News 2001年2月28日 03:22 PM 更新

IntelがMcKinleyをデモ,今年後半に登場

Intelは,今年後半にも登場するItaniumの第2世代コア「McKinley」をデモンストレーションした。

 Intelは,米カリフォルニア州サンノゼで開催中の「Intel Developers Forum 2001 Spring」(IDF)で,Itaniumの第2世代コア「McKinley」の初期出荷版を動作させた。Itaniumは第1世代コア「Merced」の出荷が遅れ,OEM各社が対応システムを出荷するのは今年第2四半期になる予定だが,McKinleyは今年後半にも登場することになる。


McKinleyのチップとシリコンウェハーを持つPaul Ottelini氏

 IDFの基調講演に登場したIntel上級副社長のPaul Ottelini氏は,「Itaniumシステムは30のOEMベンダーが動作可能なシステムを用意しており,第2四半期には一斉に出荷される予定だ。300のアプリケーションが既に動作中で,AIX,HP/UX,Windows,Linuxが利用できる」と話した。

 Ottelini氏は続けて「Itaniumはサーバのパフォーマンスを劇的に向上させるが,この分野はさらに大きなプロセッサパワーを必要としている。(第2世代Itaniumの)McKinleyは,大容量のキャッシュをオンチップで統合することで,Marcedを大きく超えるパフォーマンスを実現する」とアナウンスした。

 Marcedは,2次キャッシュを既に統合しているが,バックサイドバスに別途3次キャッシュを搭載したカートリッジ形式になっている。McKinleyでは,この3次キャッシュまでを統合してしまう。


HPの試作機3台でMcKinleyをデモ

 デモンストレーションでは,McKinleyを搭載した米Hewlett-Packard(HP)の試作機上で,一般的な処理が軽いポリゴンシェーディングによる3D グラフィックではなく,レイトレーシングによる精細な3Dグラフィックを(もちろんリアルタイムではないが)高速に生成させてみせた。また,まだA0ステップ(外部に出す最初のエンジニアリングサンプル,McKinleyのA0ステップは昨年中に出荷されていた)の段階で高い互換性を持っていることを強調。HP/UX,Windows 2000,Linuxを動かしたMcKinley試作機をならべ,互いに連携した動作をさせて観衆の拍手を誘った。

 Ottelini氏はほかに,昨年出荷が開始された大容量統合2次キャッシュを持つPentium III Xeonの900MHz版を第2四半期に,Pentium 4と同じマイクロアーキテクチャを持つサーバ用プロセッサの「Foster」(コードネーム)を今年後半に投入することも発表。同氏によると「現在,Pentium III Xeonは,TPC-Cベスト5の上位4台に搭載されているが,FosterはPentium III Xeonの1.5倍のTPC-Cをマークする」。また高速I/Oシステムの「InfiniBand」(2000年8月30日の記事を参照)も,実際に動作するものが,デモショウケースで公開される。

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[本田雅一, ITmedia]

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