News 2000年10月26日 10:23 PM 更新

シャープ,デジタルカメラ用の1/1.8型420万画素CCDを発表

シャープが400万画素クラスのCCDを発表した。現行300万画素CCDと同サイズな点が特徴だが,ノイズの増加が心配。

 シャープは10月25日,デジタルカメラ用の1/1.8型420万画素CCDと周辺ICチップセットを発表した。11月にサンプル出荷を開始し,2001年4月に月産5万ユニットの量産を開始する。サンプル価格はCCDとチップセット込みで3万円。来年夏のボーナス商戦は,400万画素クラスのCCDを搭載したデジタルカメラが主力になりそうだ。

 新CCDは原色フィルターを採用。有効画素数は401万画素で,出力サイズは2452×1634ピクセル,アスペクト比は銀塩35mmフィルムと同じ3:2。現在の334万画素CCDと同じ1/1.8型(対角9.1ミリ)で高画素化を実現した点が特徴で,現行300万画素機に搭載されているレンズのイメージサークルがそのまま利用できるため,光学系の大幅な変更なしに400万画素対応が可能になるとしている。

 チップセットでは,信号処理LSIを高機能化し,画像を1/4〜4倍まで拡大/縮小が可能なデジタルズーム機能を搭載。またデータバス幅を従来の16ビットから32ビットに変更し,JPEG圧縮/伸張処理を毎秒15枚から毎秒30枚(VGA)と倍速化した。さらに消費電力を同社の300万画素システムと比べ220ミリワット減らし,1025ミリワットに抑えた。

 いよいよ見えてきた400万画素時代だが,シャープの新CCDはサイズを抑えた分,画素ピッチは3.1μメートルと現行の1/1.8型334万画素タイプをさらに約0.3μメートル下回る。画素ピッチが3.9μメートルを下回るとノイズの増加は避けられないとの指摘がある。8月22日の記事参照)。また画素ピッチの微細化に対応したレンズ解像度の改良も必要になりそうだ。

 だが現行の光学系をほぼそのまま利用でき,ボディサイズの大型化も避けられる点は大きい。来春には,ノイズ増加は画像処理で強引に切り抜けた上で「最大A5サイズまで銀塩フィルムと同等の高画素出力」(同社)が可能なデジタルカメラが登場しそうだ。

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[小林伸也, ITmedia]

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