必要なのはエージェントサービス──カーナビ向けコンテンツの将来

次世代のカーナビはネットワークにつながることで,さまざまなコンテンツを利用できるようになる。カーナビ利用者が求めるコンテンツとはどんなものなのだろう?

【国内記事】 2001年10月31日更新

 マイクロソフトは10月31日,幕張のホテルで「Windows CE for Automotive Conference 2001」を開催,次世代カーナビゲーションシステムおよび車載情報向けシステム向けに最適化されたOS,「Microsoft Windows CE for Automotive v.3.5」を発表した (こちらの記事参照) 。

 同カンファレンスでは,ゲストスピーカーとして三井物産ITマーケティング事業部の松本直樹氏が登壇,次世代カーナビ向けコンテンツサービスの将来について語った。同社では,1986年からナビシステムの研究会を立ち上げ,コンテンツ配信のあり方について分析してきたという。

 Windows CE for Automotive 3.5の大きな特徴は,カスタマイズ可能なGUI,ハンズフリー操作を可能にする音声認識機能の強化,Mobile Explorer新バージョンの搭載など。これにより,車中での音声コマンドによるWebの閲覧,メールの確認,カーステレオの操作などが実現する。

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Windows CE for Automotive v.3.5を組み込んだカーナビのデモ画面。音声コマンドでメールやWebにアクセスできる

 松本氏は,これらの機能を使ってどんな市場が立ち上がるのか,ネットワーク化されたテレマティクス時代に,どんなコンテンツがユーザーに望まれるのかを分析する。

 「現状では,レストランガイドや駐車場情報,渋滞案内などのリアルタイムコンテンツと地図配信サービスがカーナビで主に利用されている。車がネットワークにつながったとき,このほかにキラーコンテンツとなり得るものをコンテンツベンダーは考えなければならない。コンテンツを考える上で重要なのは,ユーザーが目的を決定するための何かをカーナビが提供することだ」 (松本氏)

 「ユーザーはレストランや駐車場を探すためではなく,確認するために携帯電話の地図を使う。目的の決定は携帯電話とは別のところで行っている」と分析。カーナビにWebブラウザが載り,メールができるようになると,速い速度で飛び交う情報の中で速く移動したいとユーザーは思うようになるだろうと予想する。

 「情報が多元的になると,意志決定の助けが必要になってくる。そこで重要なのが,エージェントサービス。統一プラットフォームで,コンテンツ,地図配信,エージェントサービスを統合して提供できれば応用範囲はさらに広がるうえ,異業種の参入も考えられる。サービスをどのように立ち上げ,ユーザーに意識させずに使ってもらえるかが課題となる」 (松本氏)

 同社では,エージェントサービス事業が立ち上がってきたときにサポートできる体制でいたいとし,エージェントサービスをうまく機能させる製品が多く出てくることを期待しているという。

[後藤祥子,ITmedia]

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