News 2000年12月15日 11:58 PM 更新

JTDC,Bluetooth対応のハンズフリー・ヘッドセットを発表

Bluetooth製品に注力するベンチャー企業,ジャパン・トータルデザイン・コミュニケーションが,携帯電話と組み合わせてハンズフリー通話を可能にするワイヤレス・ヘッドセットを発表した。

 ジャパン・トータルデザイン・コミュニケーション(JTDC)は12月15日,Bluetooth対応のワイヤレス・ハンズフリー・ヘッドセット「i2me」(イッツミー)を発表した。「国内メーカーでもBluetooth機器を販売しているところはあるが,純国産は初めて」(同社の伊藤明社長)。

 また同日,JTDCはBluetoothを推進するためのアライアンスを発表している。メンバーは,BIOSメーカーのPhoenix,OS-9で知られるマイクロウェア・システムズ,LSIのパッケージング技術を持つiEP,EMITシステム開発のTASKING,そして三井物産。6社は,それぞれの得意分野を活かし,PCや組み込み機器へのBluetooth普及と,Bluetoothチップの小型化,車載機器への搭載を目指す。特にPhoenixは,JTDCからBluetoothプロトコルスタックの供給を受けて,Bluetoothに標準対応したBIOSを出荷する予定だ。これにより,PCのBluetooth採用が促進されるとみられる。

半径10メートルのワイヤレス通話が可能に

 今回発表されたi2meは,携帯電話に接続する通信アダプタと組み合わせて使用するヘッドセットだ。Bluetooth Version 1.0bのHeadset profileを使用する。通信出力は約1ミリワットで,約10メートルのワイヤレス通信が可能だ。車両運転時など,携帯電話を手に持つことができないときに利用する。ヘッドセット部の重量は約45グラム,アダプタは約35グラム。どちらもPR2330空気電池を電源とし,「一日1時間使った場合,約2週間もつ」(同社)という。

 JTDCでは,i2meを自社ブランドによる販売および携帯電話メーカーへのOEM供給という形で提供する方針だ。2001年1月上旬には開発用サンプルの出荷を開始し,3月には一般消費者向けの販売を始める。価格はオープンだが,アダプタとセットで2万5000円程度になる見込みだ。なお,OEM供給に関しては「既に数社のメーカーと交渉を始めている」(同社)という。

 また,同社ではハンドスプリングのPalm OS搭載機「Visor Prism」(10月16日の記事を参照)に向けて,ワイヤレス動画通信を可能にするBluetoothアダプタと外部カメラを商品化する。こちらは,H.263に対応し,QCIFサイズのカラー映像を伝送できるという。発売時期は2001年夏。価格などの詳細は未定だ。なお,Bluetooth SIGが標準化を進めているMPEG4についても対応を進める方針であり「MPEG4をデコードするにはPDAのCPUパワーが足りない。その場合は,ハードウェアデコーダをアダプタ側に内蔵することになるだろう」(同社)と話している。


発表会場に展示されていたVisor Prismとワイヤレスカメラ

参考出展の「ハンズフリー機能内蔵MP3プレーヤー」と「ポータブルMDプレーヤー用のハンズフリーアダプタ」

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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