News:CES会場レポート | 2001年1月9日 05:13 PM 更新 |
米国ラスベガスで開催中の「2001 International CES」では,メモリースティックのソニーと,SDカードを推進する松下電器産業や東芝といった両陣営が,それぞれ活発な動きを見せている。CESでの状況を見ると,拡張モジュールの実用化についてはソニーが,メディアの大容量化についてはSD陣営が1歩リードといったところのようだ。
ソニーは,1月5日に発表したメモリースティック型のBluetoothモジュール「Infostick Bluetoothモジュール」を参考出展。「Bluetooth」というシールが張られたプロトタイプを利用して,実際にデモンストレーションを行っている。デモの内容は,デジタルカメラの「サイバーショットF505V」で撮影した画像を,液晶ディスプレイに転送するというものだが,これまでに見たほかのBluetoothのデモよりも明らかに転送に時間を要していた。ソニーの係員によれば,Bluetooth拡張モジュールを使用するにはメモリースティックスロットをハードウェア的に変更する必要があるが,今回のイベントで急遽デモを行うことになったため,「ソフトウェア的に強引に作りこんだ」(同担当者)のが原因だという。
|
Bluetoothモジュールが露出しているのは,来場者にアピールするためではなく,カバーをすると動作が不安定になるため。また,現在のスロットの位置だと撮影時にユーザーの手で覆われてしまうので,製品化に際してはスロットを上部に移動するなどの工夫も必要だという |
|
デジカメで撮影した画像を転送したところ。ディスプレイ側面にBluetoothモジュール型のメモリースティックがささっている |
また製品化の時期についてソニーの担当者は,「Bluetoothモジュールの場合,モジュールを製品化することよりも,対応機器がどれだけ用意できるかが重要。そのためにはソニーグループ全体で協力する必要があり,どうしても来年以降になるだろう」と話した。「当初は,携帯電話とPDAやPCとの間でデータをやりとりするくらいのことが現実的」(同担当者)
|
SDアソシエーション参加企業が集う「SDパビリオン」 |
一方,松下や東芝が率いるSDカード陣営は,「SDパビリオン」を設置し,次世代メモリーカードとしてSDカードの大容量化についてアピールしている。松下は,今年後半に発売予定の256Mバイト版のSDカードに格納した動画を再生するデモンストレーションを実施。デモの内容は,SDカードに記録した動画をアダプタを利用してノートPCにリアルタイムに表示するというもので,日本で10月に開催された「CEATEC JAPAN 2000」で披露されたものと同じだが,今回は動画フォーマットにMPEG1ではなくMPEG4を採用していた。
|
256Mバイト版SDカードのデモ |
なお,256Mバイト版のSDカードには,MPEG4形式で約8時間の動画を記録することが可能。メモリースティックが256Mバイトに達するのは2002年の予定となっており,大容量化については従来のロードマップ通りSDカードが先行する形となりそうだ。
|
東芝のSDカードロードマップ。2001年に128M/256Mバイト版をリリースし,2002年には1Gバイトまで達する見込み |
またSDカードパビリオンでは,松下,東芝のほか,PalmがSDカード拡張モジュールのモックアップを参考出展。メモリースティック同様に,カメラモジュール,Bluetoothモジュール,GPSモジュール,ならびにワイヤレスモデムモジュールなどが展示されているが,ソニーとは違い,実際に動作するものはなかった。
|
PlamのSDカード拡張モジュール |
|
松下のSDカード拡張モジュール |
関連記事
2001 International CES特集
Xbox,CESではじめの1歩を踏み出す
ソニー,バイオJライクなインターネット端末を発表
2001 International CES開幕。展示会場には?(前編,Intelなど)
2001 International CES開幕。展示会場には?(後編,MSなど)
HPC,PDAを超え,タブレット,ウェアラブルなどへと広がるWindows CE
SAMSUNGブースでは例のごとく多彩なMP3プレーヤーを展示
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.