News 2000年11月24日 09:07 PM 更新

いくつになってもロボットが大好き――大盛況のROBODEX2000

パシフィコ横浜で一般公開された「ROBODEX2000」。入場3時間待ちという状況だが,何時間並んででも見る価値のあるイベントだ。

 本日よりパシフィコ横浜で一般公開されたパートナーロボット博覧会の「ROBODEX2000」。ホンダの「ASIMO」やソニーの「SDR-3X」といった2足歩行ロボットを実際に目で見ることができるまたとない機会とあって,会場は大変な混雑ぶりだ。来場者も,目を輝かせてロボットを見つめる子どもたちから,その子どもよりも興奮しているお父さん,それに最先端のテクノロジーにただただ感心するばかりの年輩の方など,とても幅広い。ロボットに憧れる気持ちに,年齢は関係ないようだ。


大盛況のROBODEX2000会場

 ただ,ROBODEX2000では入場制限を行っており,午後3時の時点でも入場まで3時間待ちという状況。運営者側によれば,「会場内がすし詰め状態にならないように,50〜100人単位で入場させている。土日はもう少し,上限を引き上げるかもしれない」とのことだが,明日以降も長時間待ちは必至。ただ,何時間並んででも見る価値のある内容であることだけは確かだ。


最後尾では3時間待ち。暖かい格好をしていったほうがいい

圧倒的人気のASIMOとSDR-3X

 既報の通り,会場には水圧駆動の汎用大型ロボットの「T-5 プロトタイプ ゼロ」や,国内初公開となる科学技術振興事業団であるERATOの「PINO」など,各種ロボットが展示・デモされており,来場者の関心を引いている。だが,中でも圧倒的な人気を誇っていたのは,やはりASIMOとSDR-3Xだった。

 会場中央には,デモンストレーションコーナーの「A・SO・BOT Street」が用意されており,各ロボットが代わる代わる登場。その自慢の機能を披露するのだが,ASIMOが登場したときのどよめきは,ほかのロボットに失礼だが,雲泥の差。ただ,A・SO・BOT Streetは,ステージではなくただの通路のため,場所取りに失敗した場合は,実機を見るのはまず不可能。大型スクリーンを眺めるしかなく,「もっと見やすい工夫を」とぼやく来場者も少なくなかった。なお,SDR-3Xは全長50センチと小型のため,A・SO・BOT Streetでのデモは行われず,ソニーブースのみでの出展となっている。


こちらも大盛況のソニーブース

 そのSDR-3Xだが,会場が騒々しかったからか,来場者のフラッシュがきつかったためかは分からないが,音声認識のデモンストレーションではお茶目な姿を披露。3色のサッカーボールを目の前に置き,指定された色のボールをゴールに蹴り込むというデモだったのだが,「青色のボールをキックしなさい」と命令された SDR-3Xは,黄色のボールに直行。しばらく固まった後,左足でキックしたボールはゴールを大きく外れるという惨憺たる結果に。しかしながら,PKを外した後に頭を抱え込んで落ち込むSDR-3Xに,そばにいた女の子から「かわぁいい」の声援が。エンターテインメントロボットとしての役割は十分に果たしたようだ。

ロボット玩具にも注目

 2足歩行のロボットが大きな注目を集めるROBODEX2000だが,低価格で購入できるロボット玩具が展示されている「トイズ・ゾーン」も盛況だ。ここでは,トミーやタカラといった玩具メーカーが出展しているのだが,トミーブースにある犬型ロボットの「dog.com」は,昨年の東京おもちゃショーに「人間DOG」として参考出展されていたものだ(3月17日の記事参照 )。


可愛らしくなった(?)人間DOG。女性にも大人気

 人間DOGと比べると,ずいぶん可愛らしくなっているのに気が付くが,トミーの担当者によれば,「人間DOGはかなり不評だった。そもそも,若い女性をターゲットにしていたのに,中年のおっさん声で喋るというのは間違っていた。それに人間DOGという名前も……」とのこと。会場で販売されていた新しい人間DOG,いやdog.com(1万4800円)を購入した女の子は,この犬型ロボットをいたくお気に入りの様子だった。変身は成功したようだ。

 会場に来ていたある初老の男性は,「こんな時代がやって来るとは」と興奮しながら話していた。ASIMOやSDR-3Xを最前列で食い入るように眺めていた子どもたちが大人になった頃,今からは想像もできない社会になっているに違いない。

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[中村琢磨, ITmedia]

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