写真で見る! NECの新Pocket PC「PocketGear」インプレッション

謎のスロット発見、これは一体何に使うのか?

 実際に本体を見ているうちに,1つ本体に気になる部分を発見した。それがこの写真の部分である。

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 このスロットのカバーは同社の説明によると,特殊な機材を利用しないとはずれないらしいのだが,きちんと1つのポートとして用意されているようだ。NEC側の回答は「ご想像におまかせします」ということだったが,企業導入用にカスタマイズされたデバイスを用意する場合に,通信機能を内蔵したりBluetoothや無線LAN機能などを入れるのではないかと筆者は予測している。

便利なランチャーでバッテリーやメモリの残量をチェック

 「PocketGear」を起動するとまず目に入るのがNECが独自で搭載したランチャー画面である。

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 このランチャーは「PGメニュー」と呼ばれるカテゴリ分類が可能な切り替えタイプのもの。下のほうにあるプルダウンメニューでカテゴリをチェンジすることが可能だ。

 このランチャーにはバッテリー残量やメモリ残量,メールのチェック内容などの情報がひと目で分かるように工夫されている。いままでのPocket PCユーザーが,いくつかのフリーウェアなどを組み合わせて利用してきたような機能があらかじめ搭載されている。

通信機能を最大限に活用,いつでもメール,大きな画面でiモードを

 この「PocketGear」の最大の特徴は,インターネットに接続して利用することを意識したマシンであるということだ。

 まずCFカードスロットが本体に搭載されているので,CFカード型通信カードやLANカードなどを利用できる。そして「ホストインタフェース」と呼ばれる携帯電話・PHSを接続するためのポートが本体に用意されている。対応するケーブルは同社からオプションで発売される予定だ。

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 CFカード型通信カードを利用しているユーザーにとって便利なのが「Wake on Ring」と呼ばれる機能である。これは同社がOEMで製造しているNTTドコモの「シグマリオンII」に搭載されている機能によく似ている。

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 このソフトは起動すると常駐して,通信カードが圏内にあるときには自動的にメールサーバからメールを送受信できる。例えば地下鉄や屋内でメールを書き溜め,圏内に入った瞬間に自動的に送信を行うことができたりするのだ。

 さらにインターネットを楽しむ機能として「iモード」用の勝手サイトを閲覧できる「iディスプレイ」というブラウザが搭載された。

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 このブラウザで利用できるのはiモードの「勝手サイト」と呼ばれる,NTTドコモの公式サイト以外のページになる。しかし膨大なiモードコンテンツを,携帯よりも大きな画面サイズで閲覧でき,なおかつ便利なデータベースとして利用できるのは大きなメリットだ。

最新の「Pocket PC 2002」を搭載! そのほかの気になる部分は?

 「PocketGear」に搭載されるOSは,やはり本日発表になった新OS「Pocket PC 2002」となっている。

 この「Pocket PC 2002」は,まずインタフェースが大きく異なっている。今までのどちらかといえばそっけなかった従来の画面と違い,非常にグラフィカルだ。

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 最も気になるのが「MSNメッセンジャー」の搭載である。これはPCで利用できるMSNのメッセンジャーサービスソフトと,ほぼ同等の機能をモバイル環境で利用できるソフトだ。

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 たとえば外出先から同じメッセンジャーを起動している人に連絡を至急とりたい場合に,チャットでメッセージのやりとりを行うことが可能。相手がPCの前に在席しているのかを確認することもできる。

 例えばAirH"のような常時接続カードを利用している場合に,MSNメッセンジャーを起動しておけば,モバイル中であってもすぐにMSNメッセンジャーを利用しているユーザー同士で連絡を取れる。

価格次第ではイチオシのデバイスに、アプリケーションの対応がポイントか?

 写真を中心に見てきた「PocketGear」だが,NECは5万円台後半という価格を目指しているという。本体のデザイン,拡張性,独自機能を含めて魅力的なデバイスなのだが,気になる点もある。

 この「PocketGear」に搭載される「Pocket PC 2002」については,現状公開されている多くのPocket PC用のアプリケーション側のOSへの対応や動作確認がまだ行われていない。つまり本体を購入してもカスタマイズするために利用できるアプリケーションが当面少なくなる可能性があるわけだ。

 しかしデュアルスロットを搭載し,Javaが採用されるなど,多くの新機能が用意されており,基本的なPIM機能やPocketWord, PocketExcel,インターネットが利用できればいいというユーザーにとっては当面これだけでも充分だろう。

 実際に市場に出たときの価格と入手のしやすさ,各アプリケーションのPocket PC 2002への対応がこのデバイスの人気を左右する鍵となりそうだ。

 「PocketGear」には,さらに実機で検証したい部分がたくさんある。期待できる機能を数多く盛り込んだデバイスなので,実機が手に入り次第徹底レポートをお伝えする予定だ。

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[小田嶋絵里,ITmedia]

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