News 2000年9月29日 10:34 PM 更新

DDIポケット,PHS端末向けの音楽配信サービスを発表

 DDIポケットは9月29日,feel H"端末向けの音楽配信サービス「Sound Market」を11月30日より開始すると発表した。音楽コンテンツにくわえ,落語や漫才などの娯楽コンテンツ,ならびに英会話講座といった教育コンテンツなど,音声コンテンツを提供する。また,三洋電機は同日,Sound Market対応端末として,音楽ダウンロード・再生機能を備えた「feel H" RZ-J91 Leje」(11月30日発売予定)を発表している(別記事参照)。

 Sound Marketでは,三洋,日立製作所,富士通,ならびに日本コロムビアが開発した移動体通信端末向けの音楽配信システム「ケータイ de ミュージック」を採用(詳細は1999年12月9日の記事参照)。音声データはMP3形式で配信され,記録メディアには,マルチメディアカード(MMC )と同形状で上位互換性を持つセキュア・マルチメディアカード(SMMC)を使用する。ただ,ケータイ de ミュージックは移動体通信に特化した配信システムのため,feel H"端末にダウンロードした楽曲を,現行のMMC対応プレーヤーやPCで再生することはできないという。

 またケータイ de ミュージックでは,コンテンツ保護技術に「UDAC-MB」(Universal Distribution with Access Control-Media Base)というシステムを採用している。同システムは,暗号化されたデータと再生に必要な解読キーを個別に発行できるのが特徴で,対応端末同士なら暗号化されたデータをやりとりすることが可能だ(再生には別途解読キーを購入する)。また,Sound Marketではこの機能を応用し,購入した楽曲の再生キーを第3者に日時を指定して送信できる「プレゼントサービス」(コンテンツ料金は購入者が,ダウンロード料金は受信者が負担)を提供する。

 そのほか,Sound Marketでは,音声回線による約45秒の試聴サービスや,位置情報を利用して近くのCDショップを検索するサービス,ならびに試聴/ダウンロードした楽曲のCDパッケージを端末から注文できるサービスなどが用意される。

レコード会社5社が参加予定

 現在,Sound Marketにコンテンツプロバイダーとして参加が予定されているのは,トイズファクトリー,日本コロムビア,バップ,フォーライフレコード,ポニーキャニオン,第一興商など。楽曲の料金やサービスの詳細については未定だが,「現在,ネット配信の標準となりつつある1曲350円を参考にする」(DDIポケット)としている。なお,コンテンツのダウンロード料金は,全国一律で時間帯に関係なく13円/分とする。

 例えば,5分の楽曲をダウンロードした場合,Sound Marketで予定している128Kbpsのサンプリングレートで約10分かかる。この場合,1曲ダウンロードするのにかかる総コストは,楽曲を350円と想定すると,130円+350円で480円となる。なお,コンテンツ料金の徴収は,PHSの通話/通信料金とともにDDIポケットが担当。課金はダウンロードが完了した時点で行われるため,途中で接続が中断した場合は料金は発生しない(当然,通信料はかかる)。

 一方,NTTドコモは,PHS端末を利用した音楽配信サービス「MMD」(Mobile Media Distribution Service)の実証実験を行っており,年末には対応端末が発売される見込みだ。音楽再生機能付きの携帯電話とは異なり,端末自体でダウンロードから決済,再生までを処理できるPHSの音楽配信サービスが,この年末は注目を集めそうだ。

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[中村琢磨, ITmedia]

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