News 2000年10月26日 07:55 PM 更新

アイドス,レゴブロックでオリジナルマシンを作れるレースゲーム「LEGO Racers」を発売

アイドスは,PC上でレゴブロックを使ってオリジナルカーを組み立て,レースに出場できるPCゲームを発売する。

 アイドス・インタラクティブは10月27日に,PCゲーム「LEGO Racers」を発売する。同ソフトは,PC上で仮想のレゴブロックを使って組み立てたオリジナルマシンを操作し,難易度の異なる全13コースで順位とタイムを競うレーシングゲーム。対応OSはWindows 95/98/Me。価格はオープンで,店頭実売価格は6000円程度になる見込み。アイドスはレゴブランドを活用したソフトをシリーズ化しており,今後もラインアップの拡充を進めてPCゲームユーザーの裾野を広げていきたい考えだ。

 LEGO Racersの最大の特徴は,レゴブロックを使ってレーシングカーをデザインできる点だ。既に用意されている車に手を加えたり,各種ブロックを使って完全なオリジナルマシンを組み立てることも可能。デザインによって,加速性能やコントロール性能が変わる仕組みになっており,コースに合わせたマシンづくりも考える必要がある。さらにドライバーの顔や姿も,パーツを組み合わせて好みのものを作ることができる。


コース上に落ちているアイテムでパワーアップしたり相手を攻撃できたりと,ノリは「マリオカート」に近い。メチャクチャなデザインのマシンにデタラメな姿のドライバーを乗せ,「チキチキマシン」気分を味わうといった楽しみ方もありだ

 13種類のコースは,宇宙や砂漠など背景も多彩。各コースのチャンピオンに勝つとスペシャルブロックが入手でき,自分のマシンをパワーアップできる。13人のチャンピオンを倒し,最後に現れる「ロケット・チャンピオン」に勝つことが最終目的だ。また2人でプレイできる対戦モードも用意されている。操作は各種のゲームパッドに対応する。

「レゴでPCゲーム市場を拡大」,しかし……

 エイドスは大手ゲームソフトメーカーの英Eidosの日本法人。Eidosは,累計2300万本を出荷した「トゥームレイダー」シリーズなどで欧米ではメジャーな存在だが,国内ではヘビーなPCゲーマー以外には浸透していないのが現状だ。

 これは国内のPCゲーム市場の規模にも原因がありそうだ。日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会がまとめた,1999年度におけるPC向けパッケージソフトの国内出荷実績(10月2日の記事参照)によると,PC用ゲームソフトの出荷金額は128億4600万円で,全体のわずか1.9%を占めるに過ぎない。ただしこれには18禁ゲームが集計に入っておらず,実際のPC向けゲーム市場の規模は250億円程度とされる。

 これに対し,主に家庭用ゲーム機向けソフト会社が加盟するコンピュータエンターテインメントソフトウェア協会がまとめた1999年におけるゲームソフトの国内出荷実績は3285億円で,PCゲーム市場との比較にならない大きさだ。日本のゲーム業界は家庭用ゲーム機が成長を引っ張ってきた経緯があるとはいえ,昨年来続いているPC出荷台数の急激な伸びからすると,現状のPCゲームの市場規模は物足りない。

 そこでアイドスは,レゴブランドのゲームを投入することで,こうしたPCゲームユーザー人口を広げる戦略を立てた。「レゴは欧米のトップブランドで,日本でも幼いころに親しんだユーザーは多い。親の世代と,今レゴで遊んでいる子供の両方に楽しんでもらえる」(同社営業マネージャーの久永智之氏)。PCと接続できるロボット「MINDSTORM」といった製品の投入でデジタル対応を進めるレゴの思惑とも一致した。既に今年5月に2製品を発表し,今回の「LEGO Racers」,さらに年末から来年初頭にかけて「LEGO ROCK RAIDERS」「LEGOLAND」の 2作品を発売する予定だ。

 エイドスによると,LEGO Racersの販売目標は「5000〜7000本」(同)。400万本をうかがう「ドラゴンクエスト」などと比べると控え目な数字だが,5月に発売した2本も半年で合計約6000本の出荷にとどまっている。そしてこれは必ずしも悪い数字ではない点が国内PCゲーム市場のお寒さを表している。本場の米国でも,家庭用ゲーム機の普及でPCゲーム離れが進んでいるとの指摘もあり,「もはや役目は終わった」などと言われるPCの将来と同様,PCゲームの見通しは厳しいのだろうか。

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[小林伸也, ITmedia]

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