News 2000年8月11日 07:23 PM 更新

auがメモリースティック搭載携帯電話を12月投入へ

 7〜8月の携帯電話加入者が純減に転落したau陣営。「PDC加入者の流出が止まらず,じり貧の状況」(関係者)と見る向きも少なくないが,ただ指をくわえて黙っているわけではない。

 ZDNNが有力な関係筋から入手した情報によると,12月にはauブランドからメモリースティックスロットを搭載した音楽再生機能付の携帯電話が出荷されるという。メモリースティックのライセンスを持つ携帯電話メーカーは数社あるが,どうやら製造はソニーになるもようだ。

 ソニーは,メモリースティックウォークマン発表時に「携帯電話ならいつも持ち歩く。これで音楽が再生できれば便利だ」(安藤国威社長)と携帯電話型プレーヤーの開発を示唆している。ただ,これまでソニーがメモリースティックの採用について明らかにしているのは,NTTドコモの音楽配信サービス「MMD」に対応したPHSや(1999年9月30日の記事参照),次世代携帯電話だけで,現行のPDC/cdmaOne方式の携帯電話での計画は持ち上がっていない。

 この件についてソニー広報に問い合わせたところ,「2000年度中にメモリースティックを搭載した携帯電話を投入する予定だが,auかどうかは分からない」という回答を得た。NTTドコモの次世代携帯電話サービス「W-CDMA」が,2001年5月末開始予定であるため,必然的に現行システムでの採用ということになる。そして,現行の携帯電話で音楽配信を行うとなると,9600bpsと低速なPDC方式は現実的ではなく,唯一64Kbpsのデータ通信が可能なcdmaOne方式が有力な候補となるはずだ。

 メモリースティックを搭載した携帯電話は,au陣営の大きな武器となるだろう。ただ,年末に向けて,MMDに対応したSDカード搭載のPHSが登場するほか(5月23日の記事参照),DDIポケットやアステルも高速データ通信を活かしたマルチメディアサービスの導入を検討しており,「(音楽配信サービスで)auだけが大きく加入者を伸ばすとは考えにくい」(関係筋)というのが妥当な見方のようだ。

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[中村琢磨, ITmedia]

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