News | 2001年3月16日 11:59 PM 更新 |
もっとも,最高速に近い数値が弾き出されたとはいうものの,わが家では時間が経過するとともに速度が落ち,400Kbps程度になってしまうことがあるのは先週報告した通りだ。MTU調整を行った後,「フレッツスクエア」(フレッツスクエアはNTT東日本の場合。ほかのADSLサービスではISPのFTPサーバに対してファイル転送を行うといいだろう)との速度を計測し,それでも遅い場合は,ADSLモデムのリンク速度が遅くなっていると考えるのが妥当だ。
わが家は,最寄りの電話局から直線で600メートル程度と近いが,2キロ以上離れている場合は,最高速が出ることはないのではないだろうか。4キロ程度離れたところでも接続できたという話も聞くが,その場合の速度は400Kbps程度のようだ。
原因は多く考えられるため,かならずしも有効とは限らないが,宅内配線に問題がある場合に有効と思われるのが電源ノイズ対策だ。電源ラインにはさまざまなノイズが乗っており,モデムがその影響を受けるとリンク速度が低下する場合がある。
ここはダメで元々と考えて,モデムのアース端子をコンセントのアースに接続してみることをおすすめしておきたい。通常のローゼットにはアース端子が省略されていることが多いが,エアコン用コンセントや,台所,洗濯機用コンセントにはアース端子が出ていることが多い。とりあえず,手近なところで実験し,効果を確認した上でアース用の線を買ってくるといいだろう。
なお,アース端子を接続したあと,いったんモデムの電源を入れ直さないと速度は変わらないので注意してほしい。フレッツ・ADSL用のモデムには電源スイッチなどはないため,電源コンセントを抜いて入れ直すか,通信線を抜いて挿し直すといい。
わが家では,リンク直後はほぼ最高速が出るため,効果は数字として出て来にくい。しかし,知人からはアースの接続で1Mbpsから1.1Mbpsへ,およそ100Kbpsほど高速化したという報告がある。アースをしっかりとしておけば,あまり問題はないと思われるが,電源ノイズをカットするオーディオ機器用のノイズフィルタを用いるのも良いかもしれない。
電話局が近いのにリンク速度が極端に遅いと思われる場合は,回線品質が疑わしい。
わが家で速度が落ちてしまう原因は,先週お話ししたように,同一カッドにフレッツ・ISDNの回線が入っているためだと思われる。また,建物に引き込まれた10対の電話線のうち,わが家以外が使っている9対はすべてフレッツ・ISDNであり,隣接するカッドもすべてISDNからの影響を受けている。
NTT東日本の担当者によると,同一カッドにADSLとISDNを混在させることはほとんどなく,近隣の線にISDNが使われていないことを確認しながら,どの線を利用するかを決定するそうだ。しかし,わが家のマンションはもともと完全光収容で,10対のメタルラインは,僕が前の住まいから継続してOCNエコノミーを利用するために引かれたもの。つまり,予備が存在しないため,ISDNから離れたラインを利用しようにもできなかったわけだ。
ただし,実際には30対のメタルラインがあり,そのうちの10対のみしか接続されていないだけだという。別途使われていない線を接続することで,ISDNからの干渉を逃れられるかもしれない。
こうした回線調整は東京めたりっく通信などでは無料で行ってくれるそうだが,フレッツ・ADSLの場合は有料になるという。僕の場合,最初から同一カッドにISDNが存在したため,無料で調整を行う方向で動いてくれるそうだ。しかし,最初はアナログ回線だった同一カッドの回線が,ある時からISDNに切り替わって速度が遅くなった,という場合は有料になる。
ISDN回線の束の中,それでも400Kbpsの速度が確保できるのは,フレッツ・ADSLが採用しているAnnex C(のデュアルビットマップ方式)のおかげともいえる。別の知人宅では,東京めたりっく通信の回線が開通して1.6Mbpsの高速回線を楽しんでいたところ,ある日の夕方から急にアナログモデム並みの速度に落ちてしまったそうだ。原因を調べたところ,NTT-MEの担当者が該当回線をISDNと間違え,アナログを集めている線番からISDNの集まった線番へと入れ変えたためだった。次回工事のスケジュールの都合で,そのまま2週間もの間,ナローバンドで過ごしたというから笑えない話である。
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