News 2001年1月18日 09:06 PM 更新

東京めたりっく通信,下り最大3MbpsのADSLメニューを3月に投入

東京めたりっく通信は,下り最大3Mbpsのサービスを月額1万円程度で提供すると発表。これに伴い,従来のメニューも変更するとした。640Kbpsのサービスを受けていたユーザーにとってはスピードアップ,1.6Mbpsのユーザーには値下げとなる。

 東京めたりっく通信と大阪めたりっく通信は1月18日,ADSLサービスメニューの追加と変更を発表した。ADSLのG.dmt Annex C規格を導入し,下り最大3Mbpsのサービスを月額1万円程度で提供する。NTTのフレッツ・ADSLなどが軒並み「最大1.5Mbps」を打ち出してきた中で,同社CEOの平野剛副社長は,「成熟産業しか扱わない競合他社に,まだ市場は変わるということを見せつける」と意気込みを語っている。下り最大3Mbpsのサービスは,3月を目途に東京23区からスタート。順次サービスエリアを拡大していく予定だ。

 同社が採用したG.dmt Annex Cは,17日にガーネットコネクションズ企画が発表した実証実験(1月17日の記事を参照)で使われる方式と同一。したがって,規格上は,最大で下り6Mbps/上り512Kbpsのスピードが出る。しかし,東京めたりっく通信では,実際に運用する際の顧客宅〜電話局間の標準的な距離を検討した結果,最大3Mbpsに設定することに決定したという。「今後,6Mbpsにスピードアップする可能性もある。しかし,それは条件(電話局との距離など)を満たしたユーザーだけが対象になるだろう」(平野氏)。

既存ユーザーにも朗報

 上位メニューの追加に伴い,既存メニューの変更も発表された。ブリッジタイプのモデムを使用する「Single640」(下り640Kbps/上り250Kbps,月額5500円)と「Single1600」(下り1.6Mbps/上り270Kbps,月額8000円)は「Single」の名称で統合され,下り最大1.5Mbps/上り270Kbpsのベストエフォート型サービスとなる。月額利用料は,Single640と同じ5500円だ。

 また,ルータタイプのモデムを使う「Family640」と「Family1600」も「Family」に統合され,月額5500円で下り最大1.5Mbps/上り270Kbpsになる。ただし,各メニューともNTTの回線利用料(電話重畳する場合で187円/月)が別途必要。「さらに値下げしてほしいという願いを込めて,あえて別立てにした」(平野氏)。

 東京めたりっく通信では,2月から3月にかけて,電話局単位で新メニューへの移行作業を進める。その際,数分間ネットワークを停止させる必要があるため,別途,ユーザーに対してスケジュールが案内される予定だ。また,公平さを保つため,移行が済んでいないユーザーについても,利用料金は2月分から5500円に統一される。

ダークファイバーの恩恵

 今回のメニュー変更は,ダークファイバーの活用により,NTT局間のバックボーン構築費用が大幅にダウンしたことによるものだ。平野氏は,「今回のメニュー変更は,“ダークファイバーショック”によるサービスの第1弾。今後,第2弾,第3弾がある」と話している。なお,サービスインしたばかりの名古屋めたりっく通信でも,同様のメニュー変更を「検討中」だという。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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