News 2000年10月2日 06:56 PM 更新

オムロンとバンダイネットワークス,Java対応携帯電話でP2Pサービス

オムロンが開発したJavaベースのミドルウェア「Jumon」を使い,携帯電話でP2P(ピア・ツー・ピア)のサービスを実現する。

 オムロン,オムロンソフトウェア,ならびにバンダイネットワークスの3社は10月2日, Javaベースのミドルウェア「Jumon」(じゅもん)を活用した事業を共同展開すると発表した。Jumonは,米Sun Microsystemsが提唱する「Jini」に似た機能を提供するものだ。

 Jumonは,オムロンが開発したエージェント技術。「Java 2 Standard Edition(SE)」上で動作する「Jumon/Jumon-Turbo」,ならびに組み込み機器向けのバーチャルマシン「Java 2 Micro Edition」上で動作する「Jumon-Mini」という3つのバージョンがある。3社はまず,Jumon-Miniを利用して,携帯電話向けのエージェント型エンターテイメントコンテンツを共同で開発,2001年半ばをめどに提供するとしている。

 Jumon-Miniの特徴は,端末間でリモートメソッドを呼び出したり,リモートオブジェクトを動的に生成できる点。例えば,あるユーザーがゲームアプレットをサーバからダウンロードして,ネットワーク上にいるほかのJumonエージェントを呼びだし,その相手の端末にゲームのコピーを作成することができる。対戦ゲームを行う場合,最初にアプレットをダウンロードしたユーザーの携帯電話が「親」として認識され,サーバを介さずに端末間でゲームをプレイすることが可能だという。またJumonはセキュリティ機能として,アクセスコントロール機能をサポートし,ノード/オブジェクト単位でアクセス制限をかけすることが可能だ。

 「携帯電話を分散オブジェクトシステムの一部として機能させるJumonは,携帯電話でP2Pサービスを実現するもの。対戦ゲームだけでなく,チャットなど各種サービスを提供する計画だ」(オムロンソフトウェアNAプロジェクトマネジャーの松下秀人氏)

キャリアを超えて

 携帯電話のJava対応については,まず,NTTドコモが今年末に「503i」シリーズを出荷する計画で,J-フォンやauも2001年上半期にはJava端末を投入する見込みだ。NTTドコモはJava端末の開発に際してSunと提携し,J-フォンはアプリックスの「JBlend」を採用する予定。キャリアごとにJavaの実行環境が異なるが,松下氏は,「Jumon-Miniを実装した携帯電話同士であれば,Javaの実行環境にかかわらず,同じコンテンツを利用することができる」としている。

 なおオムロンによれば,Jumon-Miniの搭載について「既に,複数のキャリアや端末メーカーと話を進めている」という。また,3社は今後,携帯電話向けのアプリケーションだけでなく,PDAやセットトップボックスなどの情報家電向けにJumonを普及させていく方針だ。

 なおオムロンは,10月3日より千葉・幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN」にJumonブースを設置し(ブース番号:3B27),デモ機器による実演を行うとしている。

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[中村琢磨, ITmedia]

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