世界の通信キャリア,共通項目はWAP2.0

携帯電話の規格が混沌とするなか,Webコンテンツ環境に関してはWAP2.0に統一されそうだ。WAP2.0のWebブラウザの提供を予定しているACCESSは,WAP2.0がもたらす大きな市場に意欲を見せる。

【国内記事】 2001年10月9日更新

 第3世代携帯電話の通信方式が,W-CDMAやCDMA2000,さらにはEDGE(用語)まで話題に挙がるなど混沌とした状況が続く中,Webコンテンツ環境に関してはWAP2.0に統一されそうだ。

 10月9日,都内のホテルでACCESS主催の「ACCESS DAY In Autumn」が開催され,ACCESSフィールドテクニカルセンターの山田淳一氏が次世代携帯電話の動向に関して講演した。

 山田氏はとして世界各地域の加入者数の推移と今後についてのGartner Dataquest,総務省の予測を紹介した。

地域 2000年実績 2005年予測
日本 5000万 1億
欧州 1億3500万 1億8500万
アジア 8000万 1億8000万
北米 7500万 1億4000万

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日本市場の実績(2000年まで)と予測

 今後大きな伸びが期待できるのはやはりアジア市場だ。「GPRSが主流になってきた」(山田氏)。逆に欧州では「やっとGPRSの最新機種が揃ってきた」(山田氏)ところ。将来的にはW-CDMAへ向かう予定だが,英Vodafone,独Mannesmann,伊OmnitelなどVodafoneグループの動向が注目される。北米では「Qualcommのお膝元ということもあり,CDMA2000のほうがやや有利か」と山田氏は予測する。

 地域によって状況の異なる中,共通しているのは“WAP2.0は必須”ということだ。

ACCESSの語る,WAP2.0の捉え方

 山田氏は「マークアップ言語の統一」「専用プロトコルからインターネット標準へ」という2つの切り口でWAP2.0を捉える。

 Webサイトを作る際の記述言語は,国内だけを見てもiモードのcHTML,EZwebのHDML,J-skyのMMLとばらばらの状態。これがWAP2.0ではXHTML Basicに統一される方向にある。

 これまでマークアップ言語には3つの流れがあったと山田氏は語る。HTMLベース,カード&デッキベース,XMLベースの3種類だ。携帯機器向けにそれぞれの言語の利点を取り入れたのが,XHTML Basic 1.0になる。ACCESSもW3Cのエディターとして規格策定に参加している。

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 WAP2.0で変わるもう1つのものが,プロトコルだ。これまで「各キャリアによってプロトコルスタックはまちまちだった」(山田氏)。しかしこれでは「インフラ整備や拡張に関して別々のサーバを立てなくてはいけない」(山田氏)ため,多大のコストがかかる。

 WAP2.0では「既存のインターネットのインフラを利用できる」(山田氏)のが大きなメリットだ。

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従来iモード以外には珍しかったTCP/IP,HTTPといったインターネット標準を利用するのがWAP2.0のプロトコルスタックだ

 ACCESSでは,WAP2.0をサポートした「NetFront v3.0 Wireless Profile」を発表し,大きく広がるマーケットで飛躍を目指す。NetFront v3.0 Wireless Profileは来年の第1四半期にEarly Access版がリリースされる予定だ。

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NetFront v3.0 Wireless Profileは,HTML4.01のI-Frameなどもサポートし,このようなWebページの表示が可能になる

[斎藤健二,ITmedia]

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