FOMAでパケット料金は安くなったのか?

これまで一律だったiモードのパケット料金に,さまざまなプランが用意されたのもFOMAの特徴。これらのデータ通信プランをどう考えたらいいのだろうか。

【国内記事】 2001年9月5日更新

 NTTドコモの第3世代携帯電話サービス「FOMA」の料金体系が発表された(9月3日の記事参照)。前回の通話料に引き続き(9月4日の記事参照),今回はデータ通信の料金について見てみよう。

 まずFOMAで利用できるデータ通信サービスは2種類ある。1つは「64Kデータ通信モード」,もう1つは「パケット通信モード」と呼ばれるものだ。

通信モード 上り速度 下り速度 方式 課金方式
64Kデータ通信モード 64Kbps 64Kbps 回線交換 時間課金
パケット通信モード 最大64Kbps 最大384Kbps パケット通信 データ量課金

iモードに比べれば安くなったパケット通信

 問題は“最大384Kbps”というFOMAの最大のウリであるパケット通信の料金をどう考えるかだ。FOMAでは3種類のパケットパックが用意され,各々で通信料が異なる。定額料はそのまま無料通信分に充当されるので,ユーザーが“これだけは使います”という保証のようなものだ。

パケットパック 定額料 通信料
(1パケット当たり)
パケットパック20 2000円 0.1円
パケットパック40 4000円 0.05円
パケットパック80 8000円 0.02円
パケットパックなし 0.2円
(参考)FOMA試験サービス 0.05円
(参考)現行iモード 0.3円

 単純に考えれば,FOMAでは現行のiモードの通信料金の0.3円/パケットからパケットパックなしでも33%引きの料金になった。iモード自体の契約料金も現行の300円から100円になるので,かなりお得だ。現在のiモードと同様に利用する限り,3分の2の料金で済むことになる。

 ただしPCやPDAと接続して,高速インターネットアクセスを楽しむ場合は問題だ。1パケットは128バイトなので,速度384Kbpsでファイルをダウンロードなどした場合,1秒間で384パケットがダウンロードされる。つまり1秒で77円課金される計算になる。このペースで1分間も大きなデータをやり取りした場合,4600円もかかってしまう。

 もちろんそのために各種パケットパックがあるわけだが,パケット通信料が最も安くなる「パケットパック80」を利用した場合でも1分間で460円だ。注意して利用する必要があるだろう。

パケットパックの考え方

 基本プラン自体はシンプルになったものの(9月3日の記事参照),総合利用プランが5種類ある上に,パケットパックも用意され,普通の“iモードも使うけど,メインの使い方は通話”というユーザーはどう組み合わせればいいのだろうか?

 着目点の1つは,パケットパックの定額料は通常の無料通信分として利用できることだ。つまり「パケットパック20」を申し込めば,単純に無料通信分が増えた上,パケット料金が安くなる……とも考えられる。

 例えば,総合利用プランとパケットパックの組み合わせをいくつか見てみよう。

7000円前後の組み合わせ

プラン 月額料金 無料通信分合計 通話料金 パケット料金
FOMAプラン39+パケットパック40 7900円 4700円 15.5円 0.05円
FOMAプラン49+パケットパック20 6900円 4000円 14円 0.1円
FOMAプラン67+パケットパックなし 6700円 4000円 13円 0.2円

1万円前後の組み合わせ

プラン 月額料金 無料通信分合計 通話料金 パケット料金
FOMAプラン39+パケットパック80 1万1900円 8700円 15.5円 0.02円
FOMAプラン49+パケットパック40 8900円 6000円 14円 0.05円
FOMAプラン67+パケットパック20 8700円 6000円 13円 0.1円
FOMAプラン100+パケットパックなし 1万円 7300円 12円 0.2円

*通話料金:標準タイムで営業区域内の一般電話にかけた場合の30秒あたりの料金

 組み合わせ方によっては,月額料金も無料通話分もそれほど変わらないことが分かる。

 各種の総合利用プランにおいて,基本使用料から無料通信分を引いた額はそれぞれ3000円程度だから(9月4日の記事参照),高いプランは“たくさん通話するのを保証するなら,通話料金を下げる”と言っているのに近い。パケットパックも“たくさんデータ通信を使うのを保証するなら,パケット料金を下げる”ということだから,両者の意図はほとんど同じだ。

 つまり,“通話料金を下げたい”場合は総合利用プランを1段上のものに上げ,“パケット料金を下げたい”場合はパケットパックをつければいいわけだ。

 ただし,プランを変更しても通話料金の変化は少ないが,パケット料金は実に10倍も変わる。そのためパケット通信の多寡が,プラン選びに大きく影響する。

 従来は“iモードの料金がかさむため,無料通信分の多い上位のプランに変更する”ということがしばしばあった。FOMAではパケットと通話のどちらを多く使うかでプランの組み合わせを選択できる。

 FOMAの料金体系はシンプルに見えて,パケット通信も併せて考えると非常に複雑だ。

64Kデータ通信モードは,通話の1.8倍

 64Kデータ通信モードは,PCなどにFOMAを接続してインターネットアクセスしたり,ビジュアル電話などに利用される。回線交換方式のため帯域は占有されており,安定した速度が出るのが特徴だ。

 料金は「通話の1.8倍」という説明の通り,実際ほぼ1.8倍に収まっている。ただし64Kbpsという速度は現行のPHSと同等であり,料金ははるかにPHSのほうが安い。ドコモは「ネットワークの負担割合も考慮して1.8倍という水準にした」(NTTドコモのネットワーク本部長,津田志郎常務取締役)と説明するが,回線の利用効率がどうであるかはエンドユーザーには関係ない。この料金と速度ならばPHSのほうがリーズナブルだ。

 敢えて価値を見出すなら,パケット通信と回線交換型データ通信の両方が1つの端末でできることや,テレビ電話が使えるといったところだろうか。

[九条誠二,ITmedia]

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