News 2000年10月16日 11:36 PM 更新

NTT-MEと大京,マンション向け高速常時接続サービス会社を設立

NTT-MEと大京は,マンションやその周辺住宅向けに1Mbpsの高速常時接続サービスを行う新会社を設立した。

 NTT-MEと大京は10月16日,マンション向けの高速インターネット接続サービス会社「ファミリーネット・ジャパン」を設立したと発表した。NTT-MEのインフラを利用し,大京の系列マンションの入居者向けに1Mbpsの常時接続を提供する。将来はマンション居住者向けのECも視野に入れ,3年後の売上800億円を目指す。

 新会社は10月6日付けで設立。資本金4億9000万円のうち,大京が55%,NTT-MEが45%を出資する。社長は大京経営企画部ネット戦略室部長の村山茂氏が就任,社員は約10人でスタートする。

 新会社の事業は,「ライオンズマンション」など大京グループ3社の5700棟,約28万戸を対象に,高速専用回線とHome PNAを利用した常時接続サービスの提供とマンション内のインフラ構築。またマンションの屋上にFWA(Fixed Wireless Access)機器を設置し,半径400メートル圏内の住宅・オフィス向けにもネット接続サービスも行う。

 専用線はNTT-MEの光ファイバー専用線「XePhion」を利用。マンション構内ではHome PNAとワイヤレス接続を利用してネット環境を入居者や周辺住民に提供する。接続スピードは最大で1Mbps。世帯全員へのメールアドレスや50Mバイトの無料ホームページスペースが提供される。

 入居者の場合,初期費用は1戸当たり1万円からで,別に接続アダプター1万5000円を購入する必要がある。周辺住宅の場合は1戸当たり3万5000円から。利用料は,管理組合で一括加入した場合で1戸当たり月額2980円から,入居者が個別加入した場合は同3980円から,周辺住宅の場合は同4980円からとなっている。

 新会社では,大京が今後新築するマンション全戸に原則として接続環境を整備するほか,既存のマンションや他デベロッパーのマンションにも積極的に導入を図っていく。また今後はVoIP電話や物販などのEC,オンライン教育などのコンテンツサービスまで手を広げる考え。今後3年間で約100万世帯へのサービス提供を目指している。

 大京の柴田貢常務は「一戸建てを買わずに最初からマンションに一生暮らすつもりで購入する世帯が増えている。集合住宅のメリットを入居者に提供するのはデベロッパーの義務」と述べ,インターネット接続環境がマンション住人にとって重要なインフラになりつつあることを強調した。

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[小林伸也, ITmedia]

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