News 2000年10月13日 11:59 PM 更新

G4 Cubeのウエルドライン,強度に不安はない?

G4 Cubeのウエルドについて,アップルは従来からの主張を繰り返したが……。

 G4 Cubeのきょう体に入ったウエルドライン(10月10日の記事を参照)について,その強度を疑問視する声が多い。そこで,再びプラスチック成形の専門知識を持つZDNet読者から寄せられた情報を掲載する。

 まず,うっすらと筋が残る程度のウエルドラインなら,強度的な問題は発生しにくい。また,衝撃などの外力によって発生する“ひび”と異なり,進行することもほとんどない。

 MacWIRE宛に情報を提供してくれたIsobe氏によると,「板厚の表面から裏面まで通ったウエルドラインというのはほぼゼロと考えていい。2分された成形材料が一体化しにくいのは,金型によって冷却されることが原因であり,この冷却は金型に接した部分が顕著だ。つまり,製品の表面(外側)と裏面(内側)がもっともはっきり出て,板厚の中間部分では一体化している場合が多い」という。ほとんどのケースはこれに当てはまるだろう。

 ただし,仮にウエルドが深いものだった場合には,少し注意が必要になる。その断面積が減っているのは確かだからだ。ZDNN読者の内沖敬氏は,「加重がかかることはないに等しいとはいえ,開口部に向かって(ウエルドが)発生しているだけに,そのままクラックになってしまう可能性は残る」と指摘する。

 そして,経年変化に対しても,ウエルドの入っているものは不利だ。樹脂の成形品は収縮が起こりやすく,この応力がウエルドの入っている部分に集中する可能性もある。「クラックに発展しなくても,本体の脱着に影響する変形が起こる可能性は十分にあるだろう」(内沖氏)。

 なお,アップルコンピュータはこの件に対し,「モールドラインであり,強度や品質に影響するものではない」という従来からの主張を繰り返した。「われわれは,自信を持って基準を守っていると言える」(アップル)。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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