合わせ先の日本人による解説。なお,ナポレオン云々の薀蓄も,当然筆者のものではない)とのこと。 話によると,フランスでは商店の開店はほぼ昼頃。そのわりに夕方には閉まってしまう。だがシャンゼリゼ通りは場所柄もあり,観光客も多いためか夜10時ごろまで営業している店が多いとのこと。ゆっくり買い物したかったので,まずは,とそちらに赴いた。何はともあれ今度こそGSM電話を買うのだ。パスポートも,ホテルの住所も用意してある。「どっからでもかかってこい」状態で,内心のびくつきをおさえつつ地下鉄で移動。なにせ,筆者は日本ですら「銀座」などには縁のない人間である。
道端でメールを打つ女性は? 歩きながら話す会社員は?ぐるぐる周りを観光客らしく見回す。だが,探しているのは名所でもなんでもない。携帯電話で話す人々である。ショートメッセージ(この地ではSMSと呼ぶ機能)を打つ10代女性の姿である。Iモードはないものの,EZwebと同じくWAPを使用するコンテンツサービスを受けようとする人々の姿である。どこか,いないか,どこかに? いるはずなのだ。ここはヨーロッパである(フランス,ではあるがそれでも地域の大国の1つのはずだ)。が……見かけない。もちろん持っている人はいる。話している人も全く見ないわけではない。だが,日本の比ではなく少ない。 ここが銀座のド真中だとすれば,これでは日本のケータイ黎明期,アナログ携帯の時代なみだ。だが,あまり周りをぐるぐる見ているのもみっともない。とりあえず「観光客が多いせいだ。GSM圏以外の地域から来ている人が多いせいだ」と理由をつけ,いざ,と自分用のケータイ購入に向かった。 こちらでのケータイ風俗をレポートすることも今回の取材の一環のつもりであったが,これでは取材にならないかもしれない,と一抹の不安を感じつつ……。 いざ! フランスのケータイショップへ!シャンゼリゼ通りは,凱旋門を終点にして数百メートル以上伸びる大通りの両脇にびっしりと商店・飲食店が並んでいる。筆者でも知るブランド名を冠したビルや,なぜかANA,タイ航空などのアジア系航空会社のオフィスらしきビルも立ち並ぶ。 その中の1つに,日本でもおなじみのCDショップ「ヴァージンメガストア」があり,当初別の目的で入った同店のなかで首尾よくケータイショップを見つけることができた。「phone store」という店自体は,日本のケータイショップとさほど変わらない。たくさん並ぶケータイのモックアップに,まずは落ち着きを取り戻した。
……と,ここまで書いたところずいぶん長くなってしまった。時間は少々前後するが,明日は実際のプリペイドGSM購入記,店員さんに聞いたフランス携帯事情と,今回発覚した驚愕の事実についてレポートする。 [奥島 大,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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