News 2001年3月7日 11:52 PM 更新

デルがサポートまでB.T.O.にした理由

デルコンピュータは3月6日,報道関係者を対象としたサポートプログラムの説明会を行った。

 今年1月末,デルコンピュータは,ユーザーサポートをB.T.O.(Build to order)メニューとして設定した。24時間・365日のサポートをウリにしていたはずの同社だが,方針を転換したのは何故か。理由は,「ユーザーメリットのため」だという。

 デルは3月6日,報道関係者を対象としたサポートプログラムの説明会を行った。同社カスタマーサービス本部の山花あおいシニアマネジャーによると,デルの場合,他社によくある「1次受付」「2次受付」といった区切りがないのが特徴だという。通常なら,電話窓口を一本化しておき(1次受付),当該製品の担当者へとバトンタッチ(2次受付)する。しかしデルの場合,製品に記されたユニークな番号(エクスプレス・サービス・コードとタグ番号)をプッシュすることで担当者へダイレクトにつなぎ,その担当者が責任をもって案件を処理する仕組みだ。

 また,担当者がユーザー自身による復旧は不可能と判断した場合,オンサイト修理やパーツ配送の手続きまでを一括して行う。サービスエンジニアの派遣およびピックアップ&デリバリーは,一部離島を除いて翌々営業日までに訪問することが可能だ。

B.T.O.移行のカギはコスト?

 山花氏は,ユーザーサポートのB.T.O.メニューへの移行について「従来は,パソコンに24時間365日のサポートをバンドルしていたが,ユーザーにより有益なのは選択できることだと判断した。サポートメニューを3段階に分け,上位の“プレミアサポート”で従来と同じメニューを用意している」と話している。

 デルが用意したサポートB.T.O.メニューは3つ。ただし,企業向けクライアントPCでは,エコノミーサポートは選択できない。

メニュー 受付時刻 内容
エコノミーサポート 平日9〜17時 フリーダイヤルの電話サポート
12時間スタンダードサポート 平日+土曜日の9〜21時 フリーダイヤルの電話サポート
24時間プレミアサポート 24時間365日 フリーダイヤルの電話サポートと電子メールサポート

 では,何がユーザーメリットになるかといえば,コストだ。24時間サポートをバンドルした製品と同じ構成で発注した場合,エコノミーサポート選択時で1万円,スタンダードサポート選択時で6000円安くなる。PCの故障は偶発的な要素が多く,サポートの必要がないまま買い換えを迎えるケースも少なくはない。そこで,すべてのユーザーにもっとも負担のかかるサービスを提供するより,それぞれのニーズに合わせて選択してもらったほうが良いと判断した。もちろん,一度選択したメニューでも,後からアップグレードすることができる。

 もっとも,デルにとっては「サポートで浮いた予算で,もう少し高価な本体を購入してもらえれば……」(デル)というのが本音なのかもしれない。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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