急成長する携帯電話のゲームコンテンツ

携帯電話のコンテンツは今後どうシフトしていくのだろうか? タイトーでは,急成長していくゲーム分野に目を付けている。

【国内記事】 2001年9月26日更新

 都内ホテルで開催されたオープンウェーブ主催の技術セミナー「unwireduniverse」で9月26日,タイトーのEW事業本部,三部幸治本部長が携帯電話のコンテンツ展開について講演を行った。

 現在,携帯電話のコンテンツ事業において同社が収益の柱としているのは,従来からの「着信メロディのダウンロードサイト」だ。

 「会員数を100万人として,料金を1人300円にすれば,それで月間の売り上げが3億円になる。1年間で36億円。着メロをやっている企業は10社から11社あるから,着メロだけで360億円規模の市場があるわけだ。携帯電話のコンテンツ市場はだいたい600億ぐらいの規模といわれているが,そのうち6割を占めている」(三部本部長)という。なお同氏によれば,現在タイトーの着メロサイト「EZmelody」の会員数は90万人。

 しかしタイトーでは最近,急激に売り上げを伸ばしているコンテンツの分野がある。そのコンテンツは,売り上げ高にして実に前年比20倍を誇るというのだ。

「ゲーム系」は急成長

 その分野とは“ゲーム系”。各キャリアがJava搭載機を発売したのに伴い,ゲーム需要が増大したという。タイトーでは前年と比べて,タイトル数で11.5倍。売上高では19.5倍だと三部本部長は説明する。タイトーでは携帯電話コンテンツの収益の約半分を着メロに頼っているが,既にゲーム系コンテンツも全体の15〜20%に達する勢いだという。

 これと連動して,ゲームコンテンツの加入者比率にも変化が見られる。かつてはゲームといえば10代,20代のユーザーが圧倒的に多かったのが,ここへきて30代ユーザーが増加しているのだという。「一時は8%しかなかった30代ユーザーも,いまや全体の23%になった」(三部本部長)。以前流行した名作ゲームが携帯電話に移植されるなどしたため,ゲームに親しみ深いユーザー層の利用が増えたのではないかタイトーでは分析している。

 ちなみにゲームコンテンツは,1週間を通してアクセス数にばらつきが少ないのも特徴の1つ。カラオケアプリなど,同社のほかのコンテンツが主に週末に利用される中で,ゲームコンテンツは「すきま時間」に入り込み,日々のアクセスを稼いでいるという。

今後のコンテンツビジネスに自信を見せるタイトー

 こうしたJavaアプリケーションによるゲームコンテンツの好調を受けて,タイトーはさらなる企画を繰り出す。その中にはプレイステーション2と携帯電話を連動させたゲーム「うちゅーじんってなぁに?」や,AGI社の感性認識技術を応用し,携帯電話を相手にしゃべってゲームを進める「EZバーチャルトーク」(8月23日の記事参照)など,新しい方向性を持つものも少なくない。

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うちゅーじんってなぁに?では携帯電話からうちゅーじんをダウンロードする

 もちろん従来からの着信メロディの技術を利用して,FOMA&M-stage visual向けに配信される動画カラオケサービス「Mカラスター246」などの提供も行う。タイトーは既に着メロサービスで海外進出を進めており(9月18日の記事参照),着メロサービスが同社の重要な事業であることに変わりはない。

 「確かにITバブルは一度崩壊したが,それはエンドユーザーが見えずに株価だけが一人歩きした時代の話。今,携帯電話のコンテンツビジネスはエンドユーザーがしっかり見える。次の文化を創っていくこの業界の中で,我々もその一角を担う」と,三部本部長は最後に力強く語った。

[杉浦正武,ITmedia]

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