News 2000年10月11日 08:41 PM 更新

NEC,初期導入ソフトをカスタマイズ可能な「MobileGear II」新製品

NECは,ハーフVGA画面のMobileGear IIにマイクロソフトの最新OS「Handheld PC2000」を搭載した。

 NECは10月11日,昨日発表されたマイクロソフトの「Windows for Handheld PC2000」(10月10日の記事を参照)を搭載した「MobileGear II」の新製品2機種を発表した。16MバイトのフラッシュROMを搭載し,企業ユーザーは任意のアプリケーションを初期導入した形で購入することが可能になる。出荷は11月15日より。

 新製品の「MC/R550」(左)と「MC/R450」(右)は,それぞれ「MC/R530」「MC/R430」の後継機。いずれもハーフVGAのカラーSTN液晶ディスプレイを搭載するタイプだ。MC/R550は主に企業ユーザー,MC/R450は個人ユーザーを想定しており,ハードウェアは同じ仕様だが,バンドルされるアプリケーションによって区別している。価格は,MC/R550が9万8000円。MC/R450は9万3000円。

 CPUは,同社製のVR4121/168MHzだ。メモリは標準で32Mバイトを搭載し,最大48Mバイトまで増設できるようになった。また,新たにH"やPacketOneの64Kbpsデータ通信にも対応する通信インタフェースを内蔵。バッテリー性能は従来より35%向上し,最大13.5時間(非通信時)の連続駆動が可能になった。主な仕様は以下の通り。

製品名 MC/R550 MC/R450
CPU VR4121/168MHz
メモリ 32Mバイト(最大48Mバイト)
Flash ROM 16Mバイト
ディスプレイ 8.1型カラーSTN液晶(640×240ピクセル)
通信インタフェース 携帯電話(PDC/DoPa/PacketOne),PHS(PIAFS 2.0),H"(PIAFS 2.1),RJ11(56Kbpsモデム),IrDA1.1
カードスロット PCカードType II×1,コンパクトフラッシュType II×1
バッテリー 専用リチウムイオンバッテリー,充電式副電池
本体サイズ 245(幅)×131(奥行き)×28.8(厚さ)ミリ
重量 約750グラム
OS Microsoft Windows for Handheld PC 2000
価格 9万8000円 9万3000円

 両モデルに共通して搭載されるアプリケーションは,指定した時刻に任意のWebサイトをダウンロードする「Auto Web Recorder」やWebブラウザの「WorldTALK」など。このほか,R550には「ATOK Pocket」やiモード用のWebページを表示できる「iディスプレイ」などをプリインストールした。一方のR430には,「ぷよぷよ」や「大富豪」といったゲームに加え,「日記と金銭簿ひかる」「PostPet」など,個人向けのソフトが初期導入されている。なお,両機種とも「音声出力がモノラルであるため」(同社),マイクロソフトの「Media Player」は搭載されなかった。

企業向けソリューションの強化

 NECは,昨年11月に指紋認証システムを搭載した「MC/R730F」をリリースするなど,コーポレート市場に向けた製品開発に注力しているが,今回の新製品はそれをさらに進めたものだ。Handheld PC2000の「Terminal Server Client」により,Windows Terminalとして利用できるほか,フラッシュROMに初期導入するアプリケーションをユーザー企業が指定できるC.T.O.(Configure To Order)にも対応した。フラッシュROMには,各企業の業務専用ソフトや顧客情報も導入可能だ。これにより,RAMのユーザー領域を業務ソフトで消費することがなくなり,またバッテリー切れによるデータ損失の心配もいらない。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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