News:CEATEC Photoレポート 2000年10月5日 11:59 PM 更新

CEATEC Photoレポート:Bluetooth関連

CEATECでは,「Bluetooth」関連の展示に注目が集まった。製品に近いものは既に多く取り上げているため,今回はモジュールを中心に紹介する。

 今年のCEATECでは,短距離無線技術「Bluetooth」関連の展示に注目が集まっている。イベントホールのITコミュニケーションプラザ内で行われているBluetooth関連の講演会は毎回黒山の人だかり。東芝やIBMといったPCメーカー各社は接続デモを行い,携帯電話キャリアは「Bluetoothアダプタ」を相次いで出展した。これを,まずオプションという形で,年度内にも提供する方針だ(10月3日の記事を参照)。

モジュール小型化競争が激化

 CEATEC,あるいはその前身となったエレクトロニクスショーと言えば,翌年の製品動向を知る上で重要な情報を与えてくれる展示会だ。それは,一般消費者が手にする製品レベルだけではなく,デバイスレベルにも言えること。デバイスの供給状況が,製品化の時期や価格を左右することは多い。

 電子部品ゾーンでは,そのBluetoothモジュールがどこまで小さくなっているかを知ることができる。アルプス電気,ミツミ電機,太陽誘電などが高密度に実装されたBluetooth 1.0b対応のモジュールを出展。そのサイズを競った。

 アルプス電気のモジュールは,32(幅)×15(奥行き)×2.9ミリ(厚さ)。アンテナやフラッシュメモリも内蔵している。送信パワーは,Class1(20dBm)〜Class3(0dBm)に対応。年末には量産を開始する予定で,既にサンプル出荷を開始しているという。価格は「30ドルくらいになる」(同社)。

 ミツミの「WML-C05」は,23(幅)×15(奥行き)×2ミリ(厚さ)。SMDタイプで機器の表面実装も可能だ。こちらはClass2(4dBm)のみの対応で,Class1製品は開発中とのこと。RF/ベースバンド部を1チップ化した点が特徴で,「来年にはFlash ROMも内蔵する予定」だという。量産開始は2001年の2〜3月。既に,携帯電話メーカーやPCベンダーにサンプルを提供している。

 太陽誘電はフラッシュメモリやアンテナの有無でいくつかのモジュールを出展した。メモリ内蔵でアンテナが外部となる製品で,約32(幅)×20(奥行き)×2.2(厚さ)ミリというサイズだ。こちらはClass1まで対応する。開発中のため,そのほかの情報は「Webを参照して欲しい」とのこと。

IEEE 802.11bと干渉する?

 ソニー・テクトロニクスブースでは,同社のワイヤレス・コミュニケーション・アナライザのデモを行っていた。これは,IEEE 802.11bや電子レンジなど,Bluetoothと同じ周波数帯を使うものが近くにあったとき,干渉が生じるというもの。問題点を突き止めるために,同社のアナライザが役に立つというわけだ。

 デモによると,Bluetooth製品がIEEE 802.11bのネットワーク内に入ると,転送レートが約2割低下。電子レンジの場合はさらに遅くなった。「Bluetoothは79チャンネルのなかでリトライするため,途絶することはない。しかし,ベースバンド同士ならよいが,RFではダメというようなケースがある」(同社)。

関連記事
▼ Bluetoothは実装も一苦労
▼ CEATEC JAPAN 2000特集

[芹澤隆徳, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.